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AIについて知っておくべき5つのこと

ダグ・ロリンズ | 2018年10月

最も基本的なこととして、人工知能(AI)はルールに基づいたソフトウェア構造と、行動のために観察された情報を使って人間の行動を模倣しようとします。

プレッツェルの工場を想像してみてください。そこには長い組立ラインがあり、まず正確な量で材料が混ぜられ、ブレンドされ、プレッツェルを結ぶ機械に送られます。その機械は、生地の一部をノズルのついたアームに通し、プレッツェルを結んで、動くコンベアの上に落とします。生のプレッツェルはコンベアを進み、塩の振りかけ、コーティング工程を経て、発酵オーブン、焼成オーブン、そして最後に計量と袋詰めの機械に辿り着きます。ついに包装と出荷で終わりです。

組立ライン全体が動き続けます。

しかし、袋詰めの機械が故障します。そしてまた別の機械が故障します。

工場の現場はどのように対応すればいいのでしょうか? ラインを止めるわけにはいきません(ミキサーの中に生地が、オーブンの中にプレッツェルがまだ残っていますよね?)。プレッツェルはまだラインから袋詰めの機械に流れてきていて、床にこぼれています。

大変そうですね? これは、AIが役に立つ非常に単純な例です。材料投入機を止め、ミキサー内の生地を廃棄し、焼いたプレッツェルを廃棄ゲートに通します。それから、袋詰め機を修理します。とはいえ、AIの用途はプレッツェル製造にとどまりません。用途によってはとてもかっこいいものもあります!

AIの現在地

人間の交流をより豊かに:世界には何百もの言語と何百万人もの人々がいます。誰とでも簡単に会話ができるとしたら、と想像してみてください。どこでも。AIはあなたのスマートフォンの中にあるのです。

アクセシビリティとコミュニケーションの推進:textrequest.comによると、世界中で毎日187億通のメールが送信されていると言います。さらに、テキストは2018年において最も人気のあるコミュニケーション形態だそうです。しかもこれは、テキストメッセージだけです!

印刷されテキストから音声会話(と音声からテキスト)を加えると、より効率的な学習(例えばオーディオブックの幅広い品揃え)など、教育へのアクセスに新たなチャンスが開かれます。より多くの言語や方言で検索が可能なので、テキストの中から関連する概念を見つけ、より豊かで深い内容の提案がこれまで以上に簡単になります。

視覚認識と識別:自動運転車や障害物の識別/回避から、高速で信頼性の高い顔認識まで、コネクテッドカーにおけるAIはほんの一例に過ぎません。人混みの中で迷子になった小さな子供を想像してみましょう。AI対応の監視カメラにおける高速かつ信頼性の高い顔認識が、迷子の迅速な発見を手助けしてくれます。

欠陥認識:欠陥を発見し(例えば製造業で)、それを素早く効果的に管理することで、生産スピードを早め、品質を高めることができます。AIを利用したスキャンと測定システムは、これらの欠陥を特定し、機械のライフサイクルを管理することで、製品の品質とユーザーエクスペリエンスを向上することができます。シリコンデバイスの製造業者は、品質保証のために各チップで高速にテスト、スキャン、電荷チェックを行うことが可能です。その後、ビッグデータ分析を使って異常を特定し、迅速かつ効率的に問題に対処できます。

これらは、現在AIを使って行われていることのほんの一例に過ぎません。

人工知能と音声認識、視覚認識、欠陥認識をアイコンで表したインフォグラフィック

高速で膨大:AIにおけるハードウェアの重要性

AIの画期的な進歩では、ソフトウェア(自律学習アルゴリズム、自動運転インテリジェンス、チェスプレーなど)が重要に見えるかもしれませんが、ハードウェアも(舞台裏ではありますが)大事な役割を果たしています。

AIアルゴリズムは、高速で正確な結果を得るために、実行するハードウェアにたくさんのことを要求します。高速なストレージは、GPUやCPUと連動する大容量DRAMアレイと同じく、モデルを訓練するために膨大なユースケース特有のデータを入力するために不可欠です。

AIStorageのI/O負荷は、AIによって劇的に変化しました。AIアプリケーションは、書き込むよりもはるかに多く読み込みます。読み書き比率は、レガシーインフラストラクチャの約4:1から、AIプラットフォームの約5000:1以上になりました。

これはストレージI/Oにおける劇的な変化であり、SSDの耐久性トレンドはこの変化を反映しています。

SSDの耐久性はDWPD(Drive Writes Per Day)で表され、任意のSSDに何回書き込みを行うことができるかを示す指標です。AIプラットフォームが広く採用される以前は、高耐久性SSD(通常10~25DWPD)が広く普及していました。AIのような高度に読み取り中心のワークロードが広く採用されたことでこの状況は劇的に変化し、2017年の全SSD出荷の約75%は1DWPD以下のドライブでした。

AIの読み書き比率のインフォグラフィック、2017年の全SSD出荷台数が1DWPD以下

知っておくべき5つのポイント

トレーニングにはハードウェアが必要:AIのトレーニングと検証には、データ(大量のデータ)とスピードが必須です。3D NANDや高性能、大容量SSDのようなストレージイノベーションは、AIソリューションの開発、検証、実装に必要な高速かつ膨大なデータを推進します。

注目を浴びるハードウェア:スマートなエンドデバイスをインテリジェントに保つために、読み取り集中型のSSDや消費電力が少ないメモリなど、ワークロードに特化したハードウェアで、お客様の業界やユースケースに適したAIを実現します。マイクロンは、お客様の特定のニーズに対応するメモリとストレージのポートフォリオをご用意しています。

優れた設計が肝:適切な業務に対し適切な技術に投資しましょう。読み取り中心のSSDは、AIやトレーニングに最適です。より親しみやすい価格帯で、大容量のデータセットを保存し、素早くアクセスすることができます。低消費電力、小型、高性能のメモリにより、エンドデバイスがAI推論を迅速に実行できるようになります。

低消費電力のメモリとストレージを使用:AIシステムは大規模なストレージと計算リソースを必要とします。前処理、取り込み、分析、および実行を効率的に推進する電力効率の高いメモリとSSDは、エッジで付加価値が高く大容量です。

マイクロンがお手伝いします:マイクロンの幅広いポートフォリオが、クラウド、データセンター、ネットワークエッジのインテリジェントデバイスの悪循環を、スムーズなデータストレージ、移行、分析の好循環に変えるお手伝いをします。

AIの取り組みは進んでいますか? Twitterの@GreyHairStorageまでご連絡ください。

Principal Technical Marketing Engineer

Doug Rollins

Doug Rollins is a principal technical marketing engineer for Micron's Storage Business Unit, with a focus on enterprise solid-state drives. He’s an inventor, author, public speaker and photographer. Follow Doug on Twitter: @GreyHairStorage.