今日、私たちはスマートフォンを個人的なパートナーとして、情報の確認手段として、ニュースやエンターテインメントを楽しむ手段として、いつでもどこでも使用するようになりました。スマートフォンの機能はそれだけではありません。私たちの好みや習慣、さらには次第に感情や日課など私たちのことを理解し、ニーズを予測して生活をより効率的で楽しいものにしてくれます。こうした機能は、機械学習(ML)とも呼ばれます。
スマートフォンが個人データからの推論でできることの例として、交通状況に応じた最速の帰宅ルートの計算や、好みとその日のカロリー摂取量に基づいた夕食の注文、玄関に足を踏み入れる前の照明点灯と室温調整も行うことが挙げられます。今日、人工知能 (AI)を利用したこのような高度なユースケースが一般的になることが、モバイルエコシステムにおけるイノベーションの原動力となっています。
AIソフトウェアにおけるイノベーションと歩調を合わせて、スマートフォン向けの次世代ハードウェア性能とフォームファクタが登場しています。主力スマートフォンは優れたエンドユーザーエクスペリエンスを提供し、デバイスのメーカーは複数のカメラや高解像度アクティブマトリックスOLED(AMOLED)ディスプレイ、先進的なセンサー、強力なプロセッサー、超高速充電などの機能セットを優先しています。複数のアプリケーションをシームレスかつ同時に操作できる折りたたみ式スマートフォンなどのフォームファクタが広く採用されるようになり、PCのような機能がもたらされています。Spotifyでお気に入りのプレイリストを聞きながら、世界中の友人とお気に入りのストリーミングゲームをプレイしつつ、同僚とランチの待ち合わせ場所を確認するというように全てを同時にできるのです。こうした次世代のユースケースには、高帯域幅、低遅延、大容量の組み込みメモリとストレージが必要となります。ここでマイクロンの価値が発揮されるのです。世界をリードするスマートフォンメーカーに対し、スマートフォン向けに設計されたクラス最高のメモリとストレージソリューション1を提供することで、そうした価値を実現していきます。
AIとモバイルイノベーションへの期待を実現するため、マイクロンは主力スマートフォン向けに業界クラス最高のUFS 4.0埋め込みフラッシュストレージを開発しました。UFS 4.0は、モバイル向けの革新的なフラッシュストレージソリューションにおけるマイクロンの主力ポートフォリオの中核を担っています。最大1TBの容量が利用可能で、スマートフォンに最大25万枚のHD写真を保存することができます。残り容量を心配する必要性は、以前ほど切迫したものではなくなりました。U最新のコントローラと高度に設定可能なファームウェアアーキテクチャーでUFS 4.0を設計しているため、パートナー企業は供給と品質に完全な信頼を置くことができます。
数字が物語るパフォーマンス
Micron UFS 4.0は、主力スマートフォンに最高のエンドユーザーエクスペリエンスを提供するために重要なNANDベンチマークにおいて、優れたパフォーマンスを発揮します。これらは全て、マイクロンの232層3D NANDと、垂直統合されたコントローラとファームウェアによって可能となっています。
シーケンシャル読み取りで4,300メガバイト/秒(MBps)、シーケンシャル書き込みで4,000MBpsという速度を実現しており、前世代のUFS 3.1規格の2倍の性能となっています。読み取りと書き込みの速度における大幅な向上に加え、書き込みレイテンシーは競合製品と比べて10%改善されており、アプリのダウンロード時や起動時に、より応答性の高いパフォーマンスを体験できます。4Kのストリーミングコンテンツ2時間分を15秒未満でダウンロードすることが可能です。これは従来の2倍の速さです。2 飛行機に搭乗する直前のことを想像してみてください。お気に入りのストリーミングコンテンツ2時間分をたったの15秒でダウンロードできるのです。
バッテリー駆動:充電の時間は減らし、使用時間を増やす
スマートフォン上でお気に入りのアプリ、写真、動画を高速ダウンロードしてアクセスできることは重要です。しかし、極めて重要なことは、それを一日中行えるバッテリーの駆動時間でしょう。実際に、消費者が持つ主要な不満として、スマートフォンをもっと使いたいのに充電を気にしなければならないという点があります。マイクロンのUFS 4.0は、前世代のUFS電力効率が25%改善しています。そのため、お気に入りの高帯域幅AIアプリを使用したり、ソーシャルメディアアプリで何時間もスクロールしたりしても、長時間充電せずにスマートフォンで楽しむことができます。
豊かな遺産を持つテクノロジーイノベーション
512GBと1TBのUFS 4.0埋め込みストレージソリューションは、6プレーンのアーキテクチャーを備えたマイクロンの高度な232層3D NANDを使用して設計されていることで、ランダム読み取りスループットが大幅に向上しています。 高度な6プレーンのアーキテクチャーにより応答性が改善されたことで、エンドユーザーは全体的によりシームレスなスマートフォン体験を得ることができ、より高速にアプリケーションの読み込みを行えます。
また、カスタム設計されたコントローラが搭載されていることで、フラッシュストレージのコンポーネント、 NANDコントローラとファームウェア間の相乗効果が高められ、クラス最高のパフォーマンスを発揮する最終製品を実現することができます。
私たちは、お客様へさらに多くの価値を提供するため、独自開発のファームウェア機能も設計・開発しました。マイクロンのUFS 4.0には、デバイス上のバックグランドにおけるガベージコレクションを減らすデータストリーム分割(DSS)、デバイスのデフラグを使用して読み取りパフォーマンスを改善するオートマチックリードバースト(ARB)、シグナルインテグリティツールであるデータアイモニタリングが搭載されています。マイクロンは、常に革新を続け、業界標準を超える新たなファームウェア機能を作り上げることで、固有のニーズに基づいてお客様の期待を上回ることを目指しています。
顧客第一:差異化された価値を持つクラス最高のソリューションの提供
マイクロンの製品は高速であり、スマートフォンのバッテリー駆動をより効率化することができます。しかし、マイクロンが提供するのは性能や速度だけではありません。
マイクロンは、モバイルエコシステムが抱えるニーズを深く理解した上で主力スマートフォン向けメモリとストレージソリューションを開発しています。モバイルユースケースにおけるミクロおよびマクロトレンドを分析し、その結果を基にしてお客様向けに将来のユースケースやソリューションを予測しています。マイクロンのラボでは、エンドユーザーの行動の内容、タイミング、方法、その他の細かい点を調査し、標準的な仕様の要求を超えるメモリとストレージソリューションの開発に取り組んでいます。
モバイルユースケースにおけるAIイノベーションは勢いを増しており、新たなアプリケーションを生み出しています。そのなかには、私たちが既にスマートフォンを通じて体験したものもあるでしょう。スマートフォン内のニューラルネットワークは、常にオンの状態であり、私たちの操作パターンを収集、分析、学習して、豊かなエンドユーザーエクスペリエンスを提供しています。 エンドユーザーは、自然言語の翻訳とモデリング、コンピュテーショナルフォトグラフィ、コンピュテーショナルビデオ、パーソナライズされた推奨事項を提供するためのコンテキストデータの収集といったアウトプットを通じて、AIのメリットを享受することになるでしょう。
スマートフォン内のAIエンジンにデータを提供し、エッジ上で膨大なデータフローを処理して洞察を得たり予測を行ったりする際には、その裏で多くのことが起こっています。これらの処理をスマートフォン上で実行するためには、高帯域幅、低遅延、低消費電力のメモリに加えて、超高速で大容量の埋め込みフラッシュストレージが不可欠です。スマートフォン内に埋め込みメモリとストレージの組み合わせを搭載することにより、AIエンジンは絶え間ないデータフローに対応し、将来のユースケースを可能にすることができます。手元のスマートフォンを使用する際に、そうした恩恵を実感することができるようになるでしょう。
Micron UFS 4.0は、モバイル向けの次世代5GおよびAI対応アプリとユーザーエクスペリエンスで革新を起こす支援に最適です。マイクロンは、主要なモバイル機器メーカーやチップセットベンダー向けにUFS 4.0ストレージソリューションの出荷を開始し、年内後半には大量生産を開始する予定です。Micron UFSについての詳細は、こちらのインフォグラフィックとマイクロンのUFSページをご覧ください。
1 マイクロンのラボで実施したベンチマークテストにおいて、公開されている競合他社のUFS 4.0製品と性能の比較を行った結果です
2 前世代のUFS 3.1 176層NANDと比較を行った結果です