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マイクロンの責任

現代の奴隷制および人身売買との戦い

現代の奴隷制および人身売買との戦い

Micron Technology, Inc. 2024会計年度の声明

Micron Technology, Inc.は、メモリとストレージに関連するテクノロジーと製品を提供する企業で、こうしたテクノロジーと製品の生産に必要な材料と部品の供給元から成る世界規模のサプライチェーンを有しています。

カリフォルニア州サプライチェーン透明法(SB 657)では、マイクロンを含む多くの会社が、直接関わり合いをもつサプライチェーンにおいて奴隷制と人身売買を根絶するためにどのような取り組みを行っているかについて、各社のウェブサイトで情報を公開することが義務付けられています。SB 657では、検証、監査、認定、社内説明責任、トレーニングに関する情報の開示が企業に求められています。この声明は、マイクロンだけでなくマイクロンの子会社(英国2015年現代奴隷法の対象であるMicron Europe Ltd.が含まれますが、これに限定されません)でも同じくなされており、2024年8月29日に終了するマイクロン会計年度における奴隷制および人身売買に関するマイクロンの声明の構成要素となっています。

またこの声明では、マイクロンのいかなるサプライチェーンでも、さらにはマイクロンの事業のいかなる部分でも、奴隷制や人身売買が発生しないことを保証するために、実行可能な限りにおいてマイクロンが行ってきた取り組みの一つひとつを明確に述べています。こうした対策は現在進行中であり、今後も継続して取り組んでいく所存です。

ポリシー

現代奴隷制は犯罪であり、基本的人権の侵害です。これには奴隷制、隷属状態、強制労働、人身売買など、さまざまな形式があり、いずれも個人的利益や商業的利益のために搾取する目的で、個人の自由を他者が奪うという点で共通しています。

マイクロンは人権を尊重することを約束しています。マイクロンの中核を成す事業理念に、妥協なく誠実に、かつプロ意識を持って事業を遂行することがあります。マイクロンの企業倫理と行動規範では、マイクロン自身の事業およびサプライヤーの事業において公正な労働基準を遵守するという責任を明確に規定し、いかなる形での人身売買や奴隷制に加担しないよう、また、倫理的行動に関するマイクロンの規範および基準の遵守をサプライヤーに義務付けるよう定められています。この約束を明確かつ確固たる決意で実施するため、マイクロンは2019年1月に人権ポリシーを策定しました。このポリシーでは、マイクロンは自社の事業およびサプライチェーンにおける強制労働、束縛労働(借金による束縛を含む)、契約奉公労働、不随意的または搾取的な監獄労働、奴隷または人身売買の使用を禁じることを明記しています。

このポリシーは、チームメンバー(従業員、役員、取締役)、コントラクター、その他の臨時作業員を含めて、世界中のマイクロンで勤務するすべての人に適用されます。マイクロンは、提携先であるすべてのサードパーティ(ベンダー、サプライヤー、コントラクター、代理店、セールス担当者など)に対し、このポリシーを遵守するよう、またはマイクロンと同様の基準を採用するよう求めています。

2008年8月、マイクロンは「Electronics Industry Citizenship Coalition」に加盟しました。現在の名称は「責任ある企業同盟(RBA)」です。RBAを構成しているのは、責任ある労働条件、倫理的な事業慣行、環境保護について、サプライチェーン全体を通じて世界的に推進することを目指す大手企業です。RBA加盟企業は共通のRBA行動規範を遵守しています。RBA行動規範にはサプライチェーンに求めるパフォーマンスの内容が定められており、その範囲は、労働、安全衛生、環境に関する慣行、倫理、管理システムと多岐にわたります。RBAの行動規範には、強制労働を禁止するという責任について明記されています。

マイクロンとその子会社がサプライヤーに求めるのは、現地の事業慣行や社会的慣習にかかわらず、マイクロンの規範、ひいてはRBAの規範を遵守することです。なお、マイクロンが要請した場合には、同規範の遵守状況を証明する必要があります。監査結果と特定された問題点に関する情報開示に基づき(この声明の「監査」の項を参照)、サプライヤーが規範を遵守することで、サプライチェーンにおける人身売買と奴隷制のリスクが低下すると、マイクロンは確信しています。

RBAの詳細とRBA行動規範の内容については、http://www.responsiblebusiness.orgをご覧ください。

マイクロンのポリシーについて、詳しくはマイクロンの「コーポレートガバナンス」ページ(www.micron.com)をご覧ください。このページには、マイクロンの企業倫理・行動規範、人権ポリシー、マイクロンの約束とサプライヤーへの期待事項に関するその他の声明へのリンクが記載されています。

検証とデューデリジェンス

マイクロンは、新規サプライヤーの採用に際して、厳格な検証プロセスを確立しています。マイクロンは、すべての新規サプライヤーに対し、デューデリジェンス用の質問表に回答するよう義務付けています。この質問表では、マイクロンのサプライヤーに対する期待事項と照らし合わせ、労働および倫理関連のコンプライアンス状況を評価します。回答の中で潜在的な問題や懸念事項が認められた場合、マイクロンは追加措置を実施し、潜在的なリスクを調査したうえで軽減します。重大な問題が確実に存在すると認められた場合には、そのサプライヤーを不採用とします。

マイクロンは、サードパーティのデューデリジェンスプロバイダーを通じて、強制労働など、コンプライアンス、倫理、評判その他、サプライヤーの潜在的な問題について、スクリーニングとレビューを実施しています。また、マイクロンはサードパーティのサプライチェーンリスクプロバイダーを採用し、公表されている労働違反など、リアルタイムの世界的な事象と照らし合わせて供給元を監視しています。さらに、マイクロンによる直接監査と直接評価も実施しています。2024会計年度には1,300社以上のサプライヤーを評価しました。こうしたレビューには、リモート評価、サプライヤー監査に加え、外国人労働者の雇用慣行を把握することを目的とした現地の労働供給業者の監査が含まれます。マイクロンは現地の求人エージェントと連携し、基準となる労働慣行を確実に遵守しています。また、レビューの参考資料として、米国国務省の「人身取引報告書」、RBAの「労働力移送経路データベース」、RBAの「国際的サプライチェーンの求人手数料デューデリジェンスに関する実践ガイド」など、多くの外部リソースを参照しています。

リスク評価

マイクロンの顧客およびサプライヤーの多くが、マイクロンと同様の検証プロセスを確立しており、マイクロンはそのプロセスにおける評価に協力しています。前述したサードパーティのデューデリジェンスプロバイダーと各種リソースの他にも、マイクロンはRBAのリスク評価ツールと手法を活用して、自社の事業およびサプライヤーのレビューを行っています。RBAのリスク評価プロセスについては、http://www.responsiblebusiness.orgをご覧ください。さらに、サプライヤーを対象としたリスクとコンプライアンスに関する年次ビジネスレビューでは、労働プロセスと労働慣行についてのスコアが、マイクロンによる当該サプライヤー評価の一部として記録されます。

一般にこうしたリスク評価には、潜在的な労働時間違反、紛争鉱物の掘削と調達に関連する人権違反、行動要請対象の高リスク国・地域における強制労働、現地の労働要件への違反、移動の自由の制約を定めた規制またはサプライヤーポリシーといった諸問題を見きわめるためのレビューが含まれています。マイクロンとそのサプライヤーは、マレーシア、中国本土、台湾など、人権に関する懸念が存在するリスクが高いという評価判断が下されている場所で事業を行っているため、事業場所はリスク評価で重視する要因の1つです。 

有効性の測定

マイクロンの施設での監査の優れたパフォーマンス、サプライヤーによる監査所見の経時的改善、監査所見をスムーズに解決する能力は、マイクロンとRBAのプログラムの有効性を高いレベルで示しているとマイクロンは考察します。マイクロンの施設は、RBAの検証済み評価プログラムを利用して、隔年で監査が行われています。この監査で得られたスコアを用いて、労働と人権を含む広域な分野においてマイクロンのポリシーおよびプロセスの有効性が測定されています。

監査

マイクロンはサードパーティを採用し、RBAの検証済み評価プログラム(VAP:Validated Assessment Program)により、自社施設の監査を実施しています。2024会計年度には、マイクロンのVAP監査により、シンガポールのサイトにおける現地サプライヤーの労働慣行について、複数の観点からの懸念事項が認められました。この懸念事項は適時に解消されたことが、RBA終了監査で確認されています。

マイクロンは、自社のサプライヤーを監査する権利を留保しています。実際、マイクロンのサイトで業務を遂行するすべてのサプライヤーを監査しています。サプライヤーには、人材エージェント、求人エージェント、警備、清掃業者、メンテナンス業者、micron.comの飲食サービス業者などが含まれます。この監査では、サプライヤーの労働慣行も対象としています。加えて、マイクロンは委託製造サプライヤーに対し、RBAによるVAP監査を受けるよう義務付けています。それ以外のマイクロンサプライヤーの多くは、サードパーティを採用して事業を監査するか、または他のRBA加盟企業による監査を受けています。

マイクロンによるサプライヤー監査の結果、限られたケースとはいえ、マイクロンおよび業界の期待水準を満たさない労働条件が所見として認められることがあります。そのような場合、マイクロンはサプライヤーと連携して適切な是正措置を適時に実施し、労働問題を解決するよう努めています。サプライチェーンでの監査の範囲が広がるにつれ、対象となるサプライヤーの数が増えることから、さらに多くの問題が認められる可能性があります。

RBA監査は通常、実施に先立ってその発表が行われます。

マイクロンは、2023暦年のレビューおよびRBA規範の更新に向けた承認プロセスに積極的に携わりました。この内容は2024暦年のVAP監査で実施されました。

認定

マイクロンの標準的な取引条件では、サプライヤーは奴隷制や人身売買を禁止する法律も含めて、適用されるすべての法律を遵守することが義務付けられています。さらに、サプライヤーは2019年12月から、こうした要件の遵守を証明することが義務付けれています。

社内説明責任

マイクロンは、すべてのチームメンバーおよびコントラクターに対し、マイクロンの企業倫理・行動規範とRBAの行動規範に定められた基準および原則を遵守することを義務付けています。遵守を怠ったチームメンバーは、懲戒処分の対象となります。原則として、マイクロンの行動規範やRBA要件を満たさないコントラクターはマイクロンのサプライチェーンから除外されます。

マイクロンの企業倫理と行動規範で述べられているように、私たちは、「声を上げる」環境づくりに努めています。それは、報復や復讐を恐れることなく、違反が疑われる行為を報告し、調査に参加できる環境です。マイクロンのサプライチェーンで人権違反が行われている疑いがある場合は、声を上げる責任があります。報告は対面で直接行うこともできますし、マイクロンの公式ウェブサイトに掲載されたヘルプラインを通じて行うこともできます。ヘルプラインでは匿名での通報が可能です。

学習

マイクロンのすべてのチームが、マイクロンの企業倫理と行動規範に関する研修を受講します。マイクロンでは、サプライチェーン管理に直接携わるマネージャーおよび従業員を対象に、RBAコンプライアンスを含むマイクロンが求める要件についての知識と情報を得る教育機会を設けています。これには、マイクロンの調達チームメンバーを対象とした、サプライヤーの責務に関するマイクロンの期待事項についての研修も含まれます。

マイクロンではまた、サプライヤー向けにマイクロンの行動規範とRBAの期待事項に関する研修も開催しており、人権を含むこうした期待事項に特化したオンライントレーニングコースを受講するようサプライヤーに求めています。2018会計年度以降、新規サプライヤーおよび既存の戦略的パートナーを含め、5,100社を超えるサプライヤー代表者がこのバーチャルトレーニングに参加しています。