金曜日の朝、目覚ましが鳴る―出勤してコーヒーを淹れ、自分のブースに着くといういつもの日常が待っていました。でも今日は、何かが私の耳元でささやいたのです。15cmのサラサラの新雪が積もった4月の山々からの誘惑の声でした。コースの先には踏み跡のないきれいな斜面が待っています。
そこで私は、仕事着ではなくスノーパンツと雪靴に素早く着替え、スキー板を手に取りました。期待で心臓がドキドキしています。パウダーレポートによると、夢のようなコンディションが確実とのこと。オフィスもこのブログを書くことも後回しにできます。今朝はゲレンデを思いのままに滑走したい気分でした。
ターンを刻むたびに雪に思い出を描きながら森の中を駆け抜け、今シーズンはこういう日があまりに少なかったし、今私はやるべきことをやっているのだと気付きました。ひっきりなしに飛び交うメールやスプレッドシートの存在は、滑りながらスキー板の下から聞こえるシュッという音で掻き消されました。
制限を設けることは、セルフケアを実践することでもあります。業務に集中できる時間を作り出すことも、決まった時間の後はテクノロジーを排除することも、エネルギーが奪われる責任を断ることも、境界が大切です。キャリアアップを図ることは、自分が夢中になれるものを追求しながらでもできることを皆さんに知ってもらいたいと思います。
目まぐるしいスピードで進化していくテクノロジー業界では、自由気ままに行動することのメリットが忘れられがちです。そびえ立つ松の木々や山の新鮮な空気に囲まれたこの場所にいると、清々しい気分になりました。スキーリフトの下や森の奥から聞こえてくる鳥の鳴き声につられて、私も思わず笑顔で一緒に鳴きを真似してしまいました。
ですから、このブログをご覧の皆さん、終わりの見えない仕事と4月でも満喫できるパウダースノーの両立を楽しみませんか? なぜなら、慣習を打ち破る決断が最善の決断になることもあるのですから。今朝の私の選択は明確でした。出勤せずに、15cmのパウダースノーでスキーを楽しんだのです。
リーダーの皆さんに忠告です。ワークライフバランスは単なるバズワードではありません。ただ振り回すだけでなく、リーダーの皆さんがしっかり握るべきバトンなのです。自分個人の幸せへの投資は大切だということを、ご自身のチームに教えてあげてください。舞台を会社から雪上に移してみると、「自分の幸せを優先することは弱さではなく、賢さである」という力強いメッセージが生まれます。行動はどんなパワーポイント資料よりも深い共感を得られます。ですから、ゲレンデを演壇にしましょう、そして雪上の足跡で物語を紡ぎましょう。