COVID-19の流行期の間、マイクロンベンチャーズは変革的な業界における価値創出を主導するAIと機械学習スタートアップ企業に投資してきました。現在、かつてないほどに、私たちがスタートアップ企業の成功を定義づける特徴を持つチームに対する投資を行っています。そのようなチームの特徴は以下のとおりです。
- 専心的
- クリエイティブ
- 戦いに挑む
- がむしゃら
- あなたがそうであるなら、話し合いましょう。
大きな変化の時代に専心する
わかったことがあります。パンデミックでは、極めて簡単に集中力がそがれるということです。主張が強くなります。不安が大きくなります。わからないことが多いため、調べたり、時間を使ったり、推測したりということが増えます。
私のスタートアップ企業「Humphrey Polanen」の初期、素晴らしいアドバイザーが私のことを「子猫のように、キラキラ光るものに何でも手を出す」と表現してくれました。特にスタートアップ企業の初期には、創立チームがとれる道が無限にあるように感じ、将来のリスク低減のために同時に複数の取り組みを行うという誘惑が非常に大きくなります。
集中し、ビジョンを明確化し、チームの足並みを揃え、主導して協調的取り組みを行い、周りのノイズに気をとられません。
最近の投資先のNexarは、専心の特徴を持つチームです。近年の自動車業界の苦境は、よく知られており、記録されています。パンデミックは、世界の生産およびサプライチェーンを止めただけでなく、現在車を求める、あるいは必要とする人がいないのです。しかし、創立以来、ブルーノ、エラン、チームの、アーバンモビリティに適用する自社のアナリティクステクノロジーの永続的な価値の定義に向けた、持続的・集中的な取り組みにより、自動車産業の大部分が苦しむ中で継続的な経済的成長を実現しています。
創造性がバズワード
どの程度素早く方向転換できますか。製品を売るために、どれだけ変なことができますか。世界が伝統的なコアバリューに収束している中で、どの程度独自性を出せますか。
最も創造性の高いチームは、新たなグローバルダイナミクスに最も早く適応し、繁栄します。
マイクロンは、2019年後期にREADY Roboticsに投資しました。この会社は、高価なロボティクスシステムを製造業者に販売しています。パンデミックの中で、最も経験豊富な企業ですら新たな顧客にユニットを販売・納品することが難しい状況です。しかし、READYは迅速に2つのことを行いました。
顧客が自身で実装できるように、文書とステップバイステップのガイドを構築し、DIYキットを作り上げました。この新しいアプローチにより、スタッフはこのような重要な時期に人工呼吸器の需要に応えられるよう努力する顧客にユニットを提供しました。READYの顧客が非常にうまく表現しました。「開梱作業から研修、セットアップに至るまで、機械加工の世界で経験したことがないほど簡単な作業でした。それだけでなく、機械技術者たちは作業が楽しいと感じたようです!」
問題を発見し、問題の解決策を作り出します。解決策は面白ければ面白いほど良いのです。
創造性が鍵です。
戦うチームが勝つ
スタートアップ企業は過酷です。振り返り、「あれは簡単だった」と言えるスタートアップ企業の創設者は1人も知りません。
その難しさを理解するための話として、ある創設者(彼とスタッフの半分はCOVID19に感染)が最近の取締役会で「私たちが乗り越えてきた困難について考えてみると、このパンデミックは五本の指にも入らない」と言いました。
わあ!
そのように言い切るには間違いなくまだ早いとは思いますが、個人的に、そのような発言は、成功した創立者が乗り越えてきた限りない困難を表す良い例です。リラックスして、気楽に世界の動きに応じていくわけにはいきません。世界にとって、そのスタートアップ企業が成功するか失敗するかはどうでもいいからです。しかし、私たちにとっては重要です。戦う必要があります。戦士にならなければいけません。
Atlas AIは戦士です。
多くの企業がひしめく環境にいます。そして、Atlasは新興市場の顧客に向けて製品を販売しています。創立者がパロアルトで浮世離れした生活を送る、小さなチームです。しかし、上から下まで、Atlasは分野で最高峰の技術者で構成されています。現時点では後れを取っているかもしれませんが、彼らはミッションの成功に大きくコミットしており、私は彼らが勝つためには何でもやるだろうと信じています。
余談ですが、投資したとき、共同創設者の1人であるデイビッド・ロベルと相対しました。映画『ロッキー』のイヴァン・ドラゴと話しているような感じでした。映画ではドラゴが破れますが、現実世界の「ドラゴ」はロッキーに10回中10回勝つでしょう。
戦士は恐ろしいものです。私はAtlas AIのファンです。
リスク = ファースト
初めて耳にしたとき、非常にばかげていると感じたスタートアップ企業をいくつか紹介します。Amazon、Facebook、Uber、Twitchです。Twitchの創設者に関しては、Twitchは今まで聞いた中で最もばかげていると直接伝えてしまいました。彼はその約6週間後に10億ドルで売却しましたが。
ベンチャーキャピタリストとしての最初の教訓は、私がどう思うかはどうでもいいということです。顧客がどう思うかが重要です。そして、スタートアップ企業とVCの世界においては、顧客は新しいものに目がないのです。
私が「がむしゃらな人々」に投資したいと言うとき、それは新しいアイデア、周りがおかしいと言っていたとしても、新しいコンセプトに命を懸けるようなクレイジーな人々を探しているということです。
ただ、一部の特化した分野(半導体など)では、「クレイジー」は本当にクレイジーなのですが。マイクロンの事業は、数十年に渡る学術的、産業的なコラボレーションによって積み上げられてきた業界に属しています。ロドリゴとSambaNovaが本当にクレイジーだったなら、一銭も稼げなかったでしょう。
しかし他の業界の場合、参入には壮大なテクノロジーは必須条件ではありません。大胆なイノベーション、そして新たなテクノロジーに真のリスクをとるというのは、合理性があります。
価値についてはどうでしょうか。がむしゃらな人は大抵1番になります。
マイクロンベンチャーズで働き始めたとき、Volocopterへの投資を確定させつつありました。最初に、電動エアタクシーとは、なんてばかげたアイデアなのかと思いました。
しかし考え直しました。ちょっと待てよ。ばかげたアイデアは今まで見てきた。マイクロンは、このようなタイプのばかげたアイデアを好むだろうか。Volocopterのウェブサイトで、次の内容を知りました。
- 2011年、Volocopterは世界で初めて電動航空機の有人飛行を実現しました。
- 2017年、Volocopterは世界初のエアタクシーを発表しました。
がむしゃらな人は以下を行います。
がむしゃらな人は以下を得ます。Volocopter、シリーズCで$9,400万まで追加。
COVIDはひどいですが、世界の終わりではありません。世界を再形成しています。専心した、創造的ながむしゃらな戦士は、この再形成のメリットを刈り取るでしょう。
このパンデミックで私たちが投資するのはそのような投資先です。