自動運転車が普及するのはまだ先のことでしょうが、今年のコンシューマーエレクトロニクスショー(CES)での発表を見ると、レベル5の自動運転の実現に欠かせないADAS機能と関連テクノロジーの展開が加速していることがわかります。特に話題を集めたのは、ADASの新カテゴリーとして複数のベンダーが発表した「レベル2+」でした。レベル5の自動運転に欠かせない、人命を救うための主な機能の多くを大量生産に適した価格帯で提供するのがレベル2+です。レベル2+が目指すのは、高速道路での渋滞など、人間でも事故を回避できない可能性がある状況での運転に対処することです。
また、CESでレベル2+が話題になったといっても、完全な自動運転であるレベル5の機能という目標実現に向けてフォーカスしやすくなったということではありません。主な自動車OEM(相手先商標製造会社)の多くは、来る2020年のオリンピックでレベル5の自動運転車を実際に走らせることを視野に入れ、その意向を引き続き表明しています。半導体業界は、この分野に対応するために必要な、極めて高いコンピュートパフォーマンスを備えた製品を継続的に投入することで、レベル5の機能を支えるための関連テクノロジーの要求に応えてきました。
Achronix Semiconductorは先日発表したホワイトペーパーで、自動運転車のニーズに対応するSpeedcore eFPGAの最新ラインナップの機能を紹介しています。「Speedcore eFPGAを使用して自動運転車両システムの電力、パフォーマンス、コスト要求を満たす方法」と題するこのホワイトペーパーでは、自動運転分野に取り組む際の課題と、その課題に対応するための組み込み型FPGA(eFPGA)製品やスタンドアロンFPGA製品ならではのメリットを明らかにしています。このホワイトペーパーとそれに関連する製品機能の中心は、自動運転に関する広範な計算要件に対応するための「速度の必要性」です。
AIの活用による飛躍的な進歩は自動運転車という長期ビジョンを実現する鍵ですが、その基盤となる動的ニューラルネットワーク(DNN)を支えるために必要なパフォーマンスは、50テラフロップスを大幅に上回るコンピューティングレベルに相当します。とはいえ、Achronixの次世代FPGAファミリーであれば、この課題に対応することは難しくないでしょう。このレベルのシステムパフォーマンスを実現するにはコンピュートパイプラインを常に満たしておくことが不可欠であり、それが業界最高パフォーマンスを誇るメモリテクノロジーであるGDDR6を採用する多くの理由の1つです。車載用GDDR6の導入は、AIのコンピュートパイプラインがストールしないようにするために欠かせないメモリ帯域幅をもたらし、レベル5に至る高レベルの自動運転実現に必要なAIコンピュートパフォーマンスを提供する革新的なテクノロジーであることがわかっています。Achronixの次世代FPGAデバイスはGDDR6を使用することにより、実用的なフットプリントで合計4TB/sのメモリ帯域幅に対応できます。このフットプリントであれば、非常に要求の厳しい車載アプリケーションや車載環境に容易に導入できます。
42パーセントを超える市場シェアがあり、自動車市場における28年の実績があるマイクロンは、自動運転車というビジョンの実現に欠かせない車載用GDDR6の提供を発表し、業界でリーダーシップを発揮しています。GDDR6などのメモリテクノロジーにおけるマイクロンのリーダーシップが、Achronixのような大手SoCサプライヤーとともに、自動車市場の未来を形作る上で大きな影響を持つことは明らかです。
マイクロンのGDDR6について詳しくは、https://www.micron.com/products/graphics-memoryをご覧ください。