最新の自動車は、安全性を損なうことなく、ドライバーの運転能力への依存度を下げる新たなテクノロジーの継続的な統合により、高性能化がますます進んでいます。これらのシステムは先進運転支援システム(ADAS)と呼ばれ、道路上の「目」として機能するカメラなど、多彩な方法で運転中のドライバーを支援します。
ADASシステムがドライバーにとってさらに便利で信頼できるものとなるよう、ADASシステムのレイテンシーを短縮し、パフォーマンスを向上させるために、さまざまな取り組みが行われています。こうした取り組みの中には、車両の始動と同時にADASシステムが準備完了になる「インスタントオン」、つまり高速起動性能の開発や、システムの応答性を高速化するクイックリセット機能などがあります。CANバス経由でECUからのコマンドに応答するという厳しい要件が求められる車載アプリケーションの登場や、リアビューまたはサラウンドビューカメラシステムの映像を電子ミラーやディスプレイに即座に送信するシステム機能の出現などにより、高速起動機能の必要性はますます顕著になっています。
マイクロンはAmbarellaと協力して、同社のAIビジョンSoC「CV22FS」および「CV2FS」の高速起動性能のニーズをサポートしています。機能安全を備えたこれらのASIL B準拠SoCは、前面単眼およびステレオビジョンADASカメラ、車内ドライバーおよび同乗者の監視システム(DMS/OMS)、電子ミラー、レベル2+以上の自動運転向けコンピュータービジョンECUなど、さまざまな車載アプリケーションに対応しています。高速起動性能を可能にするために、これらのSoCはXccela™バスインターフェースをサポートしています。Ambarellaは、CV22FS/CV2FS SoC開発ボード上のマイクロンのAEC-Q100準拠Xccelaフラッシュメモリとの接続に、このバスインターフェースを使用しています。
Xccelaフラッシュはマイクロンの最新のNOR製品であり、x1 SPIバスと、Xccelaコンソーシアムが開発・推進するJEDEC xSPI準拠のオクタルI/OインターフェースであるXccelaバスインターフェースをサポートしています。この先進的なメモリバスは、データストローブとともにダブルデータレート(DDR)モードで最大200MHzのクロック周波数、または400MB/秒の読み取りスループットを提供できます。
下のグラフをご覧ください。Xccelaフラッシュの読み取りパフォーマンスを他のフラッシュメモリと比較すると、キャッシュラインフィル時のフェッチあたり16~256バイトの範囲で、Xccelaフラッシュは他のフラッシュメモリを約5倍も上回っています。
実際のシステムでマイクロンのXccelaフラッシュの高速起動性能を実証するために、AmbarellaはCV2FS AIビジョンSoCボードでXccelaフラッシュの測定を行い、同じボード上の別の起動ソリューション(マイクロンのシリアルNANDなど)と比較しました。
上のグラフから、Ambarella CV2FS SoC開発ボード上で動作するマイクロンのシリアルNANDに比べて、マイクロンのXccelaフラッシュインターフェースは、SDR(シングルデータレート)モードでも3.28倍高速な起動パフォーマンスを発揮することがわかります。
Ambarellaは、マイクロンのXccelaフラッシュを使用したCV2FS/CV22FS開発ボードで、高速起動性能を実現できることを実証しました。Ambarellaの機能安全搭載AIビジョンSoC「CV2FS」および「CV22FS」の詳細についてはhttps://www.ambarella.com/products/automotive/を、マイクロンの車載用Xccelaフラッシュの詳細についてはhttps://www.micron.com/products/nor-flash/xccela-flashをご覧ください。