拡張現実(AR)とバーチャルリアリティ(VR)市場セグメントは、少なくともいくつかの側面で印象の問題があります。ARやVRについて言及があったとき、聞き手がすぐに娯楽用の用途を思い浮かべる可能性は高いでしょう。友人同士がモバイルフォンで仮想スカベンジャーハントを行う、あるいはヘッドセットを使用したゲーマーが仮想的にメタバースを征服するなどを考えてください。
これらの用途は現実にありますが、さらに多くの可能性があるのです。ますます、現実の生産的なビジネスユースケースが、XR(エクステンデッドリアリティ)によって強化されています。実際に、Sphereへの投資は、マイクロンが製造現場で解決したかった現実の問題から生じたものでした。
Sphereとのパートナーシップの理由
パンデミック以前、マイクロンのスマートマニュファクチャリング組織は、特にARおよび複合現実のアプローチを使用した、労働生産性ソリューションの評価を行っていました。可能なソリューションを探した一方で、マイクロンベンチャーズがこの市場分野に関して持っている広範な情報についても認識していました。最初の接触の後、協力してマイクロンのニーズを満たし、将来にわたる成功が見込める企業と革新的なソリューションを厳密に選別していきました。
半導体製造事業固有の課題に対応するための理想的なパートナーとしてShpereを選ぶには、徹底的・集中的な取り組みが必要でした。徹底的な選定プロセスには、最高のテクノロジー、堅牢性、ロードマップ、コストを求めた、複数のソフトウェアソリューションの評価が含まれました。Sphereはポイントプロダクトだけでなく、今後5~10年のビジョンを有しています。運用、拡大、セキュリティのニーズに応じるための変化し続けるロードマップを作成しています。
コラボレーションの結果
Sphereと数か月にわたってソリューションに関するコラボレーションを行い、素晴らしい結果が得られました。現在拡張計画を考えているほどです。現在運用されている、当初の実装内容は、リモートエキスパートアシスタンスシステムです。Sphereは、「すぐ後ろから見ているような」レベルのバーチャルサポートを提供しており、ツールダウンタイムを大幅に削減しました。プロジェクトの開始以降、チームは約3,000時間のマシンダウンタイムを防ぐことができたと推定しています。COVID-19のために出張が制限されていたので役立ちましたが、それだけではなく、機器パートナーから外部のノウハウ、または姉妹サイトの内部のノウハウが必要となるような、複雑なトラブルシューティングツールに関する防御の第一線になります。
現在、ARアシストオペレーションとメンテナンス手順に関して、パイロット段階にあります。初期の結果は、メンテナンス活動のエラーの減少を示しており、大規模で高価な機械の効率を上げることが可能になります。これ以外に、建設チームと協力し、このテクノロジーを使用して、ファブ建設中の変更指示を減らしてコスト効率を高める取り組みを評価しました。
Sphereのソリューションの魅力
Sphereのソリューションが非常に具体的で、魅力的な理由は主に3つあります。
- セキュリティ - マイクロンは、いくつかの最先端のベンダーが提供する機器を使用しており、プロセスが大きくカスタマイズされています。あらゆるファブのビデオは、私たちの内部セキュリティ標準を満たす必要があります。たとえば、Sphereの機能「バーチャルカーテン」は、すべての関係者の機密性を維持することを容易にします。すべてのSphereのサービスをマイクロンのプライベートクラウドに移行してホストし、さらにリスクを低減していきます。
- 完全性 - Sphereは、「静的」ワークフローではないARソリューションを提供しています。堅牢なマシンビジョン、またはその空間の機械を「見る」ことを可能にし、異常検出を実施して廃棄を減らすことができます。
- エコシステム - Sphereは、素晴らしいエコシステムを構築しました。その結果、Sphereのソリューションは顧客のニーズを満たすために幅広い一連の機能を可能にします。たとえば、数千の標準操作手順(SOP)を手動ではなく、自動でARフォーマットに変換できる機能です。Sphereは他にも魅力的な点があります。
Sphereは、別の形でもユニークです。投資家として、マイクロンは堅牢なテクノロジーだけではなく、はっきりとした顧客の信頼感も考慮します。Sphereの場合、マイクロンのスマートマニュファクチャリングチームおよび他の顧客からそれを確認できました。Sphereは、他と比べて際立つ、魅力的な市場分野に属しています。そのため、マイクロンがその戦略にかかわることが重要でした。
マイクロンベンチャーズチームは、Sphereが重要市場セグメントに注力し、テクノロジー、パフォーマンス、価格に関して最も強力で、最も直感的なソフトウェアプラットフォームを提供していることを認識しました。短期間に、限定されたリソースで、Sphereは卓越したプロダクトマーケットフィットを実現しました。業界をリードするエンタープライズ顧客を数多く有しており、既存の顧客のサービス拡張から、新たな顧客の獲得まで、数多くの機会が存在しています。
投資家として、そして顧客として、マイクロンにとって最も魅力的だった属性の一部を紹介します。
- ソリューションパートナーがプラットフォームを変更することなく、機能をシームレスに切り替えることができることを含めた、複数のユースケースに対応する単一の包括的プラットフォーム。
- 最新世代のハードウェアの空間コンピューティング能力を反映する、将来に向けた製品ロードマップ。
- 複合現実デバイス向けにレンダリングするために顧客データ(CAD、3D)のインポートするための3Dアセットパイプライン。
- デジタルコラボレーションおよび複合現実ベースのインタラクションへの対応。
- 複合現実による、現実のサイズのモデルの検査。
- 一般的なエンタープライズリソース計画(ERP)システムに統合できるハードウェアに依存しないソリューション。
ARとVRの世界にとって、ワクワクする時代になりました。注目を集める「メタバース」エクスペリエンスに関連する面白い機会について考えると、引き付けられます。しかし、エンタープライズメタバースは、現実のビジネス機会を多く伴って既に存在するのです。この興味深いコラボレーションは、将来のビジョンが、現在にどのような影響を与えるか、という明確で有意義なレッスンをもたらしました。