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Micron 9400 NVMe SSD データセンターワークロードの新たなリーダー

アルバロ・トレド | 2023年2月

高度な医療診断による医療成果の改善をお求めですか? 音声でコントロールできるデバイスを増やしたいですか? より優れたショッピングのレコメンデーションを取得することにご興味をお持ちですか?

私たちが当然のように享受しているライフスタイルにおけるこのような利便性は、特定のタスクに向けてそれぞれ最適化された、さまざまな形態の人工知能(AI)ワークロードを実行するミッションクリティカルなデータセンターによって支えられています。例えば、ナショナルフットボールリーグ(NFL)は、「デジタルアスリート」と呼ばれるNFLプレーヤーのバーチャル表現をAIを使用して作成しています。このデジタルアスリートは、プレーヤーの健康と安全を強化し、負傷の可能性を減らすための負傷防止・予測ツールです。1これらのタイプのワークロードでは、データを迅速に読み込み、膨大な量のデータセットから重要なインサイトを提供します。私たちがAIを使用して生活を改善したいと望むようになると、データセンター事業者には、優れた性能と応答性だけでなく、大規模なデータセットにも対応できるストレージが必要になります。

本日、マイクロンは、9400 NVMe™ SSDを発表しました。このドライブは、1SSDあたり30テラバイト以上を持つストレージで、最も要求の厳しいデータセンターのワークロードにも対応できるよう設計されています。また、競合他社のドライブを上回る性能2であり、さらに前世代のSSDよりもIOPS/ワットに優れ、電力効率が大幅に改善されています。

このような強力なSSDを作るきっかけとなったのは、当社のお客様です。医者に行く、買い物に行くなど、日常のタスクの中でより多くのデータを作成するようになるにつれて、SSDに対する需要は高まって行きます。今日、ストレージは、少スペースかつ省電力で、データへの迅速なアクセスを提供する必要があります。マイクロンが構築したSSDは、スペックシート上で見栄えが良いだけではなく、実際のワークロードで最も重要である性能が向上しています。

マイクロン9400 NVMe SSDは、現在、業界をリードする大量生産型の30.72TB U.2ドライブです。最高密度の2.5インチ高性能NVMeドライブであり、データセンターでの利用が可能です。3また、30.72TBドライブを含むすべての容量で、マイクロン9400は一貫して低レイテンシーを実現しています。4 各サーバーに24のドライブを備えた18台の2Uサーバーを収容できる42Uのラックがあったらどのようなことができるか想像できますか? 当社のドライブなら、1つのラックに13ペタバイト以上のストレージを保存できます。

また、マイクロン9400は、当社の前世代の高性能SSDよりもIOPS/ワットが最大77%向上しており、優れた電力効率も実現しています。5この改善により、データセンターにおいてより低い消費電力で同程度の性能を確保できるため、電力料金を削減できます。あるいは、同じレベルの消費電力であれば、サーバーをより活用することができます。この最適化は、データセンターでますます重要になってきています。これは、ラックにさらなる電力を投入することができないためです。

マイクロン9400 SSDは、PCIe® Gen4ストレージの新たな性能基準を確立しています。マイクロン9400は、100%のランダム読み取りで驚異的な160万というIOPSを達成するだけでなく、混合IOでも高性能です。混合IOとは、ワークロードの読み取りと書き込みがランダムに混合することを指します。これは、SSD性能の特性評価に一般的に使用されるフレキシブルIO(FIO)合成ベンチマークによってシミュレーションが可能です。マイクロン9400は、90%の読み取りおよび10%の書き込み(90/10)ワークロードで、100万超のIOPを達成しています。これは、競合他社のデータセンターSSDよりも最大71%上回っています。6 70/30のワークロードの場合、マイクロン9400は競合他社よりも最大127%高い80万IOPを達成。7 80/20のワークロードの場合、マイクロン9400は100万IOPを達成し、競合他社よりも最大88%上回っています。8 しかし、重要なのは、「マイクロン9400は実際のワークロードにどの程度対応できるか」ということです。

この疑問に答えるために、マイクロン9400 SSDと競合他社の製品を実際のワークロードでテストしました。

RocksDB

RocksDBは、MetaのSSDに永続データを格納するために広く使用されているキーバリューストアです。9また、特に視聴者履歴の保存やスパムの検出など、ユーザー向けのレイテンシーの影響が大きいアプリケーションでも一般的に使用されています。RocksDBは、非常に高速な高性能ストレージ用に構築されたデータベースであるため選択されました。マイクロンでは、マイクロン9400と競合他社の性能重視のNVMe SSD3製品を3つのシナリオでテストしました。

  • データベースからのランダムな読み取り
  • 80/20でのデータベースからのランダムな読み取り/書き込み
  • データベースへの書き込み中のデータベースからランダムな読み取り

RocksDBのテスト結果によると、マイクロン9400 SSDは、複数のキュー深度で4Kおよび16Kのブロックサイズを使用した3つのシナリオすべてにおいて、ワークロードの応答性が上回り、その差は最大34%でした。

Aerospike Database

Aerospike Databaseは、フラッシュストレージ用に最適化されたオープンソースのNoSQLデータベースです。これは、不正検知、レコメンデーションエンジン、リアルタイム決済処理、株式取引など、タイムクリティカルなWebアプリケーションを支える最速のNoSQLデータベースの1つです。世界最大のオンライン送金、請求、支払いシステムであるPayPalは、従来のNoSQLデータベースからAerospikeに切り替えることで、200ミリ秒以内に不正パターンを迅速に特定することができました。10

マイクロンは、Aerospikeデータベースと、Yahoo! Cloud Serving Benchmark(YCSB)などで使用される4つの一般的なワークロードを使用して、マイクロン9400と競合他社の性能重視のNVMe SSD3製品をテストしました。

Aerospikeのテスト結果によると、マイクロン9400 SSDは、他社製品の最大2.1倍の最高性能、および読み取り/修正/書き込みワークロードにおいては他社製品を上回る応答性を発揮しました。他の3つのワークロードでも同様の結果が見られました。

ノイジーネイバーテスト

マルチテナントクラウドアーキテクチャは、クラウドコンピューティングの標準となっています。クラウドマルチテナントアーキテクチャでは、ストレージ、ネットワーク、コンピューティングなどの共有リソースを独占するテナントを「ノイジーネイバー」と呼びます。ノイジーネイバーが他のテナント環境の性能やワークロードの性能について妥協すると問題になります。

マイクロンは、マイクロン9400と主要な競合他社の性能重視のNVMe SSDを、ネームスペースによって分割された同じ共有SSDリソースで、複数のワークロードが競合するシナリオでテストしました。ノイジーネイバーテストの結果によると、マイクロン9400 SSDは、競合他社のSSDの全体的な性能の2倍以上の性能を実現し、応答時間では最大62%上回りました。30.72TBまでの9400の他の容量においても、同様の応答時間の優位性が期待できます。

NVIDIA GDS

NVIDIA® Magnum IO GPUDirect® Storage(GDS)は、グラフィックスプロセスユニット(GPU)メモリとストレージ間のダイレクトメモリアクセス(DMA)データ転送パスを実現するテクノロジーです。これにより、まずストレージからCPUに、次にCPUからGPUにデータを転送する際の追加のオーバーヘッドを回避できます。この直接パスにより、システム帯域幅が増加し、CPUとGPUのレイテンシーと使用負荷が減少します。

マイクロンは、マイクロン9400 NVMe SSDと主要な競合他社の性能重視のNVMe SSDを使用して、ビジーなシステム(コンピュートバウンドのタスクを伴うもの)におけるNVIDIA Magnum IO GDSの影響を比較しました。

このGDSのテストでは、ビジーなシステムにおいて、9400 SSDが競合他社に25%上回っていることが確認されました。これは、人工知能環境にとって重要な性能の向上です。

ご覧の通り、マイクロン9400は、オンプレミスのサーバーファームやマルチテナントの共有クラウドインフラストラクチャで、データベースアクセラレーション、人工知能、オンライントランザクション処理(OLTP)などの重要なワークロードを管理するために構築されています。マイクロン9400 NVMe SSDは、今日の市場において、性能を重視するデータセンタークラスのNVMe SSDの中でもレイテンシーが最も低く、最も高い混合ワークロード性能を備えた最高の性能を誇るPCIe Gen4 SSDです。

マイクロン9400 NVMe SSDは、業界をリードする容量、高速で一貫した応答性を備えた優れた性能、最も要求の厳しいデータセンターのワークロードにも対応できる電力効率を備えており、PCIe Gen4ストレージの新しい標準を確立します。

詳細については、micron.com/9400をご覧いただくか、営業担当者にお問い合わせのうえ、お客様の環境で高性能なマイクロン9400 SSDをご評価ください。また、当社のワークロードテストに関する詳細もご覧いただけます。

1. NFL and AWS collaborate to help player safety: https://www.nfl.com/playerhealthandsafety/equipment-and-innovation/aws-partnership/digital-athlete-spot
2. マイクロン9400 SSDは、混合ワークロードにおいて競合他社のデータセンターNVMe SSDを最大2.3倍上回る性能を示しました。競合他社のデータセンターNVMe SSDは、Forward Insights SSD Supplier Status Q4/22レポートに記載されている、データセンターの市場シェアに基づいて選定しました。性能は、7.68TB SSDを用い、FIOを使用し、キュー深度(QD)256で測定しました。FIOの詳細はこちらをご覧ください。https://fio.readthedocs.io/en/latest/)
3. 2.5インチフォームファクタの30.72TBは、今回の発表時点では、高性能NVMeデータセンターSSDで利用可能できる最高密度です。
4. マイクロン9400 SSDのレイテンシーは5x9sで、4Kランダム読み取りの420μs未満。これらの4Kランダム読み取りでは、QD128でIOPは120万以上。
5. 7.68TB SSD:Micron 9400 SSD:ワットあたり94,117 4K IOPS(ランダム読み取り)と前世代のマイクロン9300 NVMe SSDのワットあたり53,100 IOPSとの比較。
6. 最大71%上回るという表現は、マイクロン9400の256 QDでの106万IOPSというFIO(平均レイテンシーで90%の読み取りと10%の書き込み)混合ワークロード性能と、同じ256 QDでの競合SSD3製品の90/10混合ワークロード性能を比較した場合に基づいています。
7. 最大127%高いという表現は、マイクロン9400の256 QDでの80万2000IOPSというFIO(平均レイテンシーで70%の読み取りと30%の書き込み)混合ワークロード性能と、同じ256 QDでの競合SSD3製品の70/30混合ワークロード性能を比較した場合に基づいています。
8. 最大88%上回るという表現は、マイクロン9400の256 QDでの100万超というFIO(80%の読み取りと20%の書き込み)混合ワークロード性能と、同じ256 QDでの競合SSD3製品の80/20混合ワークロード性能を比較した場合に基づいています。
9. 詳細については、ELI5: RocksDB - Fast Data Storage (facebook.com)をご覧ください。
10. 詳細については、aerospike.com/customers/paypalで、PayPalケーススタディを参照してください。

VP & GM, Data Center and Storage

Alvaro Toledo

Alvaro is Vice President and General Manager of Data Center Storage at Micron. He is responsible for strategy, product and technology roadmaps, technical customer engagement, and profit and loss (P&L) for data center storage.

Alvaro earned a bachelor’s degree in computer science from National University and an MBA from the Haas School of Business at the University of California, Berkeley.