マイクロンのテクノロジー用語集

Decision trees(決定木)

ピンク、紫、青の色鮮やかな波を描いた抽象的なイメージ

決定木は、従来の意味においても人工知能(AI)の分野においても、単純な判断を通じて起こりうる結果を視覚化するフローチャートの一種です。従来の用途でもAIでの用途でも、決定木は、重要な意思決定を行うにあたって、主要な情報を評価・分析するために使用されます。決定木は、これまで多くの分野で活用されてきました。

AIツールにおける決定木の重要性と主な活用例について、マイクロンとともにご確認ください。

決定木とは?

決定木の定義:決定木は、機械学習モデルの一種で、教師あり学習アルゴリズムで使用され、回帰タスクにも活用できます。

その名前が示すとおり、決定木はさまざまな「枝」からなる階層構造を持っています。それぞれの枝は異なる判断を表し、次の枝や判断へとつながります。

決定木は通常、逆さまの木のように描かれ、上部のルート(根)から下の階層へと分岐していきます。このモデルはルートノードから始まり、内部ノードへと進み、そこからリーフ(葉)ノードへとつながります。

これらのノードには、それぞれ異なる役割があります。ルートノードはモデルの起点です。内部ノードではデータがサブセットに分割され、その後リーフノードへと送られます。リーフノードはモデルの終端にあたり、分析されたデータの結果が示されます。

決定木はどのように機能しますか?

決定木は、分類に関する一連の質問を順にたどりながら入力データを処理します。それぞれの質問には、二者択一の回答が用意されています。二者択一の回答ごとに次の質問へ進み、さまざまな出力結果へと分岐していきます。

このプロセスは、考えられるすべての出力結果が生成されるまで繰り返すことができます。このAIモデルの強みは、1つの結果だけでなく、幅広い結果や回答候補を提示できる点です。このアプローチにより、データサイエンティストは別の決定木を使用して結果を再分析したり、単一の結果が必要な場合には最終的な選択をある程度手動で制御したりすることができます。

決定木の歴史とはどのようなものですか?

コンピューター分野で利用される決定木は、機械学習モデルの一種として、数十年にわたって開発されてきました。

  • 1960年代、初期設計:1960年代にIterative Dichotomiser 3(ID3)というアルゴリズムが初めて開発され、これをきっかけに人工知能の構築で決定木が使用されるようになりました。
  • 1970年代、CARTアルゴリズムの設計:ID3アルゴリズムの導入後まもなく、ブレイマン、ストーン、フリードマン、オルシェンによる研究グループが、CARTと呼ばれる分類・回帰木モデルを開発しました。
  • 1990年代、ランダムフォレストへの進化:1990年代初頭、決定木はランダムフォレストへと発展しました。ランダムフォレストは複数の決定木を組み合わせることで、より複雑な分析プロセスと、より正確な結果を実現します。

決定木の種類には主にどのようなものがありますか?

AIで使用される決定木アルゴリズムは、いずれも共通の基盤に基づいています。この基盤には以下の3つの要素が含まれ、機械学習やAIを活用したツールで使用できます。

Iterative Dichotomiser 3(ID3)アルゴリズムは、情報利得とエントロピーを使用して分割候補を評価し、分析プロセスを開始するのに役立ちます。

C4.5は、ID3アルゴリズムを高度化した改良版とされています。得られた情報を分析することで、決定木内の自然な分割点を評価します。このアプローチにより、分類に最も有用な属性をより効果的に特定できます。

CARTアルゴリズムは、ジニ不純度(データセットからランダムに選ばれた要素が誤分類される確率)を使用して、決定木内で分割する最適な位置を見つけます。分類ベースのタスクと回帰ベースのタスクに使用できます。

分類・回帰木(CART)は、Classification and Regression Treesの略称です。このアルゴリズムは、「ジニ不純度」を使用して、決定木内で分割する最適な位置を特定します。なお、分類タスクと回帰タスクの両方に使用できます。

決定木はどのように活用されていますか?

決定木はシンプルな概念ですが、あらゆる業界で幅広く活用できます。人工知能を使用する多くの予測・分析ツールと同様に、特定の分野では、決定木や機械学習を導入することで大きなメリットを得られます。複雑なデータセットに基づいて意思決定を行う分野であれば、決定木を活用することで、効率と精度を効果的に向上させることができます。マーケティング、金融、医療は、意思決定プロセスを強化するために決定木を活用している代表的な業界です。

マーケティングで決定木が使用される主な理由の一つは、企業の顧客層を細かく分類し、それぞれのセグメントに合わせてマーケティングキャンペーンを最適化できることです。決定木を使用すると、企業は顧客データを詳細に分析し、その情報をもとに、似た行動を取る顧客のサブカテゴリを作成できます。このアプローチは、こうした顧客セグメントに向けたマーケティング戦略をより効果的に立てるうえで役立ちます。

また、決定木を使用することで、企業は顧客の傾向や行動を予測することもできます。このモデルを使用することで、企業は顧客の思考プロセスをより深く理解し、ブランドや製品に関心を持つ理由、または関心を持たない理由を特定できます。そのうえで、こうした顧客を維持するための最適な方法を判断できます。

決定木は医療業界にも大きな変革をもたらしました。この分野では、モデルは、年齢、性別、その他の一般的な特性などの要因に基づいて、患者が再入院する可能性を予測します。また、個々の患者の潜在的なリスク要因を特定するのにも役立ちます。

決定木により特定の疾患がある人とない人の遺伝子を分析することで、医療従事者は、そうした疾患の原因となり得る変異を特定しやすくなります。こうした応用により、医療分野におけるさまざまな健康状態の診断、治療、予防の能力が向上します。

よくある質問

決定木に関するよくある質問

他の予測シミュレーションモデルと比べると、決定木はデータの扱いにおいて不安定になりやすい場合があります。データにわずかな変化が生じただけでも、決定木の構造が大きく変わり、結果の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。このようにデータの変化に敏感であることは、一貫性のある正確な予測を維持するうえで課題となる場合があります。

決定木を使用するメリットの一つは、連続変数とカテゴリ変数の両方を扱える点です。線形回帰ロジスティック回帰など、1種類の変数に限定される他の予測モデルとは異なり、決定木はより高い柔軟性と使いやすさを備えています。この汎用性により、決定木は幅広い用途やデータセットに適しています。

決定木アルゴリズムは、分類のバランスが取れている場合に、より高い信頼性と効果を発揮します。不均衡なデータには必ずしも適しているとは言えません。これは、データを2つのグループに分ける際に混在を最小限に抑えられるほど、決定木内の分割点がより正確になるためです。データに不均衡がある場合、アルゴリズムが意味のある分割を作成しにくくなり、結果の信頼性が低下する可能性があります。