Micron Venturesでは、マイクロンが苦労して獲得した資金を初期段階のテクノロジースタートアップ企業に投資しています。マイクロンの従業員は、マイクロンについてひとことで問いかけられることがよくあります。「それはなぜですか?」
Micron Venturesの2人のディレクターが、2022年に向けてスタートアップ企業の世界でどのようなテクノロジートレンドが生まれるか、そして、2022年以降のテクノロジーの世界に影響を与える可能性があるトレンドについて、見解を述べています。このブログのパート1では、G・ラダクリシュナンの展望を、パート2ではアンディ・バーンズの展望をご紹介します。
アンディが木を抱きしめるワイルドカード
パーソナライズされたエクスペリエンスとサステナビリティが、2022年も爆発的に拡大を続ける大きなトレンドになると、私は確信しています。どちらも良くも悪くもビジネスに大きな影響を与えます。
仕事とテクノロジーのインターフェースをパーソナライズする
ビデオ会議がなければ、過去2年間がどのようなものであったかを想像してみてください。
パンデミックは、世界のリモートワークへの移行を数十年加速させました。もう、後戻りはできません。大小の企業が、対面での作業の代わりに、画面、電話、VRヘッドセットなどのテクノロジーインターフェースを採用しています。Micron Venturesは、新しい機能を市場に投入しているイノベーターに投資をして育成しています。最近の例をいくつか挙げてみましょう。
- Holo | oneのような会社は、拡張現実や複合現実を超えたコラボレーションを実現し、チームメンバーが海を越えて対面でやり取りする必要をなくしました。
- エンタープライズ人工知能(AI)のスタートアップ企業であるPryonは、瞬時に安全にデータを検索可能にすることに取り組んでいます。これにより、グローバルチームのメンバー間の情報フローが劇的に増加し、かつてないほど迅速にメンバー同士で複雑な意思決定ができようになります。
これらのデジタルコラボレーション ソリューションの鍵となる要素は、データと、データソースの可用性と多様性の向上です。デジタルワークプレイスのインターフェースと環境が整えられたことで、データが収集しやすく、使用しやすくなり、個人のパフォーマンスとチームや業務のパフォーマンスが向上しています。
ここで鍵となるのは、より効果的に定義すること、そしてテクノロジーと人間の行動を相互作用させることです。テクノロジーは、多様性に富むチーム(老若男女で構成されるチームや、米国・アジア・ヨーロッパに拠点を置くチームなど)を持つ会社に、相乗効果を生み出しながら新しいビジネス手法に適応する機会と課題をもたらします。
複数の新しいトレンドが出現すると、会社(マイクロンを含む)は、チームがいつ、どこで、どのように連携するかを根本的に考え直すことができるようになります。
- プロトタイプのリモートワーク概念は、大々的に導入するには数年から数十年かかると考えられていましたが、企業向け製品へと急速に進化したおかげで、小規模なチーム間でも柔軟に拡張しやすくなっています。たとえば、 GatherとHopinは、バーチャル会議やイベントを開催して世界の会社をつなぎ、新しいアイデアを共有することで、イノベーションを推進しています。
- エッジデバイスの演算能力は急速に進化しており、個人にさらなる超能力をもたらします。AIチップセットの進化に伴い、データを活用して業務を改善する新しいアプリケーションが爆発的に増えます。
物理的なワークスペースから、広範に使用されるデジタルワークスペースやバーチャルワークスペースへの移行に伴い、データの強度を大幅に向上させる必要が生じています。マイクロンは、この進化において中核的な役割を果たし、密度と消費電力を改善し、重要なメモリとストレージのパフォーマンスと容量を驚異的に向上させます。基礎となるテクノロジーとグローバル製造業のリーダーであるマイクロンは、コラボレーションによって新しいテクノロジーと使用モデルがどのような恩恵を受けるかを想像することができます。私たちは、幸運にも、Micron Venturesチームの一員として移行に関わることができます。そして、幸運にも、限界を最も押し広げているスタートアップ企業と関わることができます。
あらゆるもの、特に製造業を脱炭素化する
「グローバルに考え、ローカルに行動する」という言葉は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに直面して、新たな意味を帯びてきました。屋内避難の義務を遵守し、マスクを着用し、ワクチンを入手するなど、多くの人々が、人生で直面する最大級の戦いを勝ち抜くために、時には痛みを伴う方法で、日常の習慣を変えなければなりませんでした。
もちろん、パンデミックに対する世界的な対応は優先されなければなりません。しかし、地球の未来を拓くためにサステナビリティと気候変動への挑戦を忘れてはなりません。マイクロンは、排出量、エネルギー、水、廃棄物の4つの分野で、特定の長期的な環境サステナビリティ目標を採用しています。マイクロンのサステナビリティレポートで報告されているように、目標は、生産単位あたりの温室効果ガス(GHG)を、2030年度に2018年度レベルから75%削減すること、2025年度に米国で再生可能エネルギーを100%使用すること、2030年度に再利用、リサイクル、修復を通じて75%の節水を実現することです。私たちは、2030年度までに廃棄物の95%を再利用、リサイクル、回収、さらに有害廃棄物の埋め立て処理ゼロにすることに取り組んでいます。
Micron Venturesは、サステナビリティの課題に取り組むマイクロンのポジションを強化する上で積極的な役割を果たしています。過去18数か月間、Micron Venturesはマイクロンの製造、施設チームと協力して、マイクロンのサステナビリティへの移行を加速するのに役立つスタートアップ企業を特定してきました。では、私たちが獲得したいくつかの機会を紹介します。
- マイクロンは、Aquamembranesとコラボレーションして、業界向けに独自の膜スペーサーテクノロジーを製品化し、オンサイトの水処理におけるステップ関数のエネルギー効率の向上を実現しました。
- 私たちは、マイクロンと半導体業界のパートナーがともにスタートアップ企業の世界にアプローチし、目標を達成するために必要なテクノロジーを特定し、サポートし、拡張する、業界初のピッチイベントを開催しました。
マイクロンはサステナビリティの目標を早い段階から包括的に受け入れました。私たちは、明確な動機をもって、サステナブルな製造オペレーションへの移行に取り組んでいます。そして、マイクロンだけでなく、顧客、政治家、そして地球自体が賛同しています。しかしこの移行は非常に困難なものになるでしょう
気候変動に関する警報音は何十年も鳴り響いており、今は熱気を帯びています。地球温暖化の原因と原因を解決するのは容易ではありません。これには、よりクリーンなテクノロジーや多様な電力源などが必要です しかし、現在ではマイクロンをはじめ様々な会社が移行を推進しています。私たちはやり遂げます!
サステナビリティの目標を達成し、出来ればそれを超過達成するために、マイクロンと製造業の同業者が協力して、いくつかの先端テクノロジーのトレンドを導入しています。
- TurntideやElectric Hydrogenなどのスタートアップ企業は、従来の機械アーキテクチャーを完全に再考し、モーターと原材料の生産における産業効率を大幅に向上させようとしています。
- Verdigrisなどの会社は、建物や工場のデータを活用してエネルギー節約の機会を特定しています。
- 悪評の高い核融合技術でさえ、安全でスケーラブルな核融合炉をこの10年間市場に投入するために、Commonwealth Fusion Systemsが数十億ドルの資金を調達するなど、大きな後押しを受けています。
産業のサステナビリティ、つまり製造業の脱炭素化という考え方は現在あらゆるところで見られ、マイクロンのような製造会社は、短期的な変化を求める人々(顧客、政治家、地球など)の標的となっています。同意しない人もいるかもしれません、そして実現への道のりはまっすぐではなく、容易ではありません。しかし、それが大変革であることを否定することはできません。実現するために協力が必要なことを否定することはできません。
今は、テクノロジー分野で働くのに、またとない最高の時期です。