シンコプレイ(五重プレイ):メモリは自動運転にとってきわめて重要

「自動車用人工知能および自動運転車アプリケーション向けのコンピュートプラットフォームを提供する主導権争いが激化し続けています。インテル、クアルコム、NVIDIA、サムスンなどの自動車関連市場(自動車向け機器産業という意味におけるもの)の比較的新しい参入者は、NXP(現在クアルコムが買収中)、テキサス・インスツルメンツ、ルネサス、ザイリンクスなどの先行企業に戦いを挑んでいます。最近行った他の半導体プロセッサーベンダーとの対話においてStrategy Analytics社は、自動運転に関する彼らの主張の変化を見て取りました。その対話はかつて、自動運転についての問題のプロセシング/頭脳の部分に中心をおいていました。それが今は、センシング、オンボードプロセシング、通信、およびクラウド全般にわたる全体的かつ統合的なポジショニングに変化しました。この自動車関連の新たな「クアドラプルプレイ(四重プレイ)」は、この分野において以前から専門技術を持っていたり、またはジグソーパズルのように技術のピースを現在集めたりしているインテルやクアルコムなどにとっては、おそらく自然な動きです」1

しかし、多数の自動車用半導体プロセスベンダーには、自動運転パズルの重要なピースが欠けています。つまりメモリです。主に運転者支援のレベル2から完全自動運転能力を提供するレベル5まで、自動運転が自動車に一層統合化されるにつれて、現在のメモリソリューションの大半は、これらの高レベルに対する帯域要件を達成するのに問題を抱えています。

現在、自動車には、60 GB/s未満の帯域を持つDRAMメモリソリューションが必要です。2020年モデルの自動車用に現在開発中のシステムに対しては、I/O信号速度が最大4266 Mb/sのx32 LPDRAM部品が使用されています。2020年と2023年モデルについては、現在開発中のデザインではLPDRAM4が使用されています。ムーアの法則は、トランジスタ数が2年ごとに倍増すると予想し、それにしたがって、過去数十年間予想可能な直線軌道を描いて伸びてきましたが、今や、メモリ帯域の大幅なギャップが見えており、新方式のシステムアーキテクチャまたは新型のメモリ技術が必要になっています。

ADASへの応用では、レベル3とレベル4自動運転能力をサポートするのに512 GB/s~1024 GB/sの帯域が必要であると予測されています。マイクロンは、自動車産業のパートナーと密接に協力して、メモリソリューションの明確化と開発を行い、このニーズをサポートします。このメモリの候補には、GDDR6とHBM2の2つがあります。マイクロンは、自動車産業が要求する信頼性と温度範囲の制約を解決するには、GDDR6が最適な選択肢だと考えています。HBM2は、高度に統合化(シリコンインターポーザのインパッケージに4段積層、または8段積層)されており、より小型の設置面積に適したソリューションを可能にします。しかし、HBM2は、積層構造とシリコンインターポーザのために、かなり高価になると予想されており、自動車の厳しい環境で信頼性を確保するために追加のリソースが必要となる可能性があります。GDDRメモリは、JEDEC標準に基づくメモリで現在ゲーム、ビデオグラフィックス用途に大量生産されています。マイクロンは、自動車市場での主導権に加えてグラフィックスメモリでの強みを生かして、この次世代技術を市場に投入しようと計画しています。

自動運転市場を実現するために、「クアドラプルプレイ」は、全体的、かつ統合化された将来の自動運転車の視点にメモリが含まれる「シンコプレイ」に変わる必要があります。

1ボッシュ社は、NVIDIAベースの自動運転用AIコンピュータを発売します。

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