「未来を先取りするマーケティング」について聞いたことがあるでしょうか。8月の初め、私はFMSにいました。周りの人たちは上手いタイトルが付けられたブログ投稿について話していました。このブログは、私の友人でありマネージャーであり、またSBUのコーポレートバイスプレジデントでもあるジェレミー・ワーナーが書いたものでした。そのブログでは、テクノロジー企業が実際に製品を提供可能になるずっと前に製品発表をすることが多いという話題を取り上げていました。これは、その製品を必要とする可能性のある顧客にとって問題となるだけでなく、私たちがサービスを提供する業界の信頼性も損ないます。
マイクロンでは異なるアプローチを取っています。そのため、この6か月間、私のチームと私は非常に忙しくしていました。マイクロンには、私が「適時の発表」戦略と呼ぶ戦略があります。私たちは、大量生産であれ、サンプリングであれ、さらにはエコシステム開発であれ、目的の用途に使用できる準備が整ったときに製品を発表します。最近の例をいくつかご紹介します。
まず、7月23日に、世界最速のデータセンターSSD、Micron 9550 NVMe™ SSDを発表しました。発表以降、一部の仕様では自社のSSDの方が速いと主張する企業がありますが、そのとき私は「購入できますか」と尋ねます。答えは大抵の場合、「まだ」です。私たちは、Micron 9550ドライブのサンプリングを行い、間もなく量産を開始すると発表しました。サンプルをご希望の場合は、お問い合わせいただければサンプルをお届けします。
続いて、7月30日にMicron G9 NANDを発表しました。これは、SSDに搭載されるNANDとしては世界最速で、その速度は3.6GB/秒です。これは、現在SSDで使用されている競合他社のNANDよりも50%高速です。マイクロンはこれまでもさまざまなグレードのMicron G9 NANDを出荷してきましたが、今回の発表により、クライアントドライブの1つ、具体的にはMicron 2650 NVMe™ SSDでこのNANDを使用していることを明確にしました。このNANDは、PCMark® 10のような業界標準のベンチマークに基づいて、業界で最も高性能なバリュークライアントSSDを製作するのに役立ちました。このベンチマークは最も信頼性の高い顧客エクスペリエンスの予測因子の1つであり、私たちは簡単に競合他社を打ち負かしました。Micron 2650は、競合他社の平均スコアよりも最大38%高いスコアを獲得したのです。このNANDと業界をリードするマイクロンのSSD設計の組み合わせは、現実的であるだけでなく、非常に優れています。このNANDを使用したSSDにご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。今すぐご購入いただけます。
次は8月5日に、エコシステム開発用のPCIe® Gen6 SSDを発表しました。このように公に宣言したのは、私たちが業界で初めてです。はっきりと申し上げておきますが、このドライブは、本番環境に実装する準備は整っていません。今後展開されるPCIe Gen6のエコシステムを支援するために設計されたSSDで、Gen6コンポーネントとシステムの試験、検証、開発に使用されます。リタイマー、PCIeスイッチ、ネットワークアダプター、DPU、ASIC、RAIDコントローラ、HBA、システムシリコンなど多くのコンポーネントが含まれています。ご希望の場合は、お問い合わせください。
「未来を先取りするマーケティング」の話に戻りますが、他社が昨年発表したNANDをFMSで見かけたので、今年は今すぐ購入できるかどうかを尋ねました。会話は次のような感じで進みました。「お客様は今すぐ、貴社のNANDを購入できますか」と私が尋ねます。「今すぐは購入できません」と相手が答えます。「いつになったら購入できますか」と私が尋ねます。「間もなくです」と相手が答えます。発表から1年経った今でも、「お待ちください」という答えのままでした。
目的の用途に使用できる準備が整ったときに製品を発表するチームの一員であることはうれしいものです。私たちが製品やテクノロジーを発表するとき、顧客が何を得られるかは明確です。これは、顧客や業界との信頼関係を築く良い方法だと私は信じています。