SSD

AIインフラが直面するストレージ密度の課題と その解決策

ラリー・ハート

高密度AIストレージを実現するマイクロンのデータセンターSSD

私はこれまで、「目的に合ったツールを使用すること」の重要性について、たびたびお伝えしてきました。これはマイクロンに深く根付いている原則であり、製品だけでなく、エコシステム全体で築いているエンジニアリングレベルの緊密なコラボレーションにも当てはまります。最良の成果は、2つの企業が同じ課題の異なる部分をそれぞれ解決し、そのソリューションを組み合わせることで、どちらか一方だけでは実現できない大きな価値を生み出すときに生まれます。

2Uのラックスペースに15.8ペタバイトのストレージ容量。2つの企業が共通の目標に向かって協力すると、このような成果が生まれます。7月21日、WEKAは、AIデータセンターに求められる容量密度とパフォーマンス密度に対応する、まったく新しいWEKApod™システムのラインナップを発表しました。最も高い容量密度を備えたWEKApod Prime Maxは、Micron 6600 ION 245TB SSDを最大64台搭載できます。パフォーマンスを重視して最適化されたWEKApod Nitroは、最大56台のMicron TLCドライブ(例:Micron 9550)を搭載し、パフォーマンス密度を最大化します。これが重要な理由をご説明します。

貴重なデータセンターのスペース

AIインフラの動向を追っている方なら、議論の焦点がシンプルな問いへと移っていることにお気づきでしょう。「物理的なデータセンターをより有効活用するには、どうすればよいか?」という問いです。電力網への近さ、利用できる電力の制約、冷却上の制約、さらには一部地域の規制などが、データセンター建設の足かせとなっています。WEKAは、2025年に、米国におけるデータセンター建設の拡大ペースが2020年以来初めて鈍化したと指摘しています(CBRE.com1。主要市場で電力網に接続するには、多くの場合4年以上かかります(Berkeley Lab2。つまり、データセンターのあらゆるスペースが極めて貴重だということです。

これまで、ストレージはデータセンターで大きなスペースを占めてきました。サーバーの中に組み込まれる場合もあれば、大規模なストレージアレイとして設置される場合もあります。大容量ストレージ用でありながら最大限の密度で運用されていないラックユニットは、本来ならコンピューティングリソースを配置できるスペースでもあります。では、こうした課題にどう対応すればよいのでしょうか? より少ないスペースにより多くのデータを保存し、AIインフラを増設するためのスペースを確保することです。

1台のドライブで4分の1ペタバイトを実現

マイクロンは先日、245TB Micron® 6600 ION SSDの量産出荷を開始したことを発表しました。この製品は、現在データセンターSSDに使用されている競合他社のQLC NANDより少なくとも1世代先を行くMicron G9 QLC NANDを採用しています。E3.LまたはU.2フォームファクタで提供される245TB Micron 6600 IONドライブは、ピーク消費電力がわずか30Wで、1台で4分の1ペタバイトの容量を実現します。同等の物理ストレージ容量を実現する場合、HDDベースの導入構成と比べて、必要なラック数を82%削減できます3

これは将来のロードマップ上の話ではありません。今すぐ注文し、導入いただけるドライブです。そして、これまでのブログをお読みいただいている方なら、製品の準備が実際に整った段階で発表することを、マイクロンがどれほど重視しているかお分かりいただけるでしょう

組み合わせることで真価を発揮する:WEKApodとMicron 6600 ION SSD

WEKAは、最新のWEKApodを、AI専用ストレージアプライアンスとしてゼロから設計したと説明しています。同社は、PCIe Gen6内部ファブリック、ケーブルベースのバックプレーンレス・ドライブインターコネクト、ソフトウェア管理型の熱アーキテクチャーを中心に、カスタム仕様の2Uシャーシを設計しました。この熱アーキテクチャーにより、周囲温度35°Cでも、システムをシャットダウンさせることなく稼働を継続できます。これは見事なエンジニアリング設計であり、その成果が設計の有効性を物語っています4

そのシャーシと245TB Micron 6600 IONを組み合わせることで、驚異的なストレージ密度を実現できます。WEKApod Prime Maxを最大構成にすると、2Uに最大64台のMicron 6600ドライブを搭載でき、15.8ペタバイトを超えるストレージ容量を実現できます5。これを56Uのフルラック規模に展開すると、441ペタバイトを超える容量に達し、WEKAのNeuralMesh™データ削減機能を使用した場合、有効容量は1.1エクサバイトを超えます(データ削減率を3:1と仮定)。WEKAによると、WEKApod Prime Maxは、エクサバイトの壁を突破した初のシングルラックシステムです6。WEKApod Nitroは、ラックあたり10.2TB/秒に達するスループットにより、比類のないパフォーマンス密度を実現します。IOPSはラックあたり2億1000万に達します4。推論インフラを構築するAIクラウドプロバイダーやハイパースケーラーにとって、これは同じ物理フットプリントで、ラックあたりのGPU数、テナント数、生成トークン数を増やせる可能性があることを意味します。企業のAIチームにとっては、データセンター予算を拡大したり、新たな容量が利用可能になるまで何年も待ったりすることなく、本番環境の推論をスケールアップできることを意味します。

見落とされがちな細かな点ですが、WEKApodのアーキテクチャーはPCIe® Gen6を基盤としています。これにより、世界初のPCIe Gen6データセンターSSDであるMicron 9650のようなドライブにも対応できるプラットフォームとなっています7

拡大し続けるコラボレーション

WEKAは、容量面での優位性、市場投入までの速さ、エネルギー効率を理由に、WEKApod PrimeのプライマリSSDとしてMicron 6600 IONを選定しました。両社のチームは、このドライブがプラットフォーム内で最適なパフォーマンスを発揮できるよう連携して取り組んでいます。これこそ、エコシステムコラボレーションの理想的な形です。それぞれの強みに注力する2社が力を合わせることで、お客様はその双方の価値を享受できます。

WEKAによるこの優れたプラットフォームが形になったことを、大変喜ばしく思っています。マイクロンが提供するのは、この設計が持つ密度とパフォーマンスの可能性を最大限に引き出すためのストレージ基盤です。この極めて高密度なAIストレージアプライアンスと、世界最大容量のSSDを組み合わせることで、お客様に大きな価値がもたらされます。それこそが「Better Together」、つまり組み合わせることで真価を発揮するというストーリーであり、マイクロンはその一翼を担えることを誇りに思います。

これこそが、コラボレーションがもたらす価値です。お客様は、それぞれの要素が適切に組み合わさり、連携して動作するかどうかを心配する必要はありません。基盤はすでに整っています。

WEKAチームの皆様、WEKApodの発売おめでとうございます。私たちはこうしたストーリーに携わり、貢献できることを誇りに思います。そして、これから共に築き上げていく未来を楽しみにしています。

 

  1. ゴードン・ドルヴェン、「North America Data Center Trends H2 2025(北米データセンター動向2025年下半期)」、CBRE、2025年。cbre.com
  2. 「Queued Up: Characteristics of Power Plants Seeking Transmission Interconnection(接続待ちの状況:送電網への接続を求める発電所の特性)」、ローレンス・バークレー国立研究所、Energy Markets & Policy。emp.lbl.gov/queues
  3. 「業界トップクラスの245TB容量を誇るMicron 6600 IONデータセンター向けSSDの出荷を開始」、マイクロンテクノロジー、2026年5月。Micron Technology 本記載はマイクロンのプレスリリースに基づくものです。記載内容を裏付ける条件については、プレスリリースの脚注をご参照ください。
  4. WEKA Unveils WEKApod 3: The World's Densest AI Storage and Memory System for Agentic Workloads(WEKA、WEKApod 3を発表:エージェント型ワークロード向けの世界最高密度AIストレージおよびメモリシステム)
  5. WEKApod Prime Maxの最大構成では、Micron 6600 245.76TBドライブ64台とMicron 9550 6.4TBドライブ6台を組み合わせて使用します。
  6. ここで言及されているWEKA構成では、56Uラックを使用しています。
  7. 「世界初のPCIe® Gen6 SSD、Micron 9650 SSDが新たな出荷マイルストーンを達成!」、マイクロンテクノロジー。ブログを読む

 

ソリューションマーケティング担当シニアディレクター

Larry Hart

Larry Hartは、マイクロンのコアデータセンタービジネスユニット(CDBU)でソリューションマーケティング担当シニアディレクターを務めており、影響力のあるテクノロジーソリューションの開発とマーケティングに深く取り組んでいます。価格設定、製品マーケティング、アウトバウンドマーケティング、製品管理、エコシステム開発など、幅広い分野での経験を活かし、エコシステム内での技術的な連携を強化する戦略的取り組みを主導しています。また、顧客の声を反映したマイクロンのソリューションを伝え、顧客にもたらす総合的な事業価値の最大化に取り組んでいます。

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