マイクロンは「世界水の日」を記念して、アイダホ州ボイシの米国本社周辺の水の復元プロジェクトなどに取り組みました。ボイシ川は住民から非常に大切にされているため、私はプロジェクトリーダーとしてこのプロジェクトに携われることを嬉しく思います。
それだけでなく、ボイシプロジェクトは他にも意味を持っています。マイクロンは、マイクロン従業員(チームメンバー)が生活や仕事を営んでいる地域の向上を目的として、世界各地に存在するすべての主要製造サイトすべてに同種のプロジェクトを導入する予定です。ボイスプロジェクトはそうした世界的な水の復元プロジェクトのパイロットとなるものです。これまで、マイクロンによる水のサステナビリティへの取り組みは現実的な計画というよりも野心的な計画と認識されていましたが、ボイシプロジェクトはその目標達成に向けた重要な第一歩となります。
私のように環境サステナビリティに深い関心を持っている者にとって、このプロジェクトは画期的な取り組みとして受け止められるでしょう。
世界における水のサステナビリティへの取り組み
ボイシのプロジェクトについてご紹介する前に、まずマイクロンにおける水の利用と保全活動の背景について簡単に説明したいと思います。シリコンウエハー上に半導体を製造するには水が必要です。使用する水はかなりの量になります。これは、超高純度の水で各ウェハ―を繰り返し洗浄する必要があるためです。この洗浄水は現場での再利用水と地元の未処理水源の水によって生成されています。
水の復元:大局的なアプローチ
ボイシプロジェクトをはじめとする水の復元プロジェクトは施設改善の取り組みとは異なるものです。復元プロジェクトは、マイクロンが事業を行う地域に貢献する取り組みです。水質やエコシステムの向上によって地域住民や動物に恩恵をもたらします。
復元プロジェクトの多くはマイクロンの価値観を反映しています。マイクロンは、100%の水のリサイクル、再利用、復元という大きな目標を掲げており、地元のパートナーと連携して水質と水の可用性の向上に取り組んでいます。マイクロンは水源の改善を通じて、利害関係者である地元の政府、利益団体、住民と連携しています。水の復元は、マイクロンの人に関する価値観に基づく取り組みであり、マイクロン施設内外のサステナビリティに対するマイクロンの責任です。
ボイシ川の復元
ボイシのマイクロン本社はボイシ川の近くに建っています。マイクロンの主要技術開発ファブに水を供給するポンプ室のすぐ近くには、ボイシ州立大学のインターマウンテン鳥類観測所(IBO)とダイアンムーア自然センターがあります。私たちはパートナーと連携して、本流と平行して流れている、堆積物まみれの小さな支流の復元に取り組んでいます。
支流の水の流れが遅くなれば、魚やその他の野生生物が餌を取りやすくなり、身を隠しやすくなり、休憩しやすくなります。マスの卵や稚魚は多くの溶存酸素を必要としますが、復元によって、その必要量を満たす清浄で冷たい水が支流に流れるようになります。
さらなるメリットとして、復元が完了すると、そのような美しい川を一般の人々も利用できるようになります。IBOはSTEMイベントを主催しているほか、タグを付けて放す鳥を学生たちが抱くことができる機会を設けています。素晴らしい取り組みです。
まだ出発点
支流への取り組みで毎年約1,100万立方メートルの水質改善を実現しています。これは、マイクロンによる全世界での水使用量の約21%に相当します。これは大きな一歩ですが、それだけではありません。世界水の日には、マイクロンのチームメンバーに向けて2つの大きな取り組みが掲げられました。
- ボイシ川プロジェクトを出発点として、マイクロンは100%の水保全という野心的な目標を達成するためにすでに実行していることと達成するための計画が進行しています。
- マイクロンは世界中の主要製造サイト付近の水の復元プロジェクトに資金を投じる予定です。現在、マイクロンが事業を行う世界各地でプロジェクトの評価が進められています。それらのプロジェクトを皆さんにお伝えできる日が待ちきれません。
これが真の責任です。私たちはマイクロン施設内での水使用にも継続して取り組んでいます。マイクロンでは、2030年までに75%の水の再利用、リサイクル、復元を実現するという目標を掲げているほか、100%の水保全を実現するという野心的な目標を掲げており、それらの達成に向けてイノベーションと投資を続けています。それらのプロジェクトは、チームメンバー、地域、エコシステム、さらにはマスの稚魚など、すべての利害関係者の生活向上に焦点を当てた取り組みを補完するものです。