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今年のFuture of Memory and Storage(FMS)カンファレンスは、私がマイクロンに入社して以来初めての開催でした。ジェレミー・ワーナーの基調演説は、ある明確なメッセージを打ち出していました。クラウドおよびエンタープライズデータセンターは、難しい課題に直面しています。AIワークロードは絶えず拡大を続けていますが、それと同じペースで電力コストを高騰させるわけにはいきません。Micron 7600 SSDは、メインストリームドライブにおけるパフォーマンスとエネルギー効率の両方を実現する設計となっており、この2つがついに妥協なく両立できるようになったことを実証しています。
AIにおける電力の課題
トレーニングおよび推論ワークロードは、途方もなく大量のエネルギーを消費し、運用コストだけでなく、潜在的な環境コストも発生させます。パフォーマンスと価格で競争するクラウドおよびエンタープライズプロバイダーにとって、消費電力の管理は欠かせません。ストレージは、大方の実感より大きな役割を果たしています。
実際、MLPerf Storage™ベンチマーク評価では、Micron 7600 SSDは競合他社のドライブと比べて、1ワットあたりの効率が最大78%高いという結果が出ています。ストレージの選択によって測定可能なインパクトが生じることを示す、明確なエビデンスです。
AIデータパイプラインにおけるストレージの役割
多くの場合、AIインフラは1つのパイプライン(取り込み、変換、トレーニング、推論)として説明されます。ストレージはどの段階でも必要不可欠ですが、Micron 7600が最大の影響力を発揮するのは変換の段階です。この段階では、トレーニングに備えて大量の生データを処理します。ここでは、効率が速度と同じくらい重要になります。Micron 7600は、1ワットあたりのパフォーマンスを改善することで、エネルギーコストの高騰を招かず、データの変換を高速化します。
中間層のクラウドプロバイダーとエンタープライズデータセンターにとって、このような効率とパフォーマンスのバランスは極めて重要です。エネルギーコストを抑制しながらスケーリング可能なAIインフラが必要とされています。Micron 7600は、この2つの使命を果たします。予測可能なサービス品質(QoS)、1ワットあたりの強力なパフォーマンス、組み込みのセキュリティ機能により、ビジネス優先事項とサステナビリティ目標を両立できるストレージソリューションとなっています。
Micron 7600では、一貫したパフォーマンスと改善されたエネルギー効率のバランスが取れています。マイクロンのG9 NANDテクノロジーに立脚し、一般に20~25Wで動作しながら、最大12GB/秒のシーケンシャル読み取り、7GB/秒のシーケンシャル書き込みを達成します。これらの結果は、一部の競合ドライブの最大2倍に相当する1ワットあたりの入出力操作毎秒(IOPS)につながっています。
サステナブルなAIには、スループットと効率のバランスが取れたコンポーネントが必要です。この目的のために設計されたMicron 7600は、25Wで最大675,000回のランダム書き込みIPOSと1ミリ秒未満のレイテンシーを実現します。そのため、電力を過剰に消費せず、より速く成果を上げることが可能になり、拡大を続けるワークロードで極めて重要なバランスが確保されます。
現実のAIユースケース
マイクロンのエンジニアが、MLPerf Storageベンチマークを使用して多様なワークロードにおけるMicron 7600のテストを実施しました。以下、このテストの主な結果を示します。
- 電力効率が最大79%向上
 - 読み取りを多用するワークロードで99パーセンタイルのレイテンシーが最大59%低下
 - 読み取り/書き込み混合のパフォーマンスが最大23%向上
 
こうした効果は、単なるグラフ上の数字ではありません。重要な意義があります。効率の向上は、運用コストの削減につながります。レイテンシーの短縮は、アプリケーションの応答性を高めます。スループットの向上は、より生産的なAIパイプラインを実現します。いずれも、少ないコストで多くを達成するうえでMicron 7600がどれほど役立つかを示しており、ビジネス成果とサステナビリティ目標を一挙に両立できます。
マイクロンはFMS 2025の席上、データパイプライン全体を通じてAIインフラを進化させる、3つの新しいSSDを発表しました。
- Micron 9650 SSD — PCIe Gen6パフォーマンスリーダーシップ
 - Micron 7600 SSD — QoSリーダーシップ
 - Micron 6600 ION SSD — 超大容量(現時点で122TB、近日中に245TBも登場)
 
これらの製品は、より広範なビジョンの一部分であり、取り込みから変換、トレーニング、推論に至るまで、効率的かつ責任あるAIワークロードの実行を支援するというマイクロンの約束を反映しています。各段階はそれぞれ異なる課題があるとはいえ、データセンターにおけるサステナブルかつスケーラブルなパフォーマンスという目標は共通しています。
マイクロンのリーダーシップ
マイクロン全体でこれらの発表に取り組むことで、お客様のニーズを中心に据えた製品の提供という、最も重要なことが改めて実現されました。高性能とエネルギー効率の間にトレードオフは不要であるということを、Micron 7600は実証しています。
AIインフラ戦略、ストレージエンジニアリング、サステナビリティの取り組みなど、どのような課題に取り組む方にも、本技術概要はぜひご一読いただきたい内容です。システム設計上の選択が測定可能なビジネスインパクトへどう結びつくかが、これを読めば点と点が線で結ばれるように見えてくるはずです。
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