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自動車業界でGDDR6が高信頼性システムの設計とテストに貢献

アーロン・ボーヘム | 2018年4月

自動車産業は急速に発展しており、自動車の設計、製造、操作方法が大きく変化しつつあります。自動車の安全性が特に大きな影響を受けるのが、半導体テクノロジー関連の安全性と信頼性です。システムインテグレーターの課題は、過酷な車載環境で動作する信頼性を備えた堅牢なプラットフォームを構築することです。この過酷な環境で機能安全を確保することは譲れない条件です。また、車載仕様への準拠は当然のこととして、準拠しているだけでは十分ではありません。そう考えると、インテグレーターは利用できるあらゆるツールを活用して、機能安全を確保しなければなりません。

GDDR6 SGRAMの標準機能として利用できるテストツールの1つに、バウンダリースキャンがあります。ICレベルで実装したバウンダリースキャンは、基板(PCB)レベルで相互接続をテストするための統合された方法です。PCB相互接続テストはかつて、基板のプローブポイントと物理的に接触する必要がある「釘のベッド」を介して行われていました。シリコンプロセス、デバイスパッケージング、基板実装技術の進歩により、高密度で最小ピッチの相互接続が可能になりました。こうした種類の相互接続による物理的接触でテストを行うことは、不可能ではないにしても困難です。

高密度相互接続のテストという問題に対するソリューションは、内部レジスターによるデバイスへのアクセスを設計してスキャンパスを作成することでした。1988年、バウンダリースキャンの設計とプロトコルを標準化するためにジョイントテストアクショングループ(JTAG)が構成されました。バウンダリースキャンのエレメントは、デバイスの機能とは独立しています。バウンダリースキャンは、デバイスの存在、結合、位置付け、相互接続の完全性を確認できます。

バウンダリースキャンを使う理由は?

  • IEEE1149.1で標準化されている。そのため、さまざまなベンダーが互換性のあるコンポーネントを設計できる。
  • ツールベンダーやテストベンダーによる幅広い対応。
  • 設計とパッケージング解析の多くをPCBレイアウトの前に実施できる。
  • 高価なテストフィクスチャが不要。
  • 製品開発、生産テスト、デバイスプログラミングを1つのツールに統合できる。
  • 障害の切り分けに役立つ。

マイクロンの車載用GDDR6 SGRAMデバイスは、各I/Oにあるバウンダリースキャンセルに加えて、IEEE 1149.1-2013準拠のテストアクセスポート(TAP)を内蔵しています。デバイス上の2つのチャネルにはそれぞれ独自のTAPコントローラがあり、個別のテストが可能です。車載信頼性の重要な要素でもあるデバイスの温度は、ミッションモード動作と並行してTAPコントローラを介して監視できるため、パフォーマンスの低下につながりません。

自律走行車の普及の波に合わせて機能安全要件を満たし、それに関連するメモリ帯域幅に対応することは困難な課題です。マイクロンの車載用GDDR6 SGRAMは、想像もしなかった機能を実現し、自動車におけるパフォーマンスを新たなレベルに引き上げます。マイクロンではパフォーマンスに加えて、高信頼性システムの設計とテストを支援する機能を優先しています。機能安全の達成は、自動車の素晴らしい未来を切り開くために欠かせない多くの鍵の1つです。

DMTS, DRAM Architecture

Aaron Boehm