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マイクロンの登録実習制度プログラムで新たな半導体キャリアの道を切り開く

サラ・ニュートン クリッツ | 2023年11月

マイクロンは、画期的な登録実習制度プログラムによって、半導体業界におけるキャリアへの参入のあり方を一新します。人材不足がますます顕著になっている状況において、マイクロンのような企業は、技術分野の有望なキャリアに道を開くための新たな戦略を取り入れています。

このプログラムは、従来の採用活動とは大きく異なります。これまでは、候補者がマイクロンで職務に就くには2年間の教育プログラムを修了することが義務付けられていましたが、人材不足に対応するため、そしてアイダホ州での継続的な事業拡大を支援するために、人材育成戦略をレベルアップさせました。マイクロンでは、高まり続ける採用ニーズの50%近くを熟練技術者で満たすと見込んでいます。この実習制度プログラムでは、候補者が教育を修了しながら早くキャリアをスタートできるので、その分業界になじめるようになります。

マイクロンの登録実習制度プログラムは、認定技術教育機関であるウェスタンアイダホ大学(CWI)との提携により、機械、電気、コンピューター、システムエンジニアリングを融合したメカトロニクス教育を提供しています。参加者は、週に12時間から15時間、CWIで行われる授業に出席します。その後、アイダホ州ボイシにあるマイクロンの最先端の製造ファブで、機器またはプロセスのエンジニアになるための貴重なトレーニングを受けます。実習を無事に終えると、学生はマイクロンで働く資格が与えられ、半導体業界の次世代のイノベーターを代表する存在になります。

そのためには、コミュニティカレッジとの連携やIdaho Manufacturing Alliance (IMA) のような同志がなくてはならない存在となります。このような提携機関は、多様で強力な人材パイプラインを構築するうえで大きな役割を果たしています。コミュニティカレッジは実習プログラムに特に適しています。なぜなら、技術的な機会へのアクセスを均等にし、インクルージョンを推進しながら、さまざまな分野での就職の準備を進めてくれるだけでなく、歴史的に恵まれない地域や少数派グループ、農村地域、低所得世帯の生徒を迎え入れることが多いからです。

ボイシを拠点とするマイクロンの登録実習制度プログラムには、すべての人々を対象とした機会を増やす、人材を育成する、成長を促進するという私たちの献身的な取り組みが反映されています。これらの目標を達成するために、マイクロンは、他社に負けない高賃金やボーナス以外に、生徒の家族への医療サービス、授業料の払い戻し、フィットネス施設の利用、従業員支援プログラムなどの充実した福利厚生を用意したフルタイムのポジションを実習生に提供しています。福利厚生には育児に関するものもあり、2024年にはサイト内に新しい託児施設がオープンします。

こうした取り組みは、これからキャリアをスタートさせる若者、女性、少数派グループの人々、農村地域の出身者、退役軍人、復職を目指す経験者など、あらゆるバックグラウンドを持つ候補者に、従来とは異なる半導体業界への就職ルートを提供します。
 

マイクロン初の実習制度プログラムが立ち上げられたのは1年前のこと。マイクロンの革新的なアプローチを称えるべく、マーティ・ウォルシュ米労働長官がプログラムの開設に立ち合い、製造施設を見学しました。労働長官が立ち合ったことで、マイクロンの実習生とアイダホ州が全国という大舞台に立つことになり、このプログラムが労働力を強化するとともに専門家集団を増やすというテクノロジー業界の広範な取り組みと合致していることを明確に示すことができました。

11月の全米実習制度週間に、マイクロンは、13人の実習生から成る第2グループとその家族を祝賀イベントに招待しました。このイベントでは、今後の成功と労働力の拡大について検討を行い、昨年の春学期にGPA 4.0以上の成績を取得し第1グループのプレジデンシャルリストに名前が載った奨学生を表彰しました。第1グループの学生たちが将来のキャリアへの新しい道を切り開いていることを誇りに思います。第1グループに所属する2名の学生のプロフィールを以下に紹介します。
 

マイクロンの創業者が45年前にそうであったように、今私たちは先駆者として模索しています。米国で半導体の実習制度プログラムをいち早く導入した企業として、マイクロンは将来の労働力確保に向けた計画を打ち出している最中です。マイクロンの実習制度プログラムはそうした未来への投資です。業界の差し迫ったニーズに対応し、すべての人々に公平な教育機会を提供しながら、労働力確保のための準備を行う効果的かつ独創的な取り組み方なのです。

オリビア・ジーレンバーグとイーサン・マクテーグを紹介します!この2人のチームメンバーは、ボイシで実施中のマイクロンの登録実習制度プログラムの第1グループに参加している大学生です。

車の運転と同じくらい車の修理も好きなオリビア

1年ほど前に大学に通い始めた当初、オリビアは、アルツハイマーの研究者である祖父の影響もあり、科学分野で働きたいという気持ちをはっきりと持っていましたが、キャリアについて明確な目標はありませんでした。ボイシ州立大学で1学期間生物学を学んだものの、すぐに自分に合っていないことに気づきました。

アイダホ州に暮らし、メリディアンのロッキー・マウンテン高校では数学と物理で優秀な成績を収めた19歳のオリビアは、機械に強く、テクノロジーが大好きです。プロのカメラマンのアシスタントとして数年間働いた経験があるほか、趣味で身につけたという自動車修理も相当の腕前です。修理を要する個所がたくさんある古いホンダ車を2台(2001年型シビックEXと2007年型シビックSI)所有していますが、家族の車の修理にもいつも喜んで手を貸します。

「自分の車2台と、父の車と、兄の車のブレーキを直しました」と話すオリビアは、登録テクニシャン実習制度を利用してマイクロンで働きながら、ウェスタン・アイダホ大学(CWI)高度メカトロニクス工学の2年制課程にも在籍し、学位の取得を目指しています。「ある時、私の車のエンジンがかかったり、かからなかったりするようになったので、セルモーターとイグニッションスイッチを交換しました」

オリビアは自動車整備士になることも考えたのでしょうか? いいえ、真剣に考えたことはありませんでした。オリビアは自身を「勉強マニア」だと言い、車の修理がなんでもできるようになってしまったら、何度もやっているうちに修理に飽きてしまうのではと心配しています。今は、ゆくゆくは機械エンジニアになりたいと考えています。

そんな彼女にCWIの高度メカトロニクス工学技術課程に進むことをすすめたのはオリビアの母親でした。この課程では工学の基礎を直接学ぶことができるため、学生たちはロボットや自動化システム、コンピューター搭載の製造装置などを実際に扱うことができます。

オリビアは、ファブ4のドライエッチングチームで実践的な仕事をしています。髪をまとめ、クリーンルーム用の「バニースーツ」を着てシフトに入ります。少し現実離れした感じはあるものの、彼女にとっては、ウィーンと音を立てる機械がそこかしこにある窓のない建物での仕事は快適です。ファブ内は冷えるほどではない、ちょうどよい涼しさで、きれいな空気が常に循環しているのだそうです。

「ファブにいると、別世界にいるような感じがします。あまりにも多くの機械があるので」とオリビアは言います。

彼女の仕事のひとつは、機械を分解して洗浄(イソプロピルアルコール、蒸留水、あるいはエアーを使用)し、元に戻すといった予防的保守です。今は、機械がダウンして修理が必要になった状態を指す「フォルト」の対処法を学んでいるところです。オリビアによると、ほんの小さな微粒子ひとつで多くの問題を引き起こす可能性があるとのことでした。

スケートボードショップを開く目標を一旦保留して実習に参加するイーサン

26歳のイーサンは、音楽好き(バンドのギタリスト)でスケートボード愛好家です。スケートボードショップの開店に備え、南カリフォルニアのゴールデンウェストカレッジでビジネスの準学士号の取得を目指しました。しかし残念なことに、ビジネスの授業は退屈なものばかりだったといいます。

一番の得意科目は物理だったことから 自分を見つめ直し、イーサンは専攻の方向性を変えることにしました。この方向転換は、イーサンが論理的な問題やパズルを解くのが好きだったことや、物を作ったり、エンジニアリングをしたりする人たちのYouTube(マンガの中にしか存在しないような物を実際に作ってみるような動画も含む)を見るのが好きだったことも影響しています。

ギターを弾くマイクロンの従業員のイーサン

彼は科学・技術・工学・数学(STEM)課程に飛び込み、機械工学の学士号取得を視野に入れながら物理学の準学士号の取得を目指すことを決断しました。

パートナー(ボイシに家族がいる)と一緒にボイシ地域に引っ越した後、彼はIndeedでマイクロンの実習制度/CWIのメカトロニクス課程の募集があることを知りました。

イーサンはリモートオペレーションセンター(ROC)で働いています。ROCは、コンピューターのワークステーションが何列も並んでいる大きなオープンオフィスです。ROCチームは、センターのコンピューターからファブ内の設備を遠隔監視し、問題を解消します。

耳慣れない業務用語を筆頭に、イーサンはこの仕事の難しさを実感していますが、自分が確実に進歩していることも感じています。壁を突破する糸口が見えた日が何度かあったそうで、シフトに入っているほとんどすべての時間、ほぼ人の手を借りずに、ワークステーションからトラブルを解消できた日もそのひとつだと言います。

「その時は、このパーツで何が起きているかがピンと来て、把握できた感じがしました。理解力はここに10年いる人と同じレベルではありませんが、もしその先輩が昼食に出かけたら、おそらく先輩の業務を引き受けられると思います」とイーサンは話していました。

2人は学業と仕事をどのように両立しているのでしょうか。普段の1週間の予定を聞きました。オリビアは、ナンパにあるCWIのキャンパスで週15時間授業を受け、ボイシにあるマイクロンのメインキャンパスで週20~27時間働いています。イーサンは週12時間授業を受け、マイクロンで週28時間働いています。この他に2人は、毎週少なくとも数時間(多くの場合はそれ以上)、学校の課題をする時間もあります。

Director of Micron Strategic Workforce Programs

Sara Newton-Klitz

Sara Newton-Klitz has been with Micron Technology for more than 24 years. During her tenure, she has worked in manufacturing, global procurement and corporate human resources. Sara drives transformational initiatives through senior leadership and other key stakeholders. She excels in delivering results and building key relationships in a complex and global environment. She is currently serving at the Director of Strategic Workforce Programs, supporting Micron’s US expansions and workforce development strategies. Sara holds a Bachelor of Science in Production and Operations Management from University of Idaho.

Sara Newton-Klitz