マイクロンは毎年、科学技術に焦点を当て、中学生を対象とした対面式のChip Campを開催してきましたが、新型コロナウイルスによる規制のため、対面式のキャンプを開催することができませんでした。そこで、実施方法をオンラインに切り替え、4回のTech Campを開催しました。6月に3日間に渡るキャンプを3回、7月には恵まれない子供たちや少数派グループに該当する子供たち向け4回目のキャンプを開催しました。キャンプでは、マイクロンの夏季インターン生が数名、キャンプ参加者のメンターを務め、活動の主催をサポートしました。マイクロンのインターン生と献身的な取り組みを称え、インターン生の1人であるビクター・ロドリゲス=トロが書いたブログを紹介します。
2020年の夏は、私が思い描いていたものとはかけ離れていました。新型コロナウイルス危機やブラック・ライブズ・マターの抗議活動で私たちの生活が一変しました。これからの社会はそれらによって方向付けられることでしょう。個人的な話題では、マイクロンでの夏季インターンシップがオンライン環境に切り替わりました。不安はありましたが、品質・信頼性のインターン生としてマイクロンで働けることを嬉しく思うとともに、どのような体験が待ち受けているのだろうと心配もありました。その時点では、科学、技術、工学、数学(STEM)のオンラインアクティビティで自分が米国各地から参加する約20人の中学生のメンターを務めるとは思ってもいませんでした。
Tech Campでメンターを務めて
私のマイクロンのメール受信箱にあった最初のメッセージのひとつが、Tech Campのメンターをやってみないかというお誘いでした。(マイクロンの大学担当のリクルーターでもあり、2020年のインターンシッププログラムマネージャーを務めたジョーダン・アトニップさん、ありがとうございました。) STEMアクティビティで中学生のメンターを務め、STEM分野における次世代のプロフェッショナルを鼓舞できるチャンスに魅力を感じました。マイクロンが毎年恒例のSTEMキャンプをZoomで開催したのはその時が初めてで、私たちの日常生活の「ニューノーマル」になるかもしれなスタイルを体験できる素晴らしい機会でしたし、最高品質基準に沿った科学技術採用のメモリの製造以外に、マイクロンが力を入れてきたアクティビティを見られるチャンスだとも思いました。
マイクロンのSTEM教育アウトリーチチームのローリー・アンダーソンさんとキャシー・アミラティさんによるトレーニングを受けた後は、キャンプ初日に予定されていたSTEMのアクティビティを通してキャンプ参加者を案内する準備ができたと感じました。初日は40人以上がキャンプに参加し、そのうちの何人かはマイクロン本社があるアイダホ州ボイシ以外から来た生徒たちでした。
初日はまず、マイクロンの社長兼CEOを務めるサンジェイ・メロートラさんからの励ましのメッセージを紹介しました。それから、フォトリソグラフィやエッチング、インプラントに関する側面など、シリコンウエハーの処理の重要な手順を教えました。
その後は、参加者を4人から6人のグループに別けてZoomのブレイクアウトルームに割り当てました。PVCディスクを使って作業を行い、シリコンウエハーやその他のものを(キャンプ参加者やメンターにキットで送っていた紙やラメ、粘土などの供給品を使用して)製造する疑似体験を味わってもらいました。このブレイクアウトでは、メモリの製造における処理工程を説明しました。参加者は存分に楽しみながら、良いやり方を習得していました。
その他に行った体験型アクティビティは、私自身にとってもためになるものでした。参加者には、マイクロンの市場セグメント(モバイル(スマートフォン、スマートウォッチ)、クライアント(デスクトップパソコン、スマートテレビ)、自動車(カーオーディオ)、産業(自動運転車/電車)、エンタープライズ(クラウドコンピューティング)など)も案内しました。各セグメントが抱えるさまざまな課題(規模、コスト、パフォーマンス、速度、信頼性など)についても学びました。
そして、市場セグメントによって異なる仕様基準をもとにSSDを設計するという課題に取り組みました。レゴのブロックをSSDの部品として使用し、参加者が選んだ部品には最高額の予算を設定しました。私は、参加者が5人のチームと作業を行い、各人に特定の役割(マーケティング、アーキテクト、購買、基板設計、品質保証)を割り当てました。このアクティビティで自分のインターンとしての役割が果たせたことを実感できて嬉しかったです。私が担当したチームの参加者は熱意にあふれ、設計にはマイクロンの製品の中でも実行可能なイノベーションの1つと言われる3Dアプローチを採り入れようと提案していました。参加者は素晴らしい創造力を発揮していました。
「アハ」モーメント
参加者は、シリコンの処理作業やSSD、プログラミング、2進法を学んでから、エンジニアリングの課題に取り組みました。最初は懐中電灯の簡単な回路を構築しました。バッテリーやクリップ、銅テープ、簡単なスイッチ、LEDなどの部品を手にし、簡単な回路を構築するのに必要な最低限の部品について学びました。
LEDが付くのを見た参加者の「アハモーメント」の表情は、私の残りのキャリアにおいて一生忘れることはないでしょう。また、そのアハモーメントが、将来のテクノロジーやメモリイノベーションに向けてTech Camp参加者が踏み出す第一歩になることを願っています。
参加者はこの3日間を通して知識やスキルを身に付けていました。一番大変だったアクティビティはTech Camp最後のアクティビティです。チームを作って、電動のお絵かきおもちゃを作る課題です。電子回路を構築したこれまでのアクティビティでの体験を踏まえ、各人に直流電動機、ケーブル、バッテリー、使い捨てのコップ、マーカー数本が配られました。参加者は一生懸命取り組み、素晴らしい設計を考案しました。
Tech Campが持つパワー
2020年6月に開催された3週間におよぶTech Campには、8つの州(アイダホ州、バージニア州、ユタ州、カリフォルニア州、ミネソタ州、フロリダ州、アラスカ州、テキサス州)から105人の生徒が参加してくれました。キャンプには、米国各地のインターン生を含む、マイクロンのボランティアも携わりました。参加者を対象に行われたアンケートでは、95%の参加者がTech Campに参加した後の方がSTEMへの関心が高まったと回答しています。私とってTech Campは、マイクロンという企業についてもっと詳しく知り、マイクロンの専門家たちとつながることができる素晴らしい機会でした。
STEMを専攻するラティーノとして、私は7月に開催されたTech Campの最終週に参加できて光栄でした。この週は、米国における少数派グループの参加者を対象としていました。大勢のメンターから高校や大学、大学院、博士課程、専門家といったあらゆるレベルに相当するアドバイスや知識を得て、次世代に受け継いでいくというこの素晴らしいカルマこそが、私たちの社会が進化し続けるための原動力だと思います。
Tech Campには、マイクロンの価値観(人、顧客第一、イノベーション、粘り強さ、コラボレーション)を柱としたバーチャルプラットフォームが完備されています。互いを尊重し合い、インクルーシブで多様な交流空間を米国はもちろん、世界各地にもっと創出するために、Tech CampがSTEM界における導きの光になることを願っています。