DDR5のメリット
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DDR5に移行するメリット
さらに進化を遂げた次世代型DRAMであるDDR5は、さまざまな新機能を搭載し、RAS(信頼性、可用性、保守性)の向上、省電力化、飛躍的な性能強化を実現しています。以下のリストは、DDR4とDDR5の主要機能の一部の違いを比較したものです。
機能/オプション | DDR4 | DDR5 | DDR5のメリット | |
---|---|---|---|---|
データレート | 600~3200MT/秒 | 4800~8800MT/秒 | パフォーマンスと帯域幅が向上 | |
VDD/VDDQ/VPP | 1.2/1.2/2.5 | 1.1/1.1/1.8 | 省電力 | |
内部VREF | VREFDQ | VREFDQ、VREFCA、VREFCS | 電圧マージンを改善、BOMコストを削減 | |
デバイス密度 | 2Gb~16Gb | 16Gb、24Gb、32Gb | モノリシックデバイスの大型化が可能 | |
プリフェッチ | 8n | 16n | 内部コアクロックが低く保たれる | |
DQレシーバーイコライゼーション | CTLE | DFE | DRAM内で受信したDQデータアイが開きやすい | |
デューティサイクル調整(DCA) | なし | DQおよびDQS | DQ/DQSピンの送受信信号を改善 | |
内部DQS遅延監視 |
なし | DQSインターバルオシレーター | 環境変化に対する堅牢性が向上 | |
オンダイ(On-die)ECC | なし | 128b+8b SEC、エラーチェックおよびスクラブ | オンチップのRASを強化 | |
CRC | 書き込み | 読み込み/書き込み | 読み込みデータの保護によりシステムのRASを強化 | |
バンクグループ(BG)/バンク |
BGx4、バンクx4(x4/x8) BGx2、バンクx4(x16) |
BGx8、バンクx4(16~64Gb、x4/x8) BGx4、バンクx4(16~64Gb、x16) |
帯域幅/パフォーマンスを改善 | |
コマンド/アドレスインターフェース | ODT、CKE、ACT、RAS、CAS、WE、A<X:0> | CA<13:0> | CAピン数を大幅に削減 | |
on-dieターミネーション | DQ、DQS、DM/DBI | DQ、DQS、DM、CAバス | 信号の整合性を改善、BOMコストを削減 | |
バースト長 | BL8(およびBC4) | BL16(およびBC8 OTF) | 1つのDIMMサブチャネルのみで64Bキャッシュラインフェッチが可能 | |
MIR(「ミラー」ピン) | なし | あり | DIMM信号を改善 | |
バス反転 | データバス反転(DBI) | コマンド/アドレス反転(CAI) | VDDQのノイズを軽減 | |
CAトレーニング、CSトレーニング | なし | CAトレーニング、CSトレーニング | CAピンおよびCSピンのタイミングマージンを改善 | |
書き込みレベリングトレーニングモード | あり | 改善済み | DQ-DQSパスの不一致を補償 | |
読み込みトレーニングパターン | MPRで可能 | シリアル(ユーザー定義)専用MR、クロック、LFSR - 生成トレーニングパターン | 読み込みのタイミングマージンを堅牢化 | |
モードレジスター | 7 x 17ビット | 最大256 x 8ビット(LPDDRタイプ読み込み/書き込み) | 拡張の余地を確保 | |
PRECHARGEコマンド | 全バンク/バンクごと | 全バンク/バンクごと/同一バンク | PREsbによりBGごとにバンクのプリチャージが可能 | |
REFRESHコマンド | 全バンク | 全バンク/同一バンク | REFsbによりBGごとにバンクのリフレッシュが可能 | |
ループバックモード | なし | あり | DQおよびDQSの信号テストが可能 |
注目のリソース
よくある質問
いいえ。DDR5サーバーメモリとDDR4マザーボードには互換性がありません。DDR5は、2022年10月以降に発売されたすべてのCPU(中央処理装置)用のDDR5サーバーマザーボードにのみ適合します。DDR5は、生成AI、機械学習、ディープラーニングといったアルゴリズムを実行する各種ワークロードなど、データ負荷の高いワークロード向けに設計されています。
どちらも使用します。マイクロンは、メモリの転送速度を表す場合はメガトランスファー毎秒(MT/秒)という単位を使用します。メモリの実際のクロック速度については、メガヘルツ(MHz)を使用するほうが適切です。DDR5を含むすべてのDDRメモリテクノロジーは「ダブルデータレート」であるため、クロックエッジの立ち上がりと立ち下がりの両方で転送が行われます。したがって、DDR4メモリの測定値は最速で3200MT/秒または1600MHzとなります。DDR4の転送速度の範囲は1866MT/秒~3200MT/秒ですが、マイクロンのDDR5の転送速度は4800MT/秒および5600MT/秒となります。2024年には、すべてのCPU(中央処理装置)が6400~8800MT/秒の速度に対応することが見込まれています。
次世代型DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)であるDDR5は、機械学習、人工知能、ビッグデータ解析といった非常に大きなメモリ帯域幅を必要とするデータ処理アプリケーションのパフォーマンスが向上します。DDR5では高速化が進み、DDR4よりも85%高いパフォーマンスが即座に得られます。DDR5メモリはデータレート(速度)の範囲が4800~8800MT/秒となっていて、メモリのパフォーマンスが向上しているとともにRAS(信頼性、可用性、保守性)も強化されています。
- 性能が向上:DDR5は最低実行速度が4800MT/秒である一方、DDR4は最高速度が3200MT/秒です。このように高速化しているため、HPC(高性能コンピューティング)ワークロードにおけるパフォーマンスが2倍となっています。ディープラーニングでは、マイクロンのDDR5メモリはDDR4と比較してパフォーマンスが最大5倍となっています。
- 信頼性の向上:ODECC(オンダイエラー訂正コード)がすべての1ビット/2ビットエラーコードを検出し、ホストCPU/GPUに送信する前に1ビットエラーコードを修正することができます。ODECCとはDDR5の仕様に含まれている最先端機能で、顧客品質を向上させ、将来のスケーリングを可能にするために設計されたものです。
- 総所有コスト:マイクロンの96GB DDR5 DRAMテクノロジーは、エンタープライズおよびクラウドサービスプロバイダーの環境でのTCO(総所有コスト)に向けて最適化されています。マイクロンのDDR5メモリは16/32/64GBおよび24/48/96GBの容量のものがあり、製品検証を実施しています。
詳細情報や機能の違いの概要については、DDR5とDDR4の対照比較をご覧ください。
はい。データセンターではAIのトレーニングに使用される複雑なアルゴリズムをサポートする動きが見られており、DDR5は以下の点でDDR4よりも優れています。
- マイクロンのDDR5サーバーDRAMのパフォーマンスはDDR4のほぼ2倍です。DDR4とは異なり、DDR5はサーバーやワークステーションのパフォーマンスを85%以上向上させるように最適化されています。2014年に発売されたDDR4では、データセンターの要求に応えられなくなっています。単一プラットフォームでアクティブに実行される仮想マシンのインスタンス数が増加したため、DDR5テクノロジーでは、メモリのコアあたりの帯域幅不足を解消するとともに、仮想化アプリケーションのパフォーマンスと応答性を向上させています。
- DDR5では96GBという新たなモジュール密度が達成されていて、高性能サーバーの最大容量がさらに50%増加します。このため、サーバーを追加購入することなくコンピューティング空間を拡張できます。
- マイクロンのDDR5サーバーメモリにはオンモジュール電源管理集積回路(PMIC)が搭載されているため、お客様がシステム全体の電源管理コストを負担する必要はありません。つまり、システムスロットの一部が空いていれば、DDR5サーバーのほうがDDR4サーバーよりも電力コストの総額が抑えられる可能性があります。また、マイクロンのサーバーメモリは高品質であり、通常はOEMのサーバーメモリよりも低価格です。
- マイクロンのDDR5サーバーメモリは、DDR4と比較して帯域幅が広く、信頼性、可用性、拡張性が向上しています。ミッションクリティカルなサーバーの基準に合わせて、コンポーネントレベルとモジュールレベルで全品検査を実施し、Intel®やAMD®の次世代DDR5サーバー/ワークステーションプラットフォーム向けに最適化されています。また、3大メモリメーカーの一翼を担うマイクロンは、DDR5サーバーメモリのテストと検証を行い、主要なDDR5サーバープラットフォームのすべてで動作すること確認しています。
いいえ。生産は終了いたしません。DDR4はかなりの数をご利用いただいており、今後何年間にわたってサポートを継続する必要があります。マイクロンは、DDR4発売当初のDDR3への対応と同様に、1α(1アルファ)ノード使用DDR4の製造も継続する予定です。
DDR5は多くの用途でメリットがあり、DDR5サーバーやワークステーションのパフォーマンスを最大限まで引き出し、AI、ディープラーニング、高性能コンピューティング、クラウドコンピューティング、仮想化スーパーコンピューティングなど、超高速のリアルタイムメモリを必要とするメモリ内データベースの用途に最適です。
HPCワークロードは特に膨大なメモリ帯域幅を必要とするため、十分なメモリ帯域幅が得られないとパフォーマンスが低下しがちです。このような複雑なワークロードは、気象・気候シミュレーション、地震モデリング、物理学・化学・生物学的分析など、人類にとってきわめて難解な問題の解決に取り組むために実行されています。分子動力学、気象研究・予測、OpenFOAMといったワークロードにおいて、マイクロンのDDR5では2倍のパフォーマンスが得られています。
また、これらのワークロードはAIやその他のデータ解析の中で扱われることが多い大規模なデータセットを持つ複雑なシステムのシミュレーション、予測、モデルといったものによく使用され、ビジネスと科学のどちらの分野でも複雑なワークフロー分析を支えています。こういった形での利用は、幅広い用途で開発期間とコストの削減に役立ちます。
DDR5は1.1ボルトの電圧で動作します。DDR4の1.2ボルトよりも電圧が低く、消費電力が大きく抑えられます。
マイクロンは、CPUおよびプラットフォーム開発で業界をリードする企業と緊密に連携すると同時に、システムおよびマザーボードの最先端メーカーとも提携しながら、メモリテクノロジーをワンランク引き上げる努力を続けています。マイクロンは、単に製品を販売するだけでなく、お客様のサーバーに向けた高品質のメモリ製品を最初から最後まで設計できる革新的なノウハウを備えた実績ある業界リーダーとしてその存在感を発揮しています。マイクロンのシングルダイパッケージ大容量DIMMである96GB DDR5メモリは、競合他社の128GB DDR5と比較してコストが60%、消費電力が4%低くなっています。
DDR5のメモリモジュールの初期価格は、新しいテクノロジーの本格的な生産が開始されるまでの間はDDR4よりも高くなる見込みです(50%増)。このコストは次第に下がると予想されます。また、各DDR5モジュールには、もともとマザーボード上に大きな回路として1つ搭載されていた電源管理集積回路の小型のものが搭載されています。これによりコンポーネント電圧が1.2Vから1.1Vに低下するとともに電源管理が改善され、長期的に見るとシステム全体のコスト削減につながる可能性があります。さらに、DDR5はパフォーマンスが約85%向上すると予想されており、このアップグレードによって総所有コストを効果的に削減できる可能性があります。
AMDは第4世代EPYCプロセッサーを2022年10月に発売し、Intelは第4世代Xeonプロセッサーを2023年1月に発売しました。これらの製品はDDR5メモリをサポートしています。お客様のご希望のシステムベンダーをご確認のうえ、この革新的なテクノロジーのメリットをデータセンターでご活用ください。
DDR5を導入する際には、互換性やTCOといった要素を検討する必要があります。ご不明な点やお客様のニーズに応じた考慮事項についてご質問がありましたら、マイクロンのテクニカルチームがお答えします。お気軽にお問い合わせください。
2. 現在エコシステムパートナーにサンプリング中です。
3. https://www.dell.com/en-us/blog/leading-sap-hana-performance-by-dell-poweredge-r760-servers/
4. 競合他社のデータシートと電子デバイス技術合同協議会の仕様に基づいています。