デザインツール
データセンター

Micron CZ122とRed Hatのメモリ拡張ポートフォリオ認定の概要

ルイス・アンカジャス、マイケル・エイブラハム、マイク・セラーノ | 2024年10月

最先端のメモリおよびストレージソリューションのリーダーであるマイクロンは、Compute Express Link (CXL) 2.0ベース最新メモリ拡張モジュールであるMicron CZ122の認定サンプルの提供開始を満を持して発表いたします。この素晴らしい節目に際し、CZ122と前モデルのCZ120が、Red Hat Enterprise Linux®バージョン9.3オペレーティングシステムの認定も取得しました。この背景には、ハイパースケーラーやエンタープライズデータセンターに高品質で高性能な製品を提供するという、マイクロンの確固たるリーダーシップがあります。

CZ122モジュールは、最大256GBのメモリ容量と37GB/秒のメモリ帯域幅1を実現し、ハードウェアベースの異種混在型インターリーブ、RAS(信頼性、可用性、保守性)、セキュリティ機能において際立った進歩を見せています。CZ122とCZ120は、AMDおよびIntelのCPUプラットフォームとサーバーOEMで厳格にテストされ、Red Hat Enterprise Linuxの認定を受けました。この認定はCXLエコシステムの開発における重要な一歩であり、次世代のワークロードを加速し、新しいコンポーザブルデータセンターアーキテクチャーを支える実用可能なソリューションへの道を切り拓きました。
 

Micron CZ120およびCZ122のRed Hatデバイス認定による主なメリット

  • シームレスな統合:RHEL 9.3 OSとの互換性が認証済み。
  • 最適化されたパフォーマンス:最新のRHEL 9.3 OS Linux®カーネルによる強化されたメモリ階層化のサポート。
  • マルチテナンシー:仮想マシン全体でのメモリ割り当てと管理を行うKVMとQEMUアプリケーションをサポート。
     

Micron CZ122メモリ増設モジュールの発表
 

私たちは、量産化に向けて着実に前進しています。その一環として、マイクロンの2つ目のメモリ拡張モジュールであるCZ122のサンプル出荷を開始しました。CZ120の進化版であるCZ122にハードウェアベースの異種混在型インターリーブを追加することで、システムレベルのパフォーマンスが向上し、RAS(信頼性、可用性、保守性)が加わるだけでなく、セキュリティ機能が改善されるとともに、管理のしやすさが強化されました。
 

Micron CZ122メモリ拡張モジュールの主な特徴

  • ハードウェアベースの異種混在型インターリーブにより、CXLで最適なシステムレベルのパフォーマンスを実現し、お客様にとっていちだんと優れたユーザー体験を実現します。
  • 基本入出力システムの構成を変更できるようになったことで、ネイティブメモリとCXLメモリの全体にわたってデータのインターリーブが可能になります。
  • 導入の際にアプリケーションの変更は不要です。
  • 管理、RAS(信頼性、可用性、保守性)、セキュリティ機能の強化。
  • マイクロンのテクノロジーイネーブルメントプログラム(TEP)を通じたホワイトグローブサービスで、お客様のデータセンター環境とCXLベースのソリューションとの統合を支援します。

 

CXLの画期的なユースケース
 

製品の実装のためのエコシステム連携の他にも、マイクロンは総所有コスト(TCO)の大幅な削減につながる、画期的で広範なユースケースの実現に向けて重点的に取り組んでいます。Future of Memory and Storage(FMS)カンファレンスで紹介されたように、マイクロンはパートナー企業と共に、CXLの以下3つの強力なユースケースを実証しました。

  • LlamaIndexフレームワーク:CXLメモリは、検索拡張生成(RAG)ワークロードの高速化に活用できます。
  • Neural Speedフレームワーク:CXLメモリは、Intel CPUベースの推論ワークロードの高速化に活用できます。
  • RocksDBアプリケーション:H3プラットフォームのメモリシャーシに加えて、マイクロンが提案したFamfsがLinuxオープンソースカーネルを支えることで、CXL 2.0スイッチのメモリプーリングと共有が実現します。マイクロンのFamfsの強化により、CXLメモリがRocksDBアプリケーションを実行する複数のサーバーやVMに対して共有ファイルシステムとして公開されます。
     

今回のコラボレーションを通して、このようなワークロードでのCXLの利点についての貴重なインサイトを得ることができました。また、これらのユースケースを、企業向けのハードウェアあるいはソフトウェアソリューションの参考事例として発表し、製品の実装を検討していただけるよう、重点的に取り組んできました。

今後、マイクロンが注力する主な分野は以下の通りです。

  • モジューラーRAG:より大容量のメモリとストレージ要件のあるモジューラーRAGシステムに向けて、RAGデータパイプラインの改良を継続します。
  • ストレージネットワークのCXLメモリ:SANシステムでの読み込み・書き込みキャッシュバッファとして使用される大規模なメモリプールを追加し、平均レイテンシーとスループットを向上するという、柔軟かつ拡張可能な方法です。
  • CXLメモリプールと共有:直接接続またはCXLスイッチを介した大容量メモリのプール化と共有の導入、パフォーマンス、およびTCOのメリットについて分析を行います。

Micron CZ122モジュールのリリースは、CXLベースのメモリ拡張テクノロジーの進化における重要な節目となります。高度な機能、シームレスな統合、堅牢なパフォーマンスを備え、量産してお客様にお届けしているCZ120とともに、マイクロンはこれからもメモリ拡張ソリューションの業界リーダーであり続けます。

私たちは、イノベーションを継続し、エコシステムパートナーと協力しながら、このテクノロジーがデータセンターの運用に影響を与え、変革が起こることを期待しています。

CXL 2.0の可能性を最大限に引き出すための取り組みを進める中で、今後も最新情報やインサイトをお届けしてまいります。ぜひマイクロンのウェブサイトをご覧ください。

 

Intel® メモリレイテンシーチェッカー(2R1W)を使用して帯域幅とレイテンシーを測定。

Director, CXL Business Development

Luis Ancajas

He is responsible for the partnerships with the hypervisor and independent software vendors partnerships and contributes to the CXL go to market strategy and execution, as well as to the overall CXL product strategy.

Luis has held executive roles in sales, business development, strategic marketing as well as having an engineering background in SoC and CPU architecture and cybersecurity. He has an MSEE degree in Computer Architecture from Stanford University, and BS degree in EECS from University of California, Berkeley.

Director, Product Management

Michael Abraham

He is responsible for the CXL solution roadmap, business process, and execution of Micron’s CXL product portfolio including system products, controllers, and current and emerging memory technologies. In his career, he’s worked extensively with emerging memory technologies and NAND Flash. Michael holds multiple memory technology patents. He earned a BS in Computer Engineering from Brigham Young University and is a Senior Member of IEEE.

Data Center Marketing Strategy and Content Lead

Mike Serrano

He is responsible for marketing and content strategy for Micron’s memory and storage portfolio for the data center. Mike has directed the launch of numerous Micron products including HBM3E, DDR5, high-capacity RDIMMS, and memory expansion modules based on CXL™, as well as storage solutions for local cache and networked data lakes.

Mike holds BS in Information Systems from San Jose State University and an MBA from Santa Clara University.