お使いのアプリケーションは読み取りと書き込みをどんな割合で実行していますか? ブロックサイズは? AIトレーニング、リレーショナルデータベース、NoSQLデータベース、仮想化/コンテナ化スタックなどを実行するデータセンターでは、こうしたシンプルな質問に対する回答が極めて複雑になります。データセンターのSSDの仕様書に記載されているのは通常、キュー深度(QD)256における4KBの100%ランダム読み取り/書き込み、30%読み取り/70%書き込みと128KBのシーケンシャル読み取り/書き込みのパフォーマンスです。しかし、16KBの80%/20%ではどうでしょうか。アプリケーションがドライブでキュー深度256に達しない場合はどうなるのでしょう。最も重要なのは、より現実的なブロックサイズで、レイテンシーを考慮した場合、SSDベンダーの比較結果はどうなるのかということです。
このブログでは、マイクロンが実環境のパフォーマンスを最優先して新しく構築したメインストリームドライブ、7500 NVMe™ SSDのパフォーマンスデータを見ていきます。4KB、8KB、16KBのブロックサイズにおける混合ワークロードのパフォーマンスについて検討し、16KBブロックサイズでの80/20ワークロードにおける6x9(99.9999%)のQoSレイテンシーに目を向けます。また、マイクロンの前世代メインストリームNVMe SSDに加えて、データセンター向けNVMe SSDの競合他社製品2つのパフォーマンスデータとも比較します。
その結果は、マイクロンが仕様書に記載された4KBの最大値を達成するだけでなく、今日のデータセンターで一般的な混合ワークロードにおいて(読み取り/書き込み混合でもブロックサイズでも)クラス最高となるように7500を設計したことの証明になるでしょう。
すべての混合
通常のストレスレベルで動作しているドライブを表す、キュー深度が32の4KBランダムワークロードについて検証しましょう。読み取り50%/書き込み50%という書き込みが多いものから、読み取り90%/書き込み10%という読み取り集中型までを扱います。
これを見ると、マイクロンの7500 SSDが前世代をわずかに上回り、競合他社製品2つをはっきりと上回っていることがわかります。
素晴らしい結果ですが、7500にとって大幅な改善だとは言えません。8KBや16KBといったもっと大きなブロックサイズではどうでしょうか。
8KBでは、7500が前世代との差を広げ、競合製品を圧倒的に上回っています。
16KBでは、その差はさらに広がり、7500が混合ワークロード向けでクラス最高のメインストリームNVMe SSDであることがはっきりとわかります。
品質と量
ストレージのもう1つの重要なパフォーマンス指標は、サービス品質(QoS)です。お使いのSSDがリクエストを返すのにどのくらいの時間がかかるでしょう? QoSはパーセンタイル(百分位数)で測定されます。たとえば、1ミリ秒のレイテンシーが99%のパーセンタイルの場合は、IOの1%で1ミリ秒以上かかっているということです。1秒あたり数百万のIOを処理するドライブを何千台も備えた大規模なデータセンターでは、6x9のレイテンシーが極めて重要になります。
オンライントランザクション処理、レコメンデーションエンジン、リアルタイムアナリティクス、人工知能、コンテンツ配信、金融取引などは、低レイテンシーでメリットを得られるワークロードの例です。ハイパースケーラーだけでなく、データベースを運用する従来のエンタープライズデータセンターにとっても同様です。どちらも顧客とのサービス内容合意書(SLA)を順守する必要があり、ミリ秒の差が重要になります。
キュー深度が1~32で16KBのIOによる80%読み取り/20%書き込みワークロードを検証しましょう。
この折れ線グラフでは、Y軸で6x9の読み取りレイテンシー、X軸でIOPSを示しています。Y軸の値が低く、X軸の値が右にあるほど、高いパフォーマンスを示しています。グラフ上の各点は、1から32までのキュー深度を表しています。比較をわかりやすくするために、グラフ上の最大レイテンシーを4ミリ秒に設定しました。これにより、競合製品BのQD32における測定値(8ミリ秒)がカットオフされます。
マイクロンの前世代と7500を比較すると、6x9のレイテンシーが大幅に減少していることがわかります。また、7500は現在、どのキュー深度においても、前世代のクラス最高のドライブを上回っていることがわかります。
競合製品BのレイテンシーはQD8以下ではやや低めですが、これはパフォーマンスが大幅に低いことの表れです。QD8を超えると、競合製品BのQoSレイテンシーは急激に増加します。
リアルワールドのメインストリームNVMe
Micron 7500 SSDは、最先端のメインストリームデータセンター向けPCIe® Gen4 SSDであり、業界初の200層を超えるNANDを搭載した、他社よりも優れたサービス品質とパフォーマンスを発揮するSSDです1。
マイクロン7500 NVMeデータセンターSSD
クラス初、1ミリ秒未満のドライブを実現
マイクロン7500 NVMe SSDは、200層を超えるNANDを採用した初のメインストリームデータセンターSSDです。その最先端テクノロジーによって、幅広い種類の混合ワークロードとIOサイズで優れたパフォーマンスとQoSを実現します。
マイクロンは、今日、世界で最先端の量産NANDである232層NANDを7500 SSDに搭載し、先進的なコントローラとファームウェアを組み合わせて、優れた成果を実現しました。
マイクロン7500 SSDは、業界をリードする6x9(99.9999%)の4K読み取り集中型で、4Kワークロードレイテンシーを1ミリ秒未満に抑えてQoSのニーズに対応しながら、100万を上回るIOPSを実現します。
また、マイクロン7500は一般的な混合ランダムワークロードでも優れており、Oracle、MySQL、RocksDB、Microsoft SQL Serverといった一般的なデータベースのパフォーマンス改善に役立ちます。すべてのデータベースをマルチスレッド化することで、複数のキューを実行し、最も処理速度の遅い操作で待機してから結果を出すことができます。一定したレイテンシーは、ユーザーに大きな違いをもたらします。
詳細については、7500製品ページをご覧ください。また、営業担当者にお問い合わせいただければ、お客様のラボにお届けします。その後、本格稼働をご検討ください。
追加情報:
注1:Forward Insightsのアナリスト報告書「第2・3四半期におけるSSDのサプライヤーステータス」に記載のとおり、2023年8月時点で少なくとも10%のデータセンター向けSSD市場シェアを持つGen4 U.2/U.3対応のメインストリーム競合SSDサプライヤーを対象としています。
注2:キュー深度(QD)とは、ターゲットごとのスレッドあたりの未処理I/Oリクエストの数です。この場合、競合ドライブ間で一般に比較可能なQDとして、QD128を使用しています。たとえば、Microsoftは通常、ベンチマークパフォーマンス分析用や、テスト対象のシステムCPUに高いIOPS負荷をかけるためにQD128を使用しています。詳しくは、https://learn.microsoft.com/en-us/azure/virtual-machines/disks-benchmarks参照。
注3:結果はすべて、マイクロンのデータセンターワークロードエンジニアリング(DCWE)ラボにおける社内テストによるものです。