インテリジェンス・オブ・ザ・エッジ

泥棒を捕まえるには: 警備ロボットはどのように私たちの暮らしを守るのだろうか

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かわいそうな警備員。刑務所や混雑したショッピングモールなど人の多い環境では、一度に随所に警備員を配置する必要があります。 また、人気のない倉庫の夜勤などの孤独な環境下においては、警戒心を持続しつづけることに苦労するかもしれません。

警備ロボットにはこうした問題がありません。警備ロボットは、疲れたり退屈したりすることなく働く人工知能と、見るものすべてを放送するストリーミングビデオを備え、どんな現場にでも人を連れていくことができます。

店、職場、刑務所、学校は変革を遂げつつあり、やがては家庭もそうなるでしょう。人工知能、ストリーミングビデオ、その他のコネクテッドテクノロジーにより、24時間働くことができて、暗闇でもものが見え、文字通り頭の後ろに目がある警備員が登場しつつあります。

監視用ロボットの活用はごく最近のトレンドであり、世界中の倉庫、ショッピングモール、刑務所、オフィスビル、ガソリンスタンドなどで増えてきています。 その市場は、米国だけでも2018年に21億1,000万ドルに達し、ある報告によると、2024年までには33億3,000万ドルに達すると予想されています。

「1人の警備員が監視できる場所は限られています」とNimbo監視ロボットを販売しているTuring Video社の事業開発担当副社長、Thomas Stoker氏は言います。「ロボットを利用すれば、監視範囲が広がります。また、退屈な仕事はロボットに任せて、警備員はより重要な任務を遂行することができます。

「テクノロジーによって人間がより人間らしく過ごすことが可能になります。」

技術の収束

急速に普及しつつある警備ロボットは、ショッピングモール、倉庫、駐車場、病院、銀行、企業構内、空港、および少なくとも1つのガソリンスタンド、その他の場所で警備を行っています。 警備ロボットは、通過する車のナンバープレートをスキャンする固定ボットから、四輪のオフロード車までのモビリティの分野まで広がっています。

警備ロボットは様々なコネクテッドテクノロジーを利用して、パトロール、通信、文書作成、さらには侵入者の追跡まで行います。 LIDAR(Light Detection and Ranging:レーザー画像検出と測距)、ビデオ撮影と写真撮影、人工知能と機械学習、Simultaneous Location and Mapping(SLAM)、センサー、IoT(モノのインターネット)、GPSなど、このデジタル警備員は警備に必要なあらゆる機能を搭載しています。

警備ロボットは、ビデオカメラが常時オンになっていて、ほとんど雄牛並みの速さで走ることができます。 たとえば、Turing Video社のロボット「Nimbo」は、パーソナルトランスポーテーション企業のSegwayがボディを製造し、緊急追跡する人間の警備員を時速12マイルの回転速度で最大2時間、輸送することができます。

仕事内容によっては人間よりもロボットの警備の方が優れている部分があり、それを心配する向きもあります。 ロボットは完全に人に取って代わるのか? Stoker氏は、そうはならないと予測しています。セキュリティカメラや高度なAI警備ロボットなど、どのようなセキュリティデバイスを利用しようとも、それは人間との共生関係の中で働くように設計された、いわば警備員のツールベルトの中の新しいツールなのです。

「必ず人が関与していくでしょう。」とStoker氏は言います。

警備ロボットが働く仕組み

警備ロボットを稼働させるためには、その機械がどこでどのように動作するかを定める戦略とパラメーターを人が作成します。

ロボットはAIや画像認識ソフトウェアの助けを借りて、巡回する場所を探索します。 また、おそらく回転型のLIDAR(Light Detection and Ranging:レーザー画像検出と測距)センサーを使用して、室内のすべての物体を含む部屋の周辺の地図を作成します。

「テクノロジーによって人間がより人間らしく過ごすことが可能になります。」

人間の警備員がその地図上で巡回する箇所を選択し、ロボットは継続的にスキャンしながら反復的に各地点を巡回します。 ロボットは、LIDARとビデオカメラのほか、サーマルカメラを使用して、自身とそれを監視する人が暗闇の中でもものが見えるようにすることができます。

パトロール中、ロボットはAIと機械学習アルゴリズムを利用して、見るものすべてにラベルを付けます。 AIデータベースと画像認識ソフトウェアは発展を続け、動物、乗り物、人間、さらには特定の顔などにまで認識の対象を広げています。

「人工知能は見ているものがネズミではなく人であることを認識しています」とStoker氏は言います。

防犯のパートナー

メーカーやモデルによって違いはありますが、これらの回転式巡回監視ロボットは、何らかの種類のAIを利用しています。 ロボットが侵入者やその他の異常を発見した場合、集中セキュリティセンターや監視中の警備員にアラートを送ります。それを受け、状況を即座に確認し、リモートで疑わしい人に対面することができます。 この機能は、たとえば、夜間に巡回する何の罪もない管理人を発見し、誤報によって警察を呼ぶことを防ぐために設計されています。

誤報は高い代償を伴う可能性があるとStoker氏は言います。 警察、消防、その他の緊急対応では、呼び出しが一定回数を超えると料金を請求されやすくなります。 呼び出しがいつまでも続くと、全く対応してくれなくなる場合もあります。 そうなると保険料が急に上がります。

AIは人間の警備員が警報にどう対応するかを判断するためにも役立ちます。 AIが提示する提案や代替案を参考にして、侵入者にとっさの質問をしたり、ズームインして詳しく見たり、別の警備員を呼び出したり、サイレンやアラームを作動させたり、建物の管理者を呼び出したり、警察に通報したりすることができます。 事後に、これらのデバイスによって収集されたすべてのデータを確認したり、法的処置のための証拠として利用したりすることができます。

「無限の可能性」

この技術は、特に24時間体制で警備員を雇う余裕がない中堅企業にとっては有望であるように思われますが、ロボットの警備はまだ完璧ではありません。

  • 屋外での監視は難しい場合があります。 LIDARが監視エリアの地図を作成するには、信号を跳ね返す壁が必要です。こうした境界がなければ、ロボットは屋外のスペースを無限とみなします。
  • 小さいロボットでは車やトラックから見えにくく、駐車場のパトロールには適さない場合があります。 高価なロボット機器は、丈夫ではあるかもしれませんが、ドライバーが不注意だった場合、4インチリフトキットを備えたトラックにはかないません。
  • ロボットは階段を上ることができますが、設計上、セキュリティに関するマイナス要素が伴うため、複数階ある空間では複数のロボットが必要になる場合があります。
  • 人間はロボットに疑いや敵意を持ち、場合によっては攻撃さえする傾向があります。

やがて、ロボットによる警備の様々な制限はほぼ確実に解決され、新しい機能が登場するだろうとStoker氏は述べています。 新しい機能としては、次のようなものが考えられます。

  • 要望に応じて、または自律的に緊急対応を求める。
  • 従業員を車まで案内する。これは特に夜遅くまで働く人にとって有用な機能です。
  • 特に夜間や住人が不在のときなどに、個々の家庭を警備する。
  • 漏電や配線ホットスポットなどの危険を検出する。

隠れた手:メモリ

ロボット監視の背後にあるテクノロジーの改良をロボットメーカーが進めていくとともに、巡回監視を実現するライブストリーミングビデオ、人工知能その他の機能にとって既に不可欠となっているメモリやストレージは、今後も重要性を増していくでしょう。

たとえば、シームレスで連続的なビデオストリーミングには、現在の2車線道路のようなデータ通信とは比較にならない広帯域幅によって真の情報スーパーハイウェイを実現する5Gセルラー技術が不可欠になるでしょう

これらのすべての情報は、録画のピクシレーションやギャップを引き起こす可能性のある「ボトルネック」を回避するために、より高速な処理が必要になります。 また、ビデオやその他の大容量ファイルに瞬時にアクセスするためスピードが重視される場合には、デバイス、取り外し可能なカードやドライブ、またはローカルコンピューターのマシンに近い「エッジ」に保存することが求められる場合があります。

多くの企業はエッジコンピューティングがもたらす機密性を好むと、マイクロンのインダストリアル/マルチマーケットセグメントマネージャーのTaufique Ahmedは指摘しています。

「人工知能は見ているものがネズミではなく人であることを認識しています」とStoker氏は言います。

監視ロボットがキャプチャするビデオには、倉庫やコンピュータールームなどの組織の極秘の場所が含まれる場合があります。 このデータをクラウドに保存することにビジネスリーダーは神経質になりがちです。ハッキングされたら困るというのです。

「ひとたびデータをクラウドに保存すると、誰かがそれを利用しようとする可能性があるという認識は依然として存在します」と Ahmedは言います。「これが監視システムのストレージをエッジに配置する理由の1つです。」

その結果、SoC(Systems on a Chip。システム全体のコンピューティングコンポーネントがひとつのチップに収まる。)で処理する画像が増大し続け、大量の領域を占めることになるとAhmedは指摘します。 DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)とオペレーティングストレージに対する需要は急速に増加しています。

マイクロンのmicroSDメモリカードは1テラバイトの膨大なデータを保存することができ、当社の最上位製品であるGDDR6をはじめとするDRAM製品は、一度に大量のデータを非常に高速に処理することができるため5GやAIなどのテクノロジーに適します。

監視ビデオのエッジストレージを念頭に置いて設計されたmicroSDカードには、警備ロボットの稼働に不可欠な継続的なビデオ録画を可能にする特別なファームウェアが含まれており、フレーム落ちやビデオロスを最小限に抑えます。 また、パスワードロック保護機能を用いて保存されたデータの機密を保護します。

より安全な世界

これらの新しい技術により、企業は物理的にも電子的にもセキュリティが向上し、また日常生活の快適性を高めることが可能になる、とStoker氏は言います。

「そんなことは意識すらしないかもしれませんが、ショッピングモールに警備ロボットがいるとわかっていれば、安心感が高まります。」Stoker氏はこう指摘し、 自宅では、昼間に音声アシスタントを務めるのと同じAIが夜間には警備員の役割を果たす可能性もあると言います。

「将来どうなるかは誰にもわかりません。」 とStoker氏は言います。 「でも、どうなるとしても、そこにはロボットの存在があります。」

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