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車載インフォテインメントシステムの発展(パート2)

マイクロンテクノロジー | 2019年3月

車内エンターテインメントは元々、地上波放送やCDなどの形式をとったハードコンテンツによるローカルメディアを中心に導入されてきました。最近では、衛星ラジオのような新しい放送媒体が登場し、オーディオ性能を強化、アップグレードしています。現在では、ナビゲーション、サービスポータル、コンシェルジュサービスなどの機能が統合されたことで、ベーシックなラジオは、個人のモバイル端末やクラウドベースのサービスプロバイダーと繋がる多機能情報プラットフォームへと進化しました。今日のIVIシステムは、マルチコアSoCを基にしたマルチタスクプラットフォームであり、以下のようなシステムアプリケーション機能を果たします。

  • ハード接続、USB、Bluetoothによって連動する地上波と衛星ラジオ、ローカルメディアを含むマルチメディア処理
  • GPS/GNSS/ジャイロデッドレコニングを含む内蔵ナビゲーション
  • ハンズフリー電話/通信
  • 車両機能のI/O制御(空調や環境設定など)
  • バックカメラの導入と表示
  • オーディオのポストプロセス
  • チューナー、GPS、ディスプレイ、USBなどの実用的な周辺機器の統合
  • 音声、接触、ディスプレイベースのやり取りを含むマルチモーダルHMI機能の管理

IVIプラットフォームには、低レベル車両インターフェース(CAN/LINなど)、車両接触制御、電力管理、起動などを処理するコンパニオンMCUもあります。パッケージングとしては、内部のレイアウトに応じて関連ディスプレイと一体化するか、ディスプレイ横に配置される単一モジュール内に入れ、通常はIPキャビティの中央に配置されます。IVIプラットフォームの主な特徴は以下の通りです。

  • マルチコアアプリケーションプロセッサー 
    • 2~4コア、一般的にArm Cortex®(A9、A15など)1~1.2GHz
    • GPU
    • DSP
    • 動画用ハードウェアアクセラレーター
  • GPS/GNSSを含むWi-Fi/Bluetoothペリフェラル
  • アナログおよびデジタル地上波チューナー(AM/FM/DAB/HD/アンテナまたはチューナーダイバーシティ)
  • データサービスを含むSDARSレシーバー
  • USB 3.0インターフェイス、充電およびロールリバーサル
  • Apple®認証
  • バックカメラインターフェース(一般的にLVDSまたはFPDリンク)
  • ディスプレイインターフェース(最大1080P、一般的にFPDリンクまたはGMSL)
  • タッチスクリーンインターフェース
  • HDMI(任意)
  • パワーアンプ、拡張メディアバス(A2Bなど)を含むオーディオ周辺機器
  • イーサネット(任意)
一般的なIVIプラットフォーム図 図1:一般的なIVIプラットフォーム

一般的なIVIプラットフォームのメモリ要件は以下の通りです。

  • 不揮発性メモリ(ナビゲーションおよび音声データベースに応じて32~64GBのeMMC)
  • DRAM(2~4GB、通常はDDR3 – 1066)
  • メディア更新用の補助SDカード(必要に応じて)

ソフトウェア環境はOSベースであり、図2のようにまとめられます。一般的に、HMIレイヤーはツールベースです。

OSベースのソフトウェア環境図 図2:IVIソフトウェア環境

現在の基本的な無線通信はコックピットドメインコントローラに進化を遂げ、ドライバー情報をクラスターに接続し、ハプティクス、ジェスチャー認識、AIによる音声認識といったヒューマンマシンインターフェイス(HMI)を強化したヘッドアップディスプレイを追加しています。パート3では、コックピットドメインコントローラについてお話しします。