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Nutanixとマイクロンの協業により大容量ストレージのイノベーションを実現

ラリー・ハート | 2024年5月

私は最近、展示会を歩き回っていて、ストレージシステムに求められるあらゆる特性を再認識しました。どこを見渡しても、パフォーマンス、容量、耐久性、スペース効率、電力効率、価格、管理のしやすさが求められていました。全般的にもう少し「マーケティング風」の言葉が使われていましたが、趣旨は伝わるでしょう。これらはすべて、データセンターのストレージソリューションにおいて考慮すべき重要な特性です。データセンターといってもさまざまであるため、それぞれのデータセンターはこうした特性に適したバランスを見つける必要があります。ある環境では、スペース効率(またはストレージ密度)や電力効率が優先されますが、この点について突き詰めていきましょう。

マイクロンが歩んできたストレージ密度向上の軌跡

マイクロンは、最新のSSDの基本構成要素であるNAND、特にビットの高密度化をリードする先駆者です。基本的には、より小さなスペースにビットを収めます。私たちは、2D NANDのプロセスノードサイズの縮小に伴い、何度も業界の首位となり、2015年には3D NANDの使用の先駆けとなりました1。また、複数の新世代NANDを早期に市場に投入し、最も高密度なストレージを常に提供してきました。これにより、高性能なTLCベースのNANDを使用したまま、高容量のSSDを実現することができました。NANDにおけるリーダーシップは最高のSSDを実現するうえで不可欠なものですが、それだけで十分というわけではありません。

次にすべきことを自問し、見い出した答え

こうした成功を受け、私たちはさらに問いを深めました。どうすれば、お客様がより迅速にストレージを拡大できるに支援できるのか? クライアントにさらなる価値を提供できるようお客様を支援するために、何ができるのか?

この思考がMicron 6500 ION SSDの開発へとつながりました。課題に対する新たな視点から生まれたのです。以下は、データセンターの経済性をさらにスケーラブルにし、IT予算を最大化し、サステナビリティを促進するための重要な一歩です。

  • 最大30.72TBの容量により、少ないサーバープラットフォームでより多くのストレージを統合でき、低カーボンフットプリントの促進に貢献します。
  • 競合の容量重視のデータセンターSSDよりも、高いパフォーマンスと耐久性を備え、長持ちします2
  • 容量と低消費電力を備えたMicron 6500 IONは、AIデータレイクに最適です3

サステナブルなAIは、AIの膨大なデータレイクを保存するサーバーから始まります。Micron 6500 IONは、市販されている従来の30TBドライブよりも消費電力を20~50%抑えつつ、従来以上のパフォーマンスを発揮するため、特にデータセンターにおけるAIのスケーリングに関わるあまり知られていない世界的な電力問題を解決します。

専門家たちの賛同を得て、Micron 6500 ION SSDが賞を受賞

 

私たちのイノベーションの証として、AIを一層サステナブルにするMicron 6500 IONは、2023年国際イノベーションアワード4を受賞し、また世界で最も革新的なエネルギーとストレージ技術製品として、2024年エジソンゴールドアワードを受賞しました5

Micron 6500 IONは、データセンターSSDのレビュアーからも高い評価を得ています。Serve the Homeは、Micron 6500 IONについて、迅速なAIやビデオアクセラレーターを搭載し、ノード内で高速なストレージ容量を必要とする多数のサーバーにとって優れたストレージドライブであると述べています6。Storage Reviewは、このドライブについて、その容量とコストプロファイルにより、データセンターで成功するように設計された革新的なストレージソリューションとして際立っており、またデータセンターやその他の同様の環境にスケーラブルでコスト効率の高いストレージオプションを提供していると述べています7

OEMの顧客からの賛同も多く得ています。各社が、容量とパフォーマンスを一つのプラットフォームにまとめるための複数のデータセンター製品にMicron 6500 IONを統合しています。

マイクロンがMicron 6500 IONのような主要製品を開発する際、私は古いことわざを思い出します。

「早く行きたければ一人で行きなさい。遠くに行きたいなら皆で行きなさい」

このことわざを別の視点からとらえ、これらのすべてのメリットをより幅広い人たちに届けるために、私たちは誰と協業すべきかを自問しました。具体的には、どのストレージイノベーターが、容易なスケーラビリティ、組み込みのファイル、オブジェクト、ブロックのサポート、複数のクラスターにわたるデータ管理、統合データ管理、そしてローカルからクラウドへの移動などを適切に組み合わせているかについてです。

Nutanixの登場

Nutanixはその協業先のひとつです。Nutanixの主要製品であるNutanixユニファイドストレージ(NUS)があれば、プライベートクラウドからパブリッククラウドまで、一つの画面で簡単に管理することができます。NUSはソフトウェア定義のデータサービスソリューションで、サイロ化したブロック、ファイル、オブジェクトストレージの管理と保護を単一のプラットフォームに統合します。

ソフトウェアの革新者であるNutanixとストレージの先駆者であるマイクロンが協力することは、より多くのエンドユーザーに多大なメリットをもたらす重要かつ長期的な進展の鍵となります。

ストレージコンシューマーの需要を満たすNutanixとマイクロン

私の仕事仲間であるNutanixのプロダクトソリューションマーケティング担当シニアバイスプレジデント、リー・キャスウェル氏は、Micron 6500 IONをNUSに統合するメリットについて次のように述べています。

「エンタープライズストレージに対する顧客の需要が高まる一方で、予算は固定されており、人材を見つけることがこれまで以上に難しくなっています。私たちはマイクロンと連携し、Nutanixクラウドオペレーティングプラットフォームのデータサービスを提供することで、最新のフラッシュ性能と容量の革新を求めている法人のユーザーに価値をもたらしています」

キャスウェル氏が述べていることは、まさに的確です。

協業が成功を実現

技術革新を推進し、エンドユーザーに価値を提供するうえで、協業の重要性は計り知れません。こうした緊密な関係を通じて、企業はお互いの強みを活かし、自社がもつ個別の能力の総和を超える優れた製品やサービスを生み出します。

NutanixがNUSにMicron 6500 IONを統合できたことに心から祝意を述べたいと思います。NUSは、幅広いAIデータライフサイクルの要件を管理するものです。また、すべての人々のためにAIの利用とそのメリットを実現すべく努めているマイクロンの歩みにおいて、重要な転機にもなりました。

私は、6500 ION SSDを使用したこの製品が、成功を収めたNutanixの他の多くの製品に勝るとも劣らないものになると確信しています。このような優れた製品は常に顧客に好評です。キャスウェル氏とNutanixの全チームの成功を心よりお祈りしています。

詳細を見る:
Micron 6500 NVMe SSD
Micron 6500 ION SSDの技術仕様
Micron 6500 ION SSDの概要
マイクロンのすべてのデータセンターSSD
メモリ、ストレージ、アプリケーションにおけるマイクロンのリーダーシップ 

NUS、ならびにMicron 6500 ION SSDをNUSプラットフォームに統合することによるメリットについてのNutanixの見解 
Nutanixのユニファイドストレージ(NUS)
Nutanixのリーダーシップ(ブログ)

https://investors.micron.com/news-releases/news-release-details/micron-and-intel-unveil-new-3d-nand-flash-memoryをご覧ください

2 パフォーマンスは、IOPS、MB/秒、またはその両方を指します。長持ちとは、より高く評価されたSSDの耐久性を指します。Micron 6500 ION SSDとSolidigm D5-P5316 30.72TB SSDとの比較は、この資料の公開時点で公表されていた公開情報およびマイクロンによるテストに基づいています。

3 Solidigm D5-P5316 30.72TB SSDとの比較は、この資料の公開時点で公表されていた情報に基づいています。Micron 6500 IONのデフォルトの4KB、100%ランダム、100%読み取りの消費電力は20ワットであり、Solidigm P5316のデフォルトの4KB、100%ランダム、100%読み取りの消費電力である25ワットと比較して20%の消費電力削減となっています。Micron 6500 IONのデフォルトの4KB、100%ランダム読み取りのIOPSは1000KIOPSで、100%ランダム読み取りの消費電力は20ワットです。Solidigm P5316のデフォルトの4KB、100%ランダム読み取りのIOPSは800KIOPSで、4KB、100%ランダム読み取りの消費電力は25ワットです。1000KIOPS/20Wと800KIOPS/25Wを1ワットあたりの4KB、100%ランダム読み取りIOPSに換算すると、56%の電力効率向上となります。

4 https://innovationaward.org/portfolio-item/micron-6500-ion-data-center-ssd-2023/をご覧ください

5 https://edisonawards.com/2024-winners/をご覧ください

6 https://www.servethehome.com/micron-6500-ion-30-72tb-review-a-big-balanced-nvme-ssd/3/をご覧ください

7 https://www.storagereview.com/review/micron-6500-ion-ssd-reviewをご覧ください

8 Nutanixとそのソリューションの詳細については、https://www.nutanix.com/をご覧ください

Sr. Director, Solution Marketing

Larry Hart

As the Senior Director of Solutions Marketing for Micron’s Storage Business Unit, Larry Hart is deeply committed to creating and marketing impactful technology solutions. With a multifaceted background spanning pricing, product marketing, outbound marketing, product management, and ecosystem development, he leads our strategic efforts to drive better technological alignment within our ecosystem, communicate our solutions in the voice of our customers, and deliver maximum total business value to our customers.