アルファで先駆け、ベータでも先駆ける:世界初の1ベータDRAMを出荷

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マイクロンのDRAM、エマージングメモリプロセスおよびインテグレーション & デバイステクノロジー担当コーポレートVPである白竹茂は、マイクロンが市場をリードする1β(1ベータ)DRAMテクノロジーの開発と出荷に関する最新情報を発表しました。マイクロンは、次世代プロセスノードテクノロジーにより開発された市場初となるLPDDR5Xのサンプルを、スマートフォンメーカーやチップセットサプライヤーに出荷しています。

マイクロンの革新 -アルファからベータへ

マイクロンは2021年1月に、1α(1アルファ)プロセステクノロジーを用いて製造されたDRAMの出荷をサプライヤー向けに開始して以来、DRAM市場テクノロジーのリーダーであり続けています。2022年5月12日には、次世代の最先端 DRAMテクノロジーに関して初めて発表を行いました。

この新たな1β DRAMテクノロジーは、1α DRAMを基盤とする製品で現在維持しているリーダーシップをさらに堅固にするものです。このテクノロジーは完成し、本格的な製造段階に進み、スマートフォンメーカーとチップセット製造パートナー向けに、LPDDR5Xの認定サンプルという形で出荷されています。これは重要なマイルストーンであり、マイクロンとそのパートナーは、スマートフォンの次の革新の波と魅力的な使用モデルに、新しい性能と優れた電力効率をもたらすために前進することができます。

 

小さな発展が、大きなリーダーシップにつながる

ご存じない人々のために申し上げれば、半導体は、高度に微細なプロセスで、ノードと呼ばれる専門化されたツールを使って開発されます。これらのノードは、DDR5、DDR4、LPDDR、GDDRなど1世代以上にわたる新製品を製造するのに使われます。通常、各ノードの進歩は、ダイのトランジスターやキャパシターの最小コンポーネントのさらなる微細化や最先端CMOSの採用を表しています。

ここでご紹介する事例では、マイクロンの新しい1βプロセステクノロジは、私たちの前世代の1αプロセスノードで製造されたDRAMと比較して、トランジスタ1個当たりのサイズと消費電力の削減に寄与しています。1βのテストの最初の結果は、以前のリーダーシップである1αノードで製造された製品と比べて、世代間の性能の改善と約15%の効率の向上を示しています。こうした進歩は、高性能化を求めて止まない、消費電力にも意識の高いモバイル市場の顧客に大いに歓迎されますが、これらの顧客に1βノードで製造された最初のLPDDR5Xが入手可能となりました。

しばしば、最も最先端のノードを有する会社が、最も集積度が高く、最も電力消費が低い、または最も効率のよい(ビット当たりの消費電力)構成部品を製造することができます。結果として、メモリのような製品はJEDECによって大部分が標準化されていますが、最も最先端のプロセスノードを有するマイクロンのような会社から調達することにメリットがあります。

周知のことでしょうが、ご説明しておきますと、最先端の半導体を製造することは、信じられないくらい困難です。先ず始めに、比類のない精密性と驚くような性能の一貫性をもった、顕微鏡サイズの微少な構成部品を製造することを可能にする、数十億ドルに及ぶ信じられないほどクリーンな施設が必要になります。しかし、それはほんの始まりに過ぎません。それには、また、半導体を製造するために必要なデバイスおよび資材、そしてプロセスおよびツール-つまりノード-を設計する優秀な頭脳によりもたらされる、比類のないイノベーションが必要になります。

マイクロンの1β DRAMのような最先端の半導体を製造するには、一千を超える個別のプロセスと測定ステップが必要になります。工程の各ステップにおいて、1台または数台のより最先端の(そして高価な!)マシンが、ウエハ1枚ごとに数百あるダイの各々のトランジスタを形作る原子の厚みの、超純粋な資材を配置していくのに必要な、重要で、段階的でそして精密な作業を行っています。これらのダイは、それからテストされ、切り分けられ、そしてわれわれが日常目利用しているコンピューターや電子装置内のDIMM上でわれわれ全員が目にするメモリモジュールとしてパッケージされます。さらに、回路設計のイノベーションは、低消費電力で高速な製品を提供するために不可欠です。プロセステクノロジーと回路設計は、膨大な量の検証作業を通じて調和され、そして最適化される必要があります。

これが、今日、私たちが1βプロセステクノロジーで到達した地点です。私たちは、いくつもの製造手順を終えており、そしてスマートフォンの戦略的顧客が、次世代のスマートフォンを準備するに当たって、開発およびテスト作業を行うために、これらのメモリデバイスの最初の製品の出荷を始めました。

懸命の努力と多大な投資が報われて

1人の技術者として、私は、新たなプロセスノードの本格製造の開始のような重要なマイルストーンを、私のチームと私自身が達成したときに、常に歓びを感じます。当然ですが、進歩を遂げ、そして新たなテクノロジーを市場にお届けする時点で、一段とさらに報われます。テクノロジーを顧客の手に届けることができたと確認できれば、時間、資金そしてエネルギーを投資したことが妥当であったことがわかります。私たちが、最初のデバイスを出荷した時点で、時計が時刻を刻み始めたことを全員が認識していましたが、その後すぐに、市場におけるマイクロンのパートナーおよび顧客から、最終製品として登場してくる姿を目にすることになります。そして、この時点で私たちの達成した成果が真の姿を現します。

私どもは、1βノードテクノロジーによって、市場に提供される初めてのブレークスルーであることを認識していますが、私どもは、市場において最も需要の多い電話機およびその他のデバイスにポイントを合わせることができたことを大いに誇りとしており、また私たちのテクノロジがこれらのデバイスを実現する助けとなったことを知っています。

1βを採用した最初のスマートフォンが開発され認定されていますが、私たちは、眼前にせまった次の作業に、完全にフォーカスすることができるようになっています。その作業とは、最初のLPDDR5X製品だけでなく、マイクロンの製品ラインナップのより広範な部分にわたって、このプロセステクノロジーを拡充させていくことです。1β製造プロセスに固有の性能および電力効率のメリットは、マイクロンの広範な製品ラインナップにおける、実際上すべての市場分野およびメモリテクノロジー全般にわたる顧客に便益をもたらすことを約束しています。

そしてもちろん、私たちは、次世代のプロセスノード技術を定義する作業を継続しています。この業界では前進が止まることはありません。

Picture of Shigeru Shiratake

筆者経歴

白竹茂
Micron Technology, Inc. DRAM & EM デバイステクノロジーおよびプロセスインテグレーションテクノロジー開発担当コーポレート副社長
白竹茂は、テクノロジー開発部門のDRAMおよびエマージングメモリ研究開発事業担当のコーポレート副社長。

白竹は、2013年に、DRAMプロセスインテグレーション部門の長としてマイクロンに加わりました。マイクロンに加わる前、白竹は、2005年から2013年の間、(2013年にマイクロンの買収された)エルピーダメモリの役員を務めており、いくつかのDRAMプログラムを統率していました。白竹のメモリテクノロジー部門での経験は30年におよび、またルネサステクノロジー株式会社や三菱電機株式会社でのリーダーシップ職がさらに含まれます。

白竹は、数多くの公表論文の著者であり、また半導体テクノロジーに関する数十件の特許を取得しています。

白竹は、山口大学から電子工学の理学士および理学修士の学位を受けています。 
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