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メモリ

マイクロン、世界最先端のデータセンター向け176層NAND SSDを提供開始

アルバロ・トレド | 2022年3月

データセンターやクラウド環境には、高速で一貫性のあるデータに対する飽くなき需要があります。リアルタイムアナリティクスの実行、オンライントランザクションの処理、メディアのストリーミングなどにおいて、インフラストラクチャーには高い性能、応答性、柔軟性が求められます。データを迅速に提供する能力が極めて重要なのです。

マイクロンは、メモリおよびストレージソリューションのイノベーションと設計におけるマーケットリーダーとして、顧客が日々向き合っている課題を認識しています。私たちのエンジニアリングチームと設計チームは、業界全体において、現在、そして将来のデータセンターとクラウドインフラストラクチャーの能力を継続的に向上させるために必要なソリューションを確保すべく、たゆまぬ努力を重ねています。ユースケースがより複雑化し、ワークロードがより最適なストレージソリューションを要求するにつれて、レイテンシーの低減が非常に重要になってきます。これが、アプリケーションのパフォーマンス、顧客満足度、共有リソースが解放される速度に影響を与えるためです。

NVMe®対応のMicron® 7450 SSDは、こうした課題に真正面から対応します。本SSDは、世界最先端のデータセンター向け176層NAND SSDです。Micron 7450は、リプレースメントゲート(RG)テクノロジーを採用して電力効率を向上させており、CMOSアンダーアレイ(CuA)技術によって重要なレイアウトスペースを節約しています。ランダム読み取りで100万IOPSを実現する7450は、幅広いフォームファクタと強化されたセキュリティ機能を備え、データセンター市場に新たなパフォーマンス性能をもたらします。これにより、設計の柔軟性を実現するほか、将来のデータセンターにおけるアプリケーションニーズに応えます。

最も重要な点として、Micron 7450 SSDは、読み取りと書き込みの両方においてレイテンシーの大幅な低減を実現します。2ミリ秒の壁を破り、ランダム読み取りとランダム書き込みの両方で99.9999% サービス品質(QoS)を実現しています。前世代と比較してレイテンシーを低減させることは、AIからストリーミングメディアに至るまで、あらゆるものの基盤となるデータベース駆動型サービスの応答性を実現する上で絶対的に不可欠なものです。

7450 SSDは、マイクロンが誇る豊かなストレージイノベーションの歴史の上に築かれました。データセンターとクラウド向けに設計されており、7.68TBのE1.Sや15.36TBのU.3デバイスを含む、400GBから15.36TBの容量のU.3、M.2、E1.Sと幅広いフォームファクタを提供します。革新的なマイクロンの知的財産を完全に統合した、第2世代データセンターSSDです。

レイテンシーの課題への対応

レイテンシー対応における困難な点は、現代技術の複雑な性質にあります。レイテンシーを低減するには、各コンポーネントやエレメントを最適化するだけでなく、それらの相互作用や連携も最適化する必要があるのです。ストレージ環境で読み取りと書き込みレイテンシーを低減するために、マイクロンは完全な垂直統合型ソリューションを提供しています。これにより、画期的なNANDとコントローラの設計、セキュリティ、サポートまでを一貫して単一の企業から取得することが可能となります。

業界内での緊密なパートナーシップによっても、レイテンシーなどの課題や要件を認識することができます。私たちのエンジニアリングチームと製造チームが、他の産業の専門家と協力し、課題を克服して顧客の要件を満たすために重要なテクノロジーを設計しています。Micron 7450 SSDは、このようなコラボレーションから生まれた最新の製品イノベーションです。

レイテンシーがビジネスに影響を与える領域

レイテンシーが大きな懸念となる3つの領域を見てみましょう。

リアルタイムアナリティクスとAI

これらのアプリケーションとワークロードには、ある共通点があります。それは、インサイトを生成するために多くのデータを必要とすることです。実際に、提供できるデータ量が多いほど、得られるインサイトの質は高まります。しかし、提供するデータを多くしてアルゴリズムを複雑にすることには困難が伴います。遅延を低減するということは、インサイトの提供を高速化させるだけでなく、インフラストラクチャーの利用効率も向上させなければならないのです。オンプレミスであろうとクラウドであろうと、レイテンシーを低減してリソースを最適化すると、総所有コスト(TCO)の改善につながります。

コンテンツストリーミング

お気に入りの番組やスポーツイベントなど、オンラインでライブコンテンツを視聴した経験は誰にでもあるでしょう。レイテンシー、バッファリングの遅延、フレームの欠落は、すべてライブ視聴におけるユーザーエクスペリエンスの質を低下させる要因となります。このような事態に陥ることが多くなれば、ストリーミングプロバイダーを変更したくなりますよね。このような会社にとって、レイテンシーと遅延は実害を生むのです。

クラウド環境

仮想化されコンテナ化されたクラウド環境では、リソースを動的に共有する能力が鍵となります。クラウドサービスのプロバイダーにとって、リソースの再利用を速くできるほど、インフラストラクチャーの収益性が上がります。こうした環境では、ミリ秒単位の時間が積み重なり、アプリケーションやワークロード間のデータ移動することによって、インフラストラクチャーへの投資を最大化しながら、より俊敏性の高いサービスを提供することが可能となります。

イノベーションが顧客とその先の顧客へもたらすメリット

ストリーミングメディア、リアルタイムアナリティクス、共有クラウドインフラストラクチャーの提供においては、アプリケーションとワークロードのパフォーマンス向上に寄与するため、レイテンシーの低減が重要です。Micron 7450 SSDこそが、最適なソリューションです。このSSDは、さまざまなデータセンターワークロードに対して素晴らしいサービス品質を提供するパフォーマンスプロファイルを備えています。業界でも最も幅広くPCIe® Gen4 SSDフォームファクタに対応しており、多様なインフラストラクチャー設計に適合する幅広い容量オプションを提供します。詳細についてはmicron.com/7450でご覧いただけます。または、最終的にサーバーでの使用を目指して、Micron 7450 SSDをラボで使用されたい場合は、マイクロンの営業担当者までお問い合わせください。

VP & GM, Data Center and Storage

Alvaro Toledo

Alvaro is Vice President and General Manager of Data Center Storage at Micron. He is responsible for strategy, product and technology roadmaps, technical customer engagement, and profit and loss (P&L) for data center storage.

Alvaro earned a bachelor’s degree in computer science from National University and an MBA from the Haas School of Business at the University of California, Berkeley.