マイクロンのテクノロジー用語集

Automotive semiconductors(車載半導体)

暗い背景に映えるスタイリッシュな自動車のスポットライト

自動車業界のテクノロジーは急速に進歩しています。アダプティブクルーズコントロールや、近年では完全自動運転車など、先進運転支援システム(ADAS)テクノロジーの進展は、人工知能が社会のあらゆる側面に及ぼしている影響を浮き彫りにしています。

車載半導体は、車両の自律化を進めるうえできわめて重要な役割を果たしています。車載半導体についてマイクロンとともに詳しく確認しましょう。または、詳細をマイクロンのセールスサポートチームにお問い合わせいただくこともできます

車載半導体とは?

車載半導体の定義:インフォテインメントやナビゲーションなどの自動車機能を支える集積回路(IC)またはチップを指します。

ADASテクノロジーは、パーキングセンサーなどの機能を通じてドライバーを支援します。こうしたテクノロジーの実現に欠かせないのが車載半導体です。車載半導体の集積チップは、エンジンや制御システムの動作を支えるほか、車両内のその他の安全機能の管理においても重要な役割を果たしています。

車載半導体はどのように機能しますか?

半導体は現代社会の基盤であり、人工知能を含むテクノロジーを最大限に活用するために不可欠です。

半導体は電気信号を処理し、電力管理、センサー入力の処理、車両内の各システム間の通信といったタスクを実行します。たとえば、半導体により、スマートフォンの性能が段違いに向上します。トランジスターの微細化により処理速度が向上し、アプリケーションはこれまで以上に効率的かつ高速に動作します。

技術的に広い意味で、半導体とは、導体と絶縁体の中間の電気伝導性を持ち、電圧の印加など特定の条件下で電子を流す材料です。

この導電性は、半導体に不純物を加えて電気的特性を変化させる「ドーピング」によって調整できます。このプロセスにより、電子が過剰な領域(N型)や正孔が過剰な領域(P型)が形成され、材料の導電性が高まります。つまり、「半導体」という名称は、その中間的な導電性を表しています。

こうしたシステムにおける最小の構成要素であるトランジスターは、印加される電圧に応じてオンとオフを切り替えるスイッチとして機能します。このトランジスターが、複雑な電子機能を支えています。トランジスターは高速にオンとオフを切り替えることで、論理演算を実行し、データを処理します。これが現代のコンピューティングの基盤となっています。

車載半導体チップには、数百万から数千万個のトランジスターが搭載されているものがあり、そのトランジスターが高度な車両機能を支えています。カメラやセンサーからのデータを処理し、その情報を迅速に提供できるため、車載半導体は多くの現代の自動車に欠かせない要素となっています。

車載半導体は、運転の自律化を推進するだけでなく、走行中のドライバー支援にも重要な役割を果たします。たとえば、カメラセンサーなどの機能はドライバーの限られた視界を補い、ドライバーだけでなく周囲の人々の安全性向上にも貢献します。

車載半導体の歴史とはどのようなものですか?

テクノロジーの進歩における半導体の役割は、決して過小評価できません。自動車業界における半導体の影響は大きく、特に自動運転車の分野において、ドライバーや乗員に新たな可能性をもたらしてきました。

  • 1970年代、MOS技術の登場:MOS(金属酸化膜半導体)技術の登場は、人々と自動車との関わり方を大きく変えました。クルーズコントロールは1970年代に市販車へ導入され、現在も使用されています。インフォテインメントなど、1970年代に導入されたテクノロジーは、MOS技術に大きく依存していました。
  • 1980年代、半導体用途の高度化:その10年後、半導体が活用されるにつれて、自動車業界のテクノロジーは著しく前進しました。車載半導体テクノロジーの普及により、アンチロックブレーキシステム(ABS)、ボディコントロールモジュール(BCM)、青緑色の蛍光表示などが、現代の自動車の標準的な機能となりました。
  • 1990年代、半導体によるドライバー体験の向上:1990年代には、自動車業界では車載半導体がさらに多岐にわたり活用されたことで、ドライバーや乗員の体験向上につながりました。スマートキーや電子燃料噴射システムが開発され、車両に導入されました。また、この10年間で車両1台あたりの半導体搭載額は35ドルから160ドルへと急増しました。
  • 21世紀、高まる需要:電気自動車の導入が徐々に進むにつれ、車載半導体の需要は大幅に増加しています。インフォテインメントの進化やADASの普及など、自動運転車に搭載される最新テクノロジーの発展に伴い、車載半導体は自動車業界全体にとってますます重要になっています。

車載半導体の種類には主にどのようなものがありますか?

車載半導体にはさまざまな種類があり、それぞれが現代の自動車が動作するにあたってきわめて重要な役割を果たしています。

自動車の電子制御ユニット(ECU)は、主要なシステムを制御する組み込みコンピューターです。この内部システムは、センサーなどのテレメトリデバイスや車両内ソフトウェアを使用して、さまざまな機能を制御します。

マイクロコントローラ(MCU)は、他の種類の民生用電子機器でより一般的に使用されていますが、自動車業界でも依然として広く使用されています。MCUの主な役割は、車両内のCPUを中心とする処理機能を統合し、運転支援テクノロジーが正しく動作するよう制御することです。制御の対象となるのは、ABSや各種インフォテインメント電子機器などです。

センサーは、ECUやMCUが管理するデータを収集し、さまざまな機能を正しく動作させる役割を担います。センサーは車載半導体を使用して、完全自動運転車を含む多様な運転支援システムに必要なデータを収集します。

車載半導体はどのように活用されていますか?

車載半導体により、近年、安全テクノロジーと運転支援テクノロジーは格段に進歩しています。

バックカメラ、死角検知システム、アダプティブクルーズコントロールはいずれも、絶えず進化を続ける半導体テクノロジーによって市販化されました。たとえば、トランジスターの微細化により、ADASやインフォテインメントシステムへのシームレスなデバイスレベルでの統合が進んでいます。

インフォテインメントも、車載半導体の性能向上による恩恵を受けています。たとえば、車載半導体の研究開発の成果は、スマートフォンやタッチスクリーンにも組み込まれ、ユーザーの操作に高い応答性で反応する製品づくりに貢献しています。自動車では、トランジスターの微細化により、ドライバーの操作にすばやく反応できるようになります。

半導体は、内燃機関(ICE)車、ハイブリッド車、電気自動車(EV)など、さまざまな車両でエネルギー出力の監視と制御にも使用されています。

ICE車では、ECUに搭載された半導体が燃料噴射、吸気、点火タイミングを最適化し、燃費の向上と排出ガスの削減につなげます。

ハイブリッド車や電気自動車では、半導体がエレクトロニクスやバッテリー管理システム(BMS)を支え、バッテリーやモーターなどの部品間の電力の流れを制御します。このように半導体を組み込むことで、最適なパフォーマンス、エネルギー効率、バッテリー寿命が確保されます。

総じて、半導体はあらゆる車両において、エネルギー利用の最適化とエネルギー効率の向上にきわめて重要な役割を果たしています。

よくある質問

車載半導体に関するよくある質問

車載半導体は、設計、試験、動作要件の点で民生用チップとは異なります。具体的には、過酷な条件下でも信頼性と安全性を確保するため、温度サイクル試験、電気的試験、衝撃試験といった厳格な試験手順を経ています。

車載半導体は、通常-40℃~125℃という広い温度範囲で動作するよう設計されており、AEC-Q100などの自動車業界固有の規格に準拠しています。その高い信頼性と耐久性は、重要な車載システムに不可欠です。これが民生用チップとの違いであり、これにより過酷な車載環境に適合できます。

現代の自動車には、旧型車よりも多くの車載半導体が搭載されています。現代の自動車1台には、平均しておよそ1,400~1,500個の半導体チップが搭載され、稼働しています。現行世代の車両の中には、3,500個もの半導体を搭載しているものもあります。

現代のコネクテッドカーで半導体の使用が増えることで、外部からの干渉や内部制御への侵入といった潜在的なリスクが生じ、悪意ある攻撃者によるサイバー脅威を受けやすくなっています。

こうしたリスクの拡大に対応するには、脆弱性から保護するための強固なセキュリティ対策が必要です。そのため、車載半導体には、暗号化、セキュアブートプロセス、ハードウェアベースのセキュリティモジュールなど、包括的なセキュリティ機能を搭載する必要があります。

マイクロンの車載向けメモリおよびストレージソリューションは、こうした厳格なセキュリティ要件を満たすよう設計されています。このソリューションには、Micron 4150AT車載SSDや、安全性を高めた車載メモリなど、機能安全と信頼性を強化する製品が含まれています。

 

車載半導体における品質、安全性、セキュリティの最高水準をマイクロンがどのように確保しているかについて、どうぞご確認ください。