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Silvacoに対するマイクロンの戦略的投資:高度なモデリングベースのソリューションとイノベーションを加速

マニッシュ・タングリ、ガーテジ・サンドゥ博士 | 2024年4月

マイクロンは、グローバルな半導体企業として、マイクロンベンチャーズによる投資を通じ、さまざまな方法で企業に戦略的な価値をもたらす独自の立場にあります。

  • 研究開発支援 - 次世代事業の立ち上げを支援
  • 製品化 - マイクロンの業界専門家が成長を支援
  • 共同市場参入 - マイクロンのエコシステムの利用

その好例が、マイクロンが最近行ったSilvacoへの500万ドルの転換社債による投資です。Silvacoは、テクノロジーコンピューター支援設計ソフトウェア(TCAD)、電子設計自動化ソフトウェア(EDA)、半導体知的財産(SIP)のプロバイダーです。

Silvacoは、半導体テクノロジーに関する専門知識を機械学習、データ分析と組み合わせ、ウエハーレベルの製造施設を対象とした人工知能ベースのソリューション、Fab Technology Co-Optimization(FTCO™)を開発しています。FTCOによって、顧客は製造データを使用して、統計学と物理学に基づいた機械学習ソフトウェアによるシミュレーションを実行し、製造プロセスのシミュレーションに使用できるウエハーのコンピューターモデル(「デジタルツイン」)を作成できるようになります。製造プロセスとウエハーをバーチャルで再現できるこの「デジタルツイン」は、顧客が実験や試験を行うためのプラットフォームとして機能します。このプラットフォームを活用することで、顧客は時間と費用のかかる物理的なウエハーを使用することなく、製造プロセスのパラメーター変動がウエハーの歩留まりに与える影響を把握し、新製品に関するさらなる研究のために歩留まりを予測することができます。また、製品の市場投入までの時間を短縮することも可能です。

Silvacoの高度なモデリングソリューションによって、私たちはメモリとストレージの画期的な進歩を加速させています。Silvacoに戦略的な価値を付加するマイクロンの能力よって、この投資は両社に大きな優位性をもたらしています。

法人開発担当ディレクター

Manish Tangri

マイクロンの法人開発担当ディレクターであるマニッシュ・タングリは、カリフォルニア州サンノゼを拠点として、世界規模の戦略的取引(合併・買収、株式投資、パートナーシップ)の無機的戦略と実行を主導しています。以前は、インテルやマイクロソフトなどのフォーチュン500企業で15年以上にわたり、起業家的なイノベーションと成長活動を推進していました。外部のトレンドや非線形の変化を見極め、それらを増幅して組織の未来の創造に貢献するという経験も持ち合わせています。既存企業のビジネスモデルイノベーションの専門家であるマニッシュは、ハーバードビジネスレビュープレスから出版された「The Three-Box Solution Playbook: Tools and Tactics for Creating Your Company’s Strategy」の共著者でもあります。サンタクララ大学のリーヴィービジネススクールでは、5年以上にわたって非常勤講師を務め、独自に開発したイノベーション促進コースで教鞭をとっていました。ミシガン州立大学でコンピューターサイエンスと工学の修士号を、ダートマス大学タックビジネススクールでMBAを取得しています。

テクノロジーパスファインディング担当プリンシパルフェロー兼バイスプレジデント

Dr. Gurtej Sandhu

ガーテジ・サンドゥは、マイクロンテクノロジーのテクノロジーパスファインディング担当プリンシパルフェロー兼バイスプレジデントです。現在の役職ではマイクロンのエンドツーエンド(システム開発からパッケージまで)の研究開発テクノロジーロードマップを担当しています。職務内容としては、さまざまな部署やビジネスユニットにわたり組織横断的な連携を推進し、技術的なギャップを事前に特定するほか、エンジニアリング組織を管理しつつ将来のメモリスケーリングに向けた革新的なテクノロジーソリューションの開発にリソースを投入し、実行するなど多岐にわたります。またサンドゥ博士は、世界各地の複数の内部プロジェクトチームの統括や、世界中の研究コンソーシアムとの連絡管理などの責任者でもあります。 マイクロンでは、これまでさまざまなエンジニアリング職や管理職を歴任してきました。また、IC処理向けのプロセステクノロジーに幅広く積極的に携わり、現在主流となっている半導体チップ製造に採用されているプロセステクノロジーを複数生み出した開拓者でもあります。 サンドゥ博士は、インド工科大学ニューデリー校で電気工学の学位を取得し、1990年にノースカロライナ大学チャペルヒル校で物理学の博士号を取得しました。米国特許を1,300件以上保有しており、世界トップクラスの発明家の一人として認められています。サンドゥ博士は、IEEEフェローです。2018年には、DRAMやNANDメモリチップの微細化を可能にしたシリコン相補型金属酸化膜半導体プロセステクノロジーへの顕著な貢献が評価され、IEEEアンドルー・グローヴ賞を受賞しました。