デザインツール

入力が無効です。特殊文字には対応していません。

インサイト

マイクロンのNANDに、業界に合わせた新たな命名規則を採用した理由

ラリー・ハート | 2024年12月

1990年代後半、新しい検索エンジンテクノロジーの開発を手掛けるBackRubという会社がありました。「BackRub」という社名は、このシステムがウェブの「バックリンク」を分析して個々のページの重要性を認識することから付けられました。しかし、プロジェクトが拡大するにつれて、共同設立者のラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏は、その名前が自分たちのビジョンの本質をきちんと捉えておらず、どうもしっくりこない、と感じるようになりました。

そこで、検索エンジンのブランドを一新し、より記憶に残りやすく、世界の情報を整理するという使命をさらに反映するような名称に変更しようと決めました。当初は「googol」という名称に決めていましたが、ドメイン名が利用可能かどうかを確認する際に、同僚が「google」と入力してしまいました。しかし、ペイジ氏はその名前を気に入り、ドメインが利用可能だったため、そのまま採用しました。

新しい名称は世界の流れを一変しました。「Google」という名前は他にはないので覚えやすく、スケール感や野心を感じさせます。今日、Googleは世界で最も認知され、価値のあるブランドの1つとなっています。その名前はインターネット検索を意味する動詞にさえなっています。これは、製品にそのユニークな特性を反映した名前を厳選して付けることで、ターゲットオーディエンスに大きな影響を与えられることを明らかにしています1

私は最近、マイクロンのNANDの発表に際し、この製品を簡潔に説明できないかと苦労していました。私が執筆したプレスリリースをいくつかを振り返ってみると、「200層を超えるQLC NANDを初めて出荷」といったフレーズを使っています。ご想像のとおり、NANDノードの層数が今後さらに増えていくと、説明はさらに難しくなります。技術的には200層を超えているのですから。

そこで、私たちは新しいアプローチを考えるためにいったん白紙に戻し、NANDの命名規則を業界の3D NANDの世代に合わせるというシンプルな解決策にたどり着きました。世代を表す「G」の文字の後に業界の世代番号をつなげた名前を付けることにしたのです。たとえば、Micron G9 NANDは、業界の9世代目の3D NANDとしてマイクロンが提供している製品です。

この表は、命名規則を簡潔に表したものです。

層数だけにフォーカスした名前を3D NANDに付けることは、かつてほど有益ではないと考えています。層数は世代ごとにも、サプライヤーによっても異なるため、パフォーマンス、密度、耐久性、電力といった要素が顧客にとってより重要になっています。業界の世代を名前に取り入れることで、NANDテクノロジーの進歩がよりいっそう明確に伝わり、顧客はソリューションに適したNANDをより簡単に選ぶことができます。些細な変更ではありますが、その影響は大きく、私たちは顧客と業界全体にどのようなメリットがもたらされるかを楽しみにしています。

マイクロンが最先端のソリューションを提供することで業界をリードし続ける中、このような期待感の高まる変更を加えたことで、NANDテクノロジーの進歩をいちだんと明確に伝えることができると確信しています。

 

ソリューションマーケティング担当シニアディレクター

Larry Hart

マイクロンのコアデータセンタービジネスユニット(CDBU)でソリューションマーケティング担当シニアディレクターを務めるラリー・ハートは、影響力のあるテクノロジーソリューションの開発とマーケティングに熱心に取り組んでいます。価格設定、製品マーケティング、アウトバウンドマーケティング、製品管理、エコシステム開発といったさまざまな分野にわたる経歴を活かし、エコシステム内での技術的な連携を強化し、顧客の視点に立ったソリューションをアピールし、顧客に最大の事業価値を届けるという、マイクロンの戦略的な取り組みを主導しています。