毎年3月31日は「国際トランスジェンダー認知の日」です。この日はトランスジェンダーの人たちの重要性を認め、世界各地でトランスジェンダーが直面する差別に関する意識を高めることを目的としています。
ダイバーシティを広め、インクルージョンの文化を創るというコミットメントの一環として、マイクロンはこの日を記念し、LGBTQ+に対する差別撤廃を応援します。マイクロンの従業員リソースグループ「PRIDE+ アライ」は、職場でもコミュニティでもLGBTQ+のチームメンバー(およびアライ)が本来の自分として活躍するためのサポート体制として設立されました。
あるチームメンバーのトランジション(性別移行)の軌跡
NAND製品エンジニアであり、PRIDE+アライのグローバルリーダーでもあるチームメンバーのシャノン・ハンセンが、トランスジェンダーのマイクロン チームメンバーとしての体験、そして「国際トランスジェンダー認知の日」の重要性についてインタビューに答えました。
シャノンはマイクロンに入社から20年近くなります。2001年夏にDRAM担当のインターンとして働いたのがきっかけです。それから現在の技術職シニアメンバーなるまでに、シャノンは新生マイクロンが積極的にLGBTQ+コミュニティ支援をする様子や社内でのポジティブな文化の変容を目にしてきました。
シャノンがマイクロンで働き始めた当初、自分にはジェンダーアイデンティティ(性自認)について話す権限はないと感じていました。「チームメンバーが敬遠する話題で、職場で話すのは控えるべきだという風潮がありました」と彼女は当時を振り返ります。
LGBTQ+メンバーのアイデンティティを認めるという意識がなかったため、シャノンは職場で「トランスジェンダー」という言葉を使うこと自体恐れていたと言います。「『トランスジェンダー』という単語をマイクロンのツールで検索すると、インターネットの不適切な使用として警告を受けるのではないかと心配でした」と彼女は言います。実際、2015年に彼女のトランジションがチームに公式に発表された時、メッセージ内容がうやむやにされ、トランスジェンダーという言葉さえ使われませんでした。
現在は、PRIDE+アライERGのグローバルリーダーを務めるなかで、シャノンは公けにジェンダーアイデンティティについて話す力を得たと感じています。彼女はまた、一緒に働く仲間がカミングアウトすると公表した場合、マネージャーやチームメンバーがLGBTQ+について学び、準備できるよう、マイクロンのピープル部門に助言を行っています。「会話に参加できることをうれしく思っています」とこの役割についてシャノンは述べています。誰もが理解され、耳を傾けられ、価値ある存在として尊重される方向に文化は動いたのです。
2015年にシャノンはトランジションのジャーニーを始めました。この期間、新規採用エンジニア相手の大規模なトレーニングを任されました。彼女は当初、とりわけトランジションの最中は、大勢の人の前に出ることにためらいがありました。しかしリーダーやチームメンバーからのサポートを得て、踏み出す勇気が出たと言います。この機会についてシャノンは「人生を変える出来事で」、自分のキャリアを「見つめ直す大きな転機」になったと言います。「これができるなら、できないことは何もない。そんな気持ちでした」と彼女は表現しています。
マイクロンでの文化の大変動
マイクロンでのLGBTQ+チームメンバーに対する風潮が大きく変わった時のことを尋ねられると、シャノンはサンジェイ・メロートラがCEOに就任した時だと答えます。
「サンジェイはチームメンバーとじっくり話すことを心がけていました。実際に私の隣に座ったことをはっきりと覚えています。彼とはLGBTQについて率直に話し合いました。マイクロンでLGBTQ全般に関わる現状を話しましたが、サンジェイは非常に誠実に受け止めてくれました。その会話の後、彼はこの問題に取り組むために適切な人を集めて対策チームを結成しました」
それ以来マイクロンは企業のLGBTQ+に対する差別撤廃をけん引する存在となり、最近では2021年度企業平等指数で満点の100点を獲得しました。この指数は、従業員の保護、インクルーシブな福利厚生制度、LGBTQ+チームメンバーへのサポートとインクルージョンが企業文化に浸透している程度を測定するものです。満点を獲得できたのは、PRIDE+アライ ERGが中心になって積極的に幅広く尽力してくれたおかげです。
しかし、シャノンは、サンジェイがそれまでのCEI指数での低スコアに厳しい監視の目を向けたことも作用したと言います。「彼からは、高スコアを達成するのに何が障害か、何をする必要があるか、どのような差別防止策があるか、業界最高クラスになるにはどうすればいいかという質問がありました」
これらの質問に対する解答のひとつは、LGBTQ+チーメンバーに対してマイクロンが米国での医療保険カバレッジを拡大することでした。マイクロンは、ドメスティックパートナーへの保険適用とトランスジェンダーに対する適用範囲の拡大という形でこれを実践しています。さらに2021年にはLGBTQ+のチームメンバーが、LGBTQ+固有のニーズを把握しており、LGBTQ+の文化を理解し高水準のケアを提供できる医療機関とつながることができるよう、コンシェルジュサービスのIncluded Healthを導入しました。
「国際トランスジェンダー認知の日」の効果についてどう思うかという問いに対し、シャノンは認知の重要性を指摘し、自分のような人が本来の自分として生きることに対して自信を持つことにつながると答えます。「トランスジェンダーの認知は、少なくともトランスのコミュニティでは、珍しいことでなくなるのに役立ちます。もっと早い時期にトランジションできるようになり、人生に深刻な影響を及ぶリスクが減ります。私たちが究極的に望むのは、誰もが自分にうそをつくことなく、本来の自分として生きることです。私は幸運なケースで、トランジションから時間が経過して落ち着いたいま、以前よりも幸せです」