最先端のメモリおよびストレージソリューションのリーダーであるマイクロンは、Compute Express Link™ (CXL™) 2.0ベース最新メモリ拡張モジュールであるMicron CZ122の認定サンプルの提供開始を満を持して発表いたします。この素晴らしい節目に際し、CZ122と前モデルのCZ120が、Red Hat Enterprise Linux®バージョン9.3オペレーティングシステムの認定も取得しました。この背景には、ハイパースケーラーやエンタープライズデータセンターに高品質で高性能な製品を提供するという、マイクロンの確固たるリーダーシップがあります。
CZ122モジュールは、最大256GBのメモリ容量と37GB/秒のメモリ帯域幅1を実現し、ハードウェアベースの異種混在型インターリーブ、RAS(信頼性、可用性、保守性)、セキュリティ機能において際立った進歩を見せています。CZ122とCZ120は、AMDおよびIntelのCPUプラットフォームとサーバーOEMで厳格にテストされ、Red Hat Enterprise Linuxの認定を受けました。この認定はCXLエコシステムの開発における重要な一歩であり、次世代のワークロードを加速し、新しいコンポーザブルデータセンターアーキテクチャーを支える実用可能なソリューションへの道を切り拓きました。
Micron CZ120およびCZ122のRed Hatデバイス認定による主なメリット
- シームレスな統合:RHEL 9.3 OSとの互換性が認証済み。
- 最適化されたパフォーマンス:最新のRHEL 9.3 OS Linux®カーネルによる強化されたメモリ階層化のサポート。
- マルチテナンシー:仮想マシン全体でのメモリ割り当てと管理を行うKVMとQEMUアプリケーションをサポート。
Micron CZ122メモリ増設モジュールの発表
私たちは、量産化に向けて着実に前進しています。その一環として、マイクロンの2つ目のメモリ拡張モジュールであるCZ122のサンプル出荷を開始しました。CZ120の進化版であるCZ122にハードウェアベースの異種混在型インターリーブを追加することで、システムレベルのパフォーマンスが向上し、RAS(信頼性、可用性、保守性)が加わるだけでなく、セキュリティ機能が改善されるとともに、管理のしやすさが強化されました。
Micron CZ122メモリ拡張モジュールの主な特徴
- ハードウェアベースの異種混在型インターリーブにより、CXLで最適なシステムレベルのパフォーマンスを実現し、お客様にとっていちだんと優れたユーザー体験を実現します。
- 基本入出力システムの構成を変更できるようになったことで、ネイティブメモリとCXLメモリの全体にわたってデータのインターリーブが可能になります。
- 導入の際にアプリケーションの変更は不要です。
- 管理、RAS(信頼性、可用性、保守性)、セキュリティ機能の強化。
- マイクロンのテクノロジーイネーブルメントプログラム(TEP)を通じたホワイトグローブサービスで、お客様のデータセンター環境とCXLベースのソリューションとの統合を支援します。
CXLの画期的なユースケース
製品の実装のためのエコシステム連携の他にも、マイクロンは総所有コスト(TCO)の大幅な削減につながる、画期的で広範なユースケースの実現に向けて重点的に取り組んでいます。Future of Memory and Storage(FMS)カンファレンスで紹介されたように、マイクロンはパートナー企業と共に、CXLの以下3つの強力なユースケースを実証しました。
- LlamaIndexフレームワーク:CXLメモリは、検索拡張生成(RAG)ワークロードの高速化に活用できます。
- Neural Speedフレームワーク:CXLメモリは、Intel CPUベースの推論ワークロードの高速化に活用できます。
- RocksDBアプリケーション:H3プラットフォームのメモリシャーシに加えて、マイクロンが提案したFamfsがLinuxオープンソースカーネルを支えることで、CXL 2.0スイッチのメモリプーリングと共有が実現します。マイクロンのFamfsの強化により、CXLメモリがRocksDBアプリケーションを実行する複数のサーバーやVMに対して共有ファイルシステムとして公開されます。
今回のコラボレーションを通して、このようなワークロードでのCXLの利点についての貴重なインサイトを得ることができました。また、これらのユースケースを、企業向けのハードウェアあるいはソフトウェアソリューションの参考事例として発表し、製品の実装を検討していただけるよう、重点的に取り組んできました。
今後、マイクロンが注力する主な分野は以下の通りです。
- モジューラーRAG:より大容量のメモリとストレージ要件のあるモジューラーRAGシステムに向けて、RAGデータパイプラインの改良を継続します。
- ストレージネットワークのCXLメモリ:SANシステムでの読み込み・書き込みキャッシュバッファとして使用される大規模なメモリプールを追加し、平均レイテンシーとスループットを向上するという、柔軟かつ拡張可能な方法です。
- CXLメモリプールと共有:直接接続またはCXLスイッチを介した大容量メモリのプール化と共有の導入、パフォーマンス、およびTCOのメリットについて分析を行います。
Micron CZ122モジュールのリリースは、CXLベースのメモリ拡張テクノロジーの進化における重要な節目となります。高度な機能、シームレスな統合、堅牢なパフォーマンスを備え、量産してお客様にお届けしているCZ120とともに、マイクロンはこれからもメモリ拡張ソリューションの業界リーダーであり続けます。
私たちは、イノベーションを継続し、エコシステムパートナーと協力しながら、このテクノロジーがデータセンターの運用に影響を与え、変革が起こることを期待しています。
CXL 2.0の可能性を最大限に引き出すための取り組みを進める中で、今後も最新情報やインサイトをお届けしてまいります。ぜひマイクロンのウェブサイトをご覧ください。
1 Intel® メモリレイテンシーチェッカー(2R1W)を使用して帯域幅とレイテンシーを測定。