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AIを解き放つ:データセンターにおけるサステナブルな改革への先駆け

アンドリュー・バーンズ | 2024年7月

マイクロンベンチャーズのポートフォリオ会社の1つ、Atlas AIは、データ、データセンター、そしてグローバルコミュニティに及ぼすAIの絶大な影響力を示す驚くべきテクノロジーを有しています。

Atlas AIは、AIがテクノロジー、ビジネス、社会、そして地球の気候さえにも大きな影響を与え、私たちの世界を塗り替えていることを示す好例です。私たちがAIの用途を世界中に広げるにあたり、その広範な影響をメリットと課題の両方の側面から考慮することが重要です。

大規模なAIワークロードに対応し得る現在のコンピュートインフラストラクチャーは、長期的、あるいは短期的にもいずれ不十分になるでしょう。マイクロンでは、この課題を認識して積極的に対処しようとしています。
 

エネルギーを大量消費するAIデータセンター

 

増大し続けるAIのデータ需要は、このデジタル情報の氾濫に対応するデータセンターが環境に与える影響という、隠れた課題をもたらします。この数十年間、世界中の発電所を削減し、クリーン化するグローバルな取り組みが進められてきましたが、今や世界中のデータセンターはエネルギーへの飽くなき渇望を満たすためにさらなるエネルギーを求めています。

処理電力の制限を超えたAIのエネルギー需要は、すでにAIに特化したデータセンターの着実な伸びをもたらしています。この成長は頼もしく思われる一方で、バランスを取ることの必要性も裏付けています。私たちは情報処理能力の強化と環境への影響を天秤にかけて考える必要があります。それは、テクノロジーの進歩と地球の健康を調和させる方法を見つけることを意味します。

サステナビリティは、マイクロンの議題の単なる1項目ではありません。私たちは、半導体産業がより地球に優しい未来をもたらすことは可能だと信じるだけでなく、それは必須であるという確信に基づき行動しています。
 

未来への道を切り開くマイクロン

 

サステナブルな未来の探求において、鍵となるのは調和です。マイクロンは、すでに世界中の業界リーダー、サプライヤー、そして顧客との間で強力な提携体制を築いています。増大し続ける半導体需要という状況下で、私たちはともに製造業がもたらす環境への影響を新たな視点から再構想するべく取り組んでいます。これは、業界の最高の頭脳が結集して主導する共同事業です。

マイクロンのチームメンバーは、いくつかの方向からこの課題に取り組んでいます。

  • 効率性イネーブラー:マイクロンは、データセンターのメモリとストレージ内の省エネを果敢に推進しています。私たちは単にインフラストラクチャーを最適化するに留まらず、デバイスおよびシステムレベルの省エネイノベーションを駆使して、大量消費型ではないエネルギー効率の優れたコンピューターシステムを他に先駆けて開発しています。
  • チップアーキテクト:チップの生産とパフォーマンスにおける改善を推進することで、私たちは省エネに直接的に貢献しています。エネルギー消費の削減は、地球の健康とより清浄な大気、そしてサステナブルな未来へとつながります。
  • 未来に投資する投資家:イノベーションの促進こそ、長期的なサステナビリティを解き放つ鍵となります。マイクロンの投資部門、マイクロンベンチャーズは、最前線に立ってイノベーションを推進しています。私たちは、マイクロンの事業だけでなく業界全体の脱炭素化に貢献する可能性を秘めた、革新的なスタートアップ企業を積極的に探し出し、投資しています。


資金とノウハウを現実世界で活用するマイクロン

 

その一例は、マイクロンが誇りをもって支援するクリーンテックのスタートアップ企業、Aqua Membranesです。この会社は、マイクロンの半導体製造を含む産業アプリケーションにおいて、フローパターンを強化して省エネを可能にする3Dプリンターテクノロジーで、水ろ過システムに革命をもたらしました。マイクロンは、産業環境でAqua Membranesのテクノロジーを検証し、産業用水処理における大幅なエネルギー削減を確認しました。これはコラボレーションの有効性を示し、イノベーションが現実世界の問題解決に貢献できることを実証した素晴らしい事例です。

私たちはまた、半導体チップの接続と相互情報通信のあり方を新たに創造する、優れた相互接続スタートアップ企業のEliyanAvicenaにも投資しています。接続性とコミュニケーションは、生成AIの基盤となる大型言語モデルを効率的にスケーリングする鍵となります。

マイクロンの最も大胆な投資とコラボレーションは、おそらくMultiscale Technologiesに対するものです。私たちは同社とともに、AIが半導体の製造プロセスをどのように再定義するかを探究しています。この取り組みの一環として、私たちはプロセス効率の最適化を現実世界の大量生産にスケールアップする方法を探っています。

エネルギー消費削減の先を見据える。マイクロンは、半導体サステナビリティ分野のスタートアップ企業ピッチイベントを、電子製造業界のポジティブな変化を推進するSEMIと共同開催しました。このイベントでは、コーポレートベンチャーキャピタルとエコシステム内のさまざまなサステナビリティ担当者を、半導体製造業界のエネルギー効率、水利用、循環性における課題に取り組む優良スタートアップ企業に紹介しています。これはイノベーションを育む場であり、次世代のサステナビリティソリューションが根付き、さまざまな会社から採用され、業界全体に広まる環境を提供するイベントです。


循環型の未来を追求するマイクロン

 

マイクロンのビジョンは、単なる省エネの追求に留まりません。私たちは半導体の循環型経済を構築しています。ここでの新しい課題は、既存のハードウェアの寿命を最大化することです。これは、修理やアップグレードを通してデバイスを長持ちさせ、大事に使ってもらうというアプローチです。廃棄された電子機器があふれるゴミ埋立地ではなく、生命があふれる活気に満ちたエコシステムが広がる世界を想像してみましょう。

すでに、循環型経済にイノベーションをもって参加する多くのデータセンターが、理念を実行に移しています1

 - マイクロソフトは、2025年までに同社のクラウドコンピューティングハードウェア資産の90%を再利用するという目標に向けて、3つの「循環センター」を新設しました。

 - Amazonは、近隣のデータセンターからのハードウェアを回収するリバースロジスティクスハブを建設しました。回収された機器は、修理調整されるか、あるいは部品が再利用されます。

 - Googleは廃棄物ゼロの目標を掲げ、同社の23のデータセンターは製品と材料の再利用によりこの目標を達成しました。これにより、製品の90%以上が埋立地に廃棄されなくなりました。


環境に優しいAIの未来をともに築く

 

マイクロンのCrucialブランドも、オンライン修理リソース大手のiFixitとの革新的なパートナーシップを通して注目を浴びています。マイクロンは、CrucialのSSDを中心としたアップグレードキットと修理ガイドを提供しています。これらの製品は、人々に使用中のコンピューターやその他の電子デバイスに新しい命を吹き込む機会を与えています。この取り組みは、簡便性のみを目的としていません。重要なのは、電子廃棄物と温室効果ガスの削減、そして資源の枯渇の回避です。これらを削減することでループを閉じたものにし、私たちの環境フットプリントを最小化し、何世代にもわたってサステナブルな未来を確実なものにします。

サステナビリティの取り組みにおいて、マイクロンは開かれたコミュニケーションと透明性への決意を重視しています。マイクロンの2024年サステナビリティレポートをぜひダウンロードしてご覧ください。このレポートには、マイクロンが支援する、より地球に優しい未来の構築に向けた包括的なロードマップが掲載されています。


AIの進むべき第一歩はここから始まる

 

データセンターの未来は、決まったものではありません。エネルギー効率を優先し、革新的なイノベーションを促進し、循環型経済を推進することにより、私たちは環境を犠牲にすることなくAIの力が発揮される未来を築くことができます。これはマイクロンだけの戦いではありません。最も優秀な頭脳、最も情熱的なイノベーター、そしてサステナブルな未来という私たちのビジョンに共鳴する一般市民の行動が求められています。

AIブームを環境保全の勝利へと共に導き、私たち自身が作り出した課題を解決する能力を発揮しませんか。共に築く未来が、私たちを待っています。

 

1 TechTarget, Jacob Roundy, Use the data center circular economy for sustainability、2023年11月28日。

Director, Venture Capital - Artificial Intelligence

Andrew Byrnes

Andy is with Micron’s AI fund investing in some of the world’s top startups. He’s a recovering startup founder, writer, and solar/battery materials geek, and when he’s not thinking about technology innovation and startups, he’s probably running or doing something weird with his young’uns. And he’s big on words like “young’uns.”