全世界のEV(電気自動車)充電ステーション市場は急成長しており、年平均成長率8.8%に達し、2030年には121億ドルの規模に達すると予測されています。
EV販売台数の増加と、ゼロエミッション交通システムへの需要増大を背景に、EV充電ステーション市場は急拡大を続ける見通しです。このような成長とともに、自宅のEV充電器から、買い物中、さらには運転中の道すがら素早く充電できるステーションまで、あらゆる場所で安心して充電できる社会の実現に、人々は熱い期待を寄せています。
加えて、負荷管理、使用量に基づくアナリティクス、自動ペイメント機能を備えたポータブル充電、双方向充電、スマート充電などのテクノロジーの発達により、EV充電ステーション市場のさらなる成長が予測されます。
もう一つの成長要因に、米国政府が国内の州間道路に50マイル間隔で、米国製EV充電ステーションの設置を推進していることが挙げられます。具体的には、NEVI(National Electric Vehicle Infrastructure)や、BABA(Build America, Buy America)があります。
充電器には3つのレベルがあります。レベル1充電器は、標準的な家庭用コンセントを使用します。レベル2充電器はより高速で、240ボルトの電源出力を使用します。レベル3充電器は最速で充電でき、ACからDCへの変換によって充電速度を最適化します。公共の充電ステーションに設置されるEV充電器は、ほとんどがレベル3充電器です。
こうした超高速なレベル3ステーションでは、ACからDCへの変換を可能な限り迅速に行う必要があります。つまり、より複雑なストレージとメモリーを備えた大容量のEV充電ステーション、さらに電力フローを正確に最適化するための処理要件も必要となるのです。
このようなEV充電ステーションの制御ユニットの機能向上には、より強力なコンピューティングが必要です。EV充電器の信頼性を確保するため、制御ユニットには車載グレードまたは産業グレードの大容量e.MMCに加え、電力コントローラやペイメント機能から、使用量の分析、キオスク広告にいたる、低電力・高性能なデータストレージおよびデータ処理が要求されます。このような制御ユニットの最新設計にはメモリ保護ユニット(MPU)が含まれ、マイクロンのDDR4/LPDDR4やe.MMCのようなDRAMおよびマネージドNANDのテクノロジーを活用できます。
産業分野では、さらに上のレベルの必須要件が要求されます。マイクロンでは、これをIndustrial Quotient(IQ)と呼んでいます。このレベルには、いくつかの検討事項があります。
- 寿命:マイクロンは5年以上の製品ライフサイクルに対応しています。車載用アプリケーションは長く使われることを前提に作られるので、長期間の製品サポートが必要です。
- 耐久性:極端な温度、衝撃、腐食、湿気、放射などのある環境では、より高度なパフォーマンスが要求されます。
- 信頼性:年間平均故障率、故障率(FIT)、平均故障間隔に関する主要なベンチマークを使用して、パフォーマンスの安定性の目安としています。
- アプリケーション最適化:製品の機能を拡張することにより、アプリケーション固有の要件を満たします。自動スキャン/自動更新、ファームウェア正常性モニタリング、API暗号化などが含まれます。
このようなマイクロンの産業指向の考え方は、30年にわたる産業用メモリおよびストレージソリューションへの取り組みから生まれました。マイクロンは産業市場および車載市場のリーダーとして、長寿命、信頼性、耐久性を備えた米国製メモリおよびストレージソリューションを提供できるという独自の地位を確立しています。
業界をリードするマイクロンの耐久性に優れた産業用ソリューションを搭載したEV充電器は、長距離ドライブにおいても効率的な充電を保証します。