新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックにより、私たちの生活様式、働き方、学び方、そして遊び方は急激に変化しました。このような未知の状況を乗り越えるために、私たちは仕事、家族、社会集団とのつながり方を再考しなければなりません。幸いにも、2020年3月末に日本の主要な通信サービス企業から提供されるようになった最新の5Gネットワークを含む数々のテクノロジーにより、私たちは人と人との必要不可欠なつながりを確保することができ、孤独感を和らげることができます。
日本政府は緊急事態宣言を出し、今年のゴールデンウイークには「オンライン帰省」をするよう国民に呼びかけました。今では家族同士がビデオチャットのアプリを使用して週末にオンラインで集まっています。プロのアスリートやトレーナーは自宅から毎日のエクササイズをストリーミング配信して、人々の健康的な活動を応援しています。教師はさまざまなテクノロジーツールを取り入れ、講義をライブ配信したり、動画セッションをアップロードして、ホワイトボードを使用した授業を生徒に提供しています。4月から可能になった医師による遠隔診療の活用が広がる中、医療分野では通信接続のテクノロジーが患者と医療従事者にとってより重要な役割を果たすようになっています。
米国アイダホ州ボイシで精神科医の助手を務めるコートニー・クーム氏は、COVID-19パンデミックの間、患者の診療を100%遠隔に切り替えただけでなく、2歳の娘の誕生日パーティーもビデオ通話で行いました。「直接会っての誕生日パーティーを開催できないことは、娘よりも祖父母にとって辛いものでした。」
クーム氏にとって大事だったのは、娘のために特別な体験を作り出すことでした。親戚はコンピュータ―画面を通してのみの参加でしたが、飾り付け、バースデーケーキ、プレゼントは通常行う誕生日パーティーと変わりません。「娘は2歳の誕生日パーティーのことは覚えていないでしょう」とクーム氏は説明を続けます。「それでも私たちは、ビデオ通話を通して家族で歌った『ハッピーバースデー』を録画しましたし、娘が後から見返せるようたくさんの写真も撮りました。このようなオンラインのパーティーを簡単に実施できるテクノロジーは本当に素晴らしいと思います。」
エクササイズのコーチは、生徒の居場所に関係なく、仮想テクノロジーを使用してつながり、指導できます。マイクロンのチームメンバーの1人であり、グループ エクササイズ インストラクターの国家資格を持つノエル・リヨン氏は、バーチャルレッスンを行えることは生徒にとって大きなメリットがあると話しています。
「すべての生徒はルーティーンのエクササイズを自分一人で行うのではなく、誰かの指導のもとで行いたいのだと思います」とリヨン氏は語りました。「オンラインでのレッスンはこれまでとは異なるものでしたが、楽しかったです。通常のようにクラスでレッスンをして、時々、参加者からの意見を聞いたりもします。デジタル サイバースペースを通して仲間意識を感じられるのは気持ちの良いものです。」
ミュージシャンはソーシャルメディアをバーチャルのコンサート会場に変えました。そして音楽は人々の気分を高めてくれることや、実際のコンサートでは不可能な方法でつながり合えることを気付かせてくれました。歌手、作曲家、そしてドラマーであるペンシルバニア州在住のジョージ・フラブ氏は延期されたツアーの代わりにライブストリーミングによる演奏を始めました。従来のコンサートでは聴衆とアーティストは物理的な壁や警備員により分離されていましたが、フラブ氏はこの関係性が大きく変わったと感じました。ファンからのメッセージをリアルタイムで読むことができるとわかり「親密感を感じることができます」と話しています。
住み慣れた我が家での生活を望む単身高齢者にとって、大切な人たちと簡単につながることができ、遠隔医療による治療も利用できるテクノロジーは大きな恩恵です。多くの高齢者がソーシャルメディア、メッセージサービス、ビデオ通話を使用して、現在の困難な状況の中でも欠かせない人とのつながりを保っています。また、医療施設へ足を運ぶことなく医師からの幅広い医療サービスを受けるため、遠隔医療を活用し始める高齢者も増加しています。
テクノロジーの加速が可能にするもの
孤独な時でも常につながり関わりを持つという上記の例はすべて、たった5年前には存在していなかったテクノロジーにより実現しました。まだスマートフォンがなく、ビデオチャットは画像が粗く基本的な機能のみで、オンラインサービスが開始されたばかりであった2005年にCOVID-19パンデミックが起きていたら、この隔離された生活はどのようになっていたことでしょう。2005年当時は、世界の携帯電話ネットワークには3Gが使用され、携帯電話には音声通話以外の機能はほとんどありませんでした。
ダウンロード速度が4Gの100倍(3Gの約500倍)速いと言われる第5世代移動通信システム、5Gの展開により、これまで以上に接続性と帯域幅が必要とされる時代の通信パフォーマンスは飛躍的に向上します。
「ステイホーム」がネットワークにどのような影響を及ぼしているのか、日本有数の大手通信サービス企業であるNTTコミュニケーションズの統計データを見てみましょう。同社によると、4月19日と非常事態宣言が出される前で新型コロナウイルス感染症の影響がそれほど顕著ではなかった2月25日のデータを比較すると、平日の日中(午前9時~午後5時)のインターネットトラフィックは最大で39%増加しました。1
ネットワークトラフィックの劇的な増加を受けて、インターネットサービスプロバイダーからデータセンターのインフラ企業にいたるまで、情報通信産業はトラフィックの急増と使用パターンの変化に対応できるよう、さらなる容量とエンジニアリングリソースが必要です。最終的にユーザーデータ量は世界中で爆発的に増加し、パフォーマンスへの障害なしにデータを保存や移動させるにはネットワークに負荷がかかります。
メモリとストレージの役割拡大
世界中で大量のデータを効率的に送信し続けるには、クラウドサーバーとサーバー同士をつなげるネットワークに大量のメモリが必要です。最近のクラウドサービスでは、実質上無限のメモリを確保して、ビデオストリーミング、オーディオストリーミング、ライブストリーミングへの急増するニーズを満たしています。新しく有望なテクノロジー(AIや仮想現実など)がデータセンターや個人の機器でもますます普及するにつれて、メモリの必要性はクラウドでもエッジでも増大する一方です。
質の高いユーザーエクスペリエンスを継続的に提供していくには、接続アプリケーションにクラウドとインテリジェントエッジの両方を組み合わせ、大量のデータをリアルタイムで処理する必要があります。5Gの使用でユーザーのデバイスから生成されるデータ量は加速的に増加するため、さらに多くのデータを効率的に保存、移動、処理、保護する必要があります。
マイクロンは、これまで長期間にわたりメモリおよびストレージ技術の最前線をリードし、パワフルな高速DRAMメモリチップや大容量NANDフラッシュメモリ、革新的な3D Xpoint™テクノロジーで、今もその地位を維持しています。メモリにおける革新とエンジニアリングに関する専門知識を顧客やパートナーに提供し、世界中の5G接続の維持に全力で取り組んでいます。
家にいてもドアの外の世界と関わり合うためのサポートを、マイクロンは得意とするメモリテクノロジーの分野でしっかりと支えています。大切な人に直接会うことができない時でも、テクノロジーはもう1つの目や耳となり、つながりを強め、不安を和らげてくれることでしょう。
詳しくは、micron.com/5gmemoryをご覧ください
1 出典:NTTコミュニケーションズ株式会社「インターネットトラフィック(通信量)推移データ(4月21日公開分)」より