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車載インフォテインメントシステムの発展(パート1)

マイクロンテクノロジー | 2019年3月

現在の車内インフォテインメントシステムは、運転中もエンターテインメントを楽しみたい、連絡を取り合いたいという、ドライバーの願望が88年にわたって発展を遂げた成果です。あらゆる放送技術の進化と同様に、車内エンターテインメントも一般放送を消費者に届けることから始まりました。その後、より個人に特化したエンターテインメントが、車内メディア、そしてサブスクリプションベースのコンテンツサービスという形で進化しました。

これとほぼ時を同じくして、GPSナビゲーションが誕生し、最初は軍事用途で発展、やがて一般消費者の領域にも普及しました。ここでもまた、利便性に対するドライバーの欲求がこの技術を自動車に導入する道を切り開きます。この発展は非常に限定的な機能から始まり、時が経つにつれ、ナビゲーション機能に必要な車載用ストレージを提供するために、さまざまな種類のデータストレージが利用できるようになりました。マッピングプロトコルの標準化によって機能が向上し、より広範で一貫性のあるアプリケーションが実現しました。しかし、大量のオンボードデータと当時利用可能だったデータストレージリソース(ハードドライブ、CD-ROM、DVD)では、効果的な導入が難しく、高い費用がかかり、維持が困難でした。これらのシステムの初期の導入は、エンターテインメントシステムと並んで自立しており、いくつかのケースでは、エンターテインメント用とナビゲーション用の2つのメディアスロットを備えていました。

GPSが開発される一方で、車の設計者はCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)といった車載通信システムの使用を進化させ、車両情報を無線通信に公開し、ハンドルボタン操作のような方法を通じて無線通信を制御する性能を改善しました。

さらに、ディスプレイを使ったインフォテインメントシステムも初めて開発されました。40年前に、大胆な自動車設計者たちがディスプレイ、音声、タッチインターフェースの実験を行った結果、1986年に最初のディスプレイを使ったインフォテインメントシステムが量産車に導入されました。その機能は、無線機能とCANバスから得られる車載情報を組み合わせたものでした。ナビゲーションは含まれていなかったのです。これらのシステムの実行は信頼性の問題や厳しい批判に見舞われましたが、エンターテインメントシステムの発展には必要不可欠でした。

計算能力とディスプレイ技術の進化に加え、マルチタスクOSの導入や高密度でコスト効率の高いソリッドステートメモリソリューションの実現により、2000年代初頭になってようやく、必要なサービスの全てがコスト効率と柔軟性に優れた1つの製品に統合するきっかけができました。これは現在、IVI(In-Vehicle Infotainment、車載インフォテインメント)と知られています。

1. 現在の自動車市場

電子コンテンツの自動車市場は拡大を続けています。電子システムが機械システムに取って代わり、自動車の基本機能の中心的な役割を果たすようになるにつれ、長時間の温度管理、高い信頼性、製品寿命の延長要件といった従来からの課題に加え、より厳しい安全認証、データセキュリティ要件、自動車の寿命に関わる厳格なデータインテグリティへの懸念が加わっています。ISO26262のような規格に対する認証要件は、より一般的になりつつあります。

IVIの分野も例外ではありません。IVIは、ドライバーの安全にとって不可欠な車両情報の主要インターフェースになりつつあります。IVIはコネクテッドサービスやインフラ接続の主要プラットフォームとなり、ドライバーの注意散漫や眠気の検知、サラウンドビュービデオ、インテリジェントルームミラー、車両およびユーザーデータの収益化などを実現すると期待されています。

IVIに求められる機能の拡大には、メモリ要件の大幅な拡大に加え、システムコンピューティングパワーの向上が必要であることは明らかです。進化を続ける自動車の電動化にこれらのシステムが導入されるにつれ、電力管理がさらに重要になるでしょう。拡大するコネクティビティにおいて、より基本的なハードウェアベースのセキュリティ戦略が必要となります。

一般的なIVIプラットフォームのメモリ要件は以下の通りです。

  • 不揮発性メモリ(ナビゲーションおよび音声データベースに応じて32~64GBのeMMC
  • DRAM(2~4GB、通常はDDR3 – 1066)
  • メディア更新用の補助SDカード(必要に応じて)

このブログのパート2では、IVIシステムの現在の構造について説明します。