なぜ自動車にPCIe NVMe SSDが必要なのでしょうか?

業界の専門家たちは、未来の車は3億行ものコードを含むだろうと予想しています。今日、典型的な高級車は2億行のコードを含むことができます。これはつまり、自動車が世界で最も大きなソフトウェアプラットフォームの一つということになります。総体的に見た時に、今日の自動車は、Facebookといった人気アプリケーションやWindows 10といったメインストリームのオペレーティングシステムよりも多くのコード数を持っています。

論理的に、拡大し続けるデータおよびプログラムのストレージにおける需要に追いつくよう、自動車内のストレージの容量も拡張しています。ストレージにおける成長を促進しているのは車内ソフトウェアの複雑性だけではありません。3D HD地図やデータレコーダー(ブラックボックス)といった拡張容量の導入—自動運転の実現に不可欠な技術—はデータストレージ要件全体へ深い影響を与えています。

自動運転車同士が事故にあった場合、どちらに過失があるのかという疑問がいつか生じます。一つの方法として、事故の起こる30秒前の車の行動を再構築することで、答えを判断することができます—つまり全てのセンサーのデータ記録を使用し、センサーがまさに見たもの、およびそのデータを基に人工知能(AI)アルゴリズムがどのような行動を起こしたのかを再生することで判断できます。

未来の自動運転車におけるセンサー数およびそのセンサーの解像度と帯域幅を見てみると、数GB/秒を超えるデータレートは当然となっていくことが分かるでしょう。ブラックボックスは事故の例だけでなく、自動電子ブレーキ(AEB)が適用された出来事および状況にも紐付いたデータの保管に使用されます。AEBは、アルゴリズムやセンサーが正確に動作していない可能性や追加調整から恩恵を受けられる可能性を暗示します。これはAIアルゴリズムの微調整および最終的な自動運転車への大量展開に対し非常に貴重な情報となるでしょう。

これらは今後の自動車において必要とされるストレージの量が非常に増加することになる機能および要因のほんの一例です。これらの例は低レイテンシながら高性能アクセスを提供し、またもちろん、自動車の信頼性および温度要件を満たすようなストレージのサブシステムに対する需要を明確に示しています。

ストレージの発展

消費者市場を対象としたHDDにおいて遂に1TBの壁が破られたことは、つい最近のことのように感じられます。その少し後、2.5インチで1TBのSSDが導入されました。導入時は、この技術は最新とされており、大衆には手の届かない価格でした。技術は進歩し続け、マイクロンが自動車市場を対象とした業界初のPCIe NVMe フラッシュストレージデバイスを発表した2018年11月13日まで話が進みます。サイズはたった16 mm x 20 mmのデバイスで、BGAパッケージにおける容量は64GBから1TBでした。

この躍進的な製品は、マイクロンの第3世代の3D NAND、64層のスタッキング、およびCMOS under array技術を含む最新技術の組み合わせにより実現しました。これらの技術を組み合わせることで、業界内の同等の競合デバイスと比べ、ウェハ当たりのダイ数が25%多くなります。ダイの領域効率の増加による恩恵はコストの節約だけにとどまりません。1TBデバイスを小さい形状のBGAパッケージで実現可能となるような、より大容量を実現します。

敢えて言うなら、車載インフォテインメントシステムに加え、より広範な埋め込みおよびモバイル市場において重要な役割を果たすUFSおよびeMMCのような代替ストレージがあります。しかし、PCIe NVMe SSDは他のインターフェイスに対してもいくつか利益を提供します。例えば2100 SSDは、低いエネルギー消費でありながらUFS 2.1やeMMC v5.1よりそれぞれ3倍および6倍早い読み出し性能を発揮します。高性能に加え、NVMeソフトウェアスタックはUFSに使用されるSCSIスタックよりも低レイテンシであり、結果的に書き込み速度と読み出し速度がそれぞれ>25%、>15%改善します。 起動サポートを備えるNVMe 1.3は起動のための他のストレージデバイスに対するニーズも取り除きます-つまりシステムレベルのコストの低減へとつながります。

2100 SSDは、データの完全性、信頼性、およびセキュリティにおける自動車市場に必要不可欠なシステムレベルの特徴をサポートし、AEC-Q100、 IATF 16949仕様を満たします。それらの特徴は、エンドツーエンドのデータ経路の強化保護、高耐久性を実現するためのSLC分割サポート、自動リフレッシュとホスト主導のリフレッシュ、および自己暗号化能力を持つTCG opalを含みます。

マイクロンは自動車市場に約30年取り組んでおり、今後もその取り組みを強化していきます。また、自動車グレード PCIe NVMe SSD 製品群の発表をしたように、業界の主要製品の導入を通した重要な市場およびシステムアーキテクチャの傾向の把握に努めていきます。

私たちは、自動車の次の世代を実現するための主要サプライヤであることを喜ばしく思っています。

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