国際女性エンジニアデーとは、女性エンジニアを称え、STEM分野で女性が活躍できるキャリア機会について討議するイベントです。
STEMに関心を持つ女性を増やすことは半導体業界の人材育成に不可欠です。デロイトとSEMIが実施した調査によると、半導体業界のエグゼクティブの82%が技術分野の有能な人材の不足を訴え、60%が電気工学分野の人材の採用が最も困難であると述べています。
マイクロンは今年、この重要な日を記念して、アジアと米国のサイトでマイクロンの技術部門の女性管理職が参加するパネルディスカッションを開催しました。インクルージョン文化の強化に取り組む中、エンジニア職の女性に焦点を当て女性エンジニアが直面する固有の問題について討議することで、マイクロンのチームメンバーは相互理解を深め、お互いの立場について共感することができました。インクルージョンは、ダイバーシティ、イコーリティ、インクルージョン(DEI)を推進するためにマイクロンが2021年に掲げた6つのコミットメントのうちの1つです。
縮小し続ける女性人材パイプライン
すべてのパネリストが共通して挙げた懸念は、女性管理職の人材パイプラインが縮小している点です。IBMが最近実施した調査によると、2021年にシニアバイスプレジデント、バイスプレジデント、ディレクター、マネージャーの役職に就いている女性の数は、複数の業界で2019年に比べて減少しています。これはSTEMキャリアの課題でもあります。女性エンジニア協会は、工学の学士号を保有する女性で20年後にこの分野で働いている人は30%に過ぎないと報告しています。
アジアと米国で開催されたパネルディスカッションでは、女性はフルタイムの仕事に加え家事・育児を担当しなければならないことが多いため、今もアジアで猛威を振るうパンデミックが女性にとってさらなる不公平な課題を生み出していることが討議されました。ただし、新型コロナウイルスの発生前でも管理職に就いている女性の人数は下降をたどっていました。
青砥なほみは、日本でテクノロジー開発担当シニアディレクターを務めています。娘からなぜ働くのかと質問されたとき、彼女は半導体業界で働くことで世界に影響を及ぼすことができるという考えを説明したそうです。「製品とメモリソリューションを通じて社会貢献ができます」となほみは言います。30代に基礎研究からプロセス開発に業務内容が変わったことで、熱意を持ってこの仕事を続けることができたとも言います。
マイクロンの女性向けリーダーシップ推進プログラムは、STEM分野で活躍する女性がキャリアの重要な中間地点でも熱意を失うことなく、キャリアアップを続けるためのさらなる機会を提供します。
マイクロン、若手人材パイプラインの拡大に取り組む
マイクロンはSTEMのバックグラウンドを持つ女子学生と若い女性向けのさまざまなプログラムに投資することで、マイクロンだけでなく半導体業界全体で若手人材の確保に尽力しています。グローバル女性メンターシッププログラムを通じて、世界中にいるマイクロンの女性管理職は世界各国の女性に影響を及ぼしています。本プログラムに関わる女性管理職は、11か国にある35の大学に通う100人以上の女子学生にメンタリングを実施しました。
マイクロン女性リーダーシップネットワーク(MWLN)従業員リソースグループのエグゼクティブスポンサーであるティー・トランは、女子学生と女性のメンターシップに積極的に参加することで自分の業務に対する熱意を維持することができたと言います。「このプログラムを通じて、対象者の多様性と興味に合わせて、彼女たちの共感を得られる方法で説明しなければならないと実感しました。この結果、より良いメンターになれたと思います」
男性のアライとスポンサーの重要性
ボイシでマイクロンの環境・健康・安全チームのディレクターを務めるアシュリー・クンツは、STEM分野でキャリアを開始したときには女性管理職は多くなかったものの、エグゼクティブメンターシッププログラムに参加した際に出会ったエグゼクティブ(男性のアライ)から指導とサポートが得られたと説明します。「彼は、私に対して他の男性社員と同じように接してくれました。全員に同じチャンスがあることとキャリアのチャンスについて丁寧に説明してくれ、温かい励ましの言葉をかけてくれました」と彼女は話します。
長期的なキャリアを成功に導くためには、支援するネットワークが不可欠だと多くのパネリストが述べています。中国の西安でデータサイエンス担当シニアマネージャーを務めるイェ・リーはメンターのおかげでさまざまなチャンスに恵まれたと説明します。「支えてくれる多くの同僚と励ましてくれるサイトリーダーがいたからこそ、シニアエンジニアから管理職へとキャリアアップを図ることができました」