マイクロンは2018年10月5日、創立40周年を迎えます。この節目を祝う一環として、業界の変容について私たちの展望をお伝えしたいと思います。メモリの歴史と、過去半世紀にわたってマイクロンがその一角を担ってきた、素晴らしく根本的な変化を振り返る三部構成のブログシリーズをお楽しみください。
ムーアの法則とデナード則
ムーアの法則が電子産業に与えた影響は、言い尽くせません。1965年にゴードン・E・ムーアが発表した論文で、高密度集積回路のトランジスターの数が約2年ごとに倍増するという考えが提唱され、その後半世紀にわたって検証されてきました。この法則は、半導体業界において長期計画の指針や研究開発の目標設定に活用されています。
多くのデジタル電子機器の性能は、ムーアの法則と密接に関連しています。これには、質調整されたマイクロプロセッサの価格、メモリ容量、センサー、さらにデジタルカメラのピクセルの数やサイズも含まれます。これらはすべて、ほぼ同じ指数関数的な速度で向上しており、世界経済のほぼすべての分野におけるデジタル電子機器の影響を劇的に高めています。その結果、製品の機能性、パフォーマンス、コストが定期的に大幅に改善され、多くのさまざまな企業が市場に参入する機会が開かれました。
デナード則とは何でしょうか?
デナード則はムーアの法則に関連しており、コンピューターのワットあたりのパフォーマンスが概ね同じ率で指数関数的に成長すると述べられています。デナード則(またはMOSFETスケーリング)は、IBMの研究者ロバート・H・デナードが共著した1974年の論文に基づいています。デナード則は、トランジスターが小さくなるにつれて電力密度が一定に保たれると仮定し、その結果、電力消費が面積に比例しているとしています。これにより、CPUメーカーは、全体の回路消費電力を大幅に増加させずにクロック周波数を次世代に上げることができました。
ムーアの法則は50年以上にわたって成立してきましたが、その利点を活かすことが次第に難しくなってきました。同時に、デナード則は2005年から2006年頃に崩壊したとみられます。同じ電力制約内で作動できなくなったことで、CPU業界のマルチコアアーキテクチャーへの移行につながり、メモリテクノロジーにおける大きな課題をもたらしました。世代が進むにつれて、コアあたりのメモリコントローラの数は減少し、メモリシステムへの負担が増大しました。
デナード則の終焉やムーアの法則の鈍化にもかかわらず、顧客の期待は引き続き高まっていました。40年以上にわたり、ハイテク産業が対象としていたコンシューマーは、製品のパフォーマンスや能力が頻繁に進化することを当然のこととして期待してきました。メモリ業界はシステムパフォーマンスを改善させるための新しい方法を模索し、情報を新しく刺激的な方法で処理するアーキテクチャーの探索と開発を進めることを余儀なくされました。