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AI

AI時代の要求に応える、Micron G9 NAND SSD

マイクロンテクノロジー | 2025年8月

Micron 6600、7600、9650製品のグループ写真

AI革命は、もはや遠い未来の話ではありません。AI革命はすでに始まっており、産業を再形成し、ユーザーエクスペリエンスの常識を塗り替え、デジタル世界を支えるインフラそのものを再構築しています。交響曲を作曲する生成モデルから、自律システムを推進するリアルタイム推論エンジンに至るまで、AIワークロードはデータセンターが提供すべきものの限界を押し広げています。この変革を支えているのは、データストレージ技術における本質的な変化です。

明確なことは、次世代AIには、データ量の飛躍的な増加、複雑化するモデル、トレーニングと推論の高速化、そしてハイパースケールAIのエネルギー需要に対応できるソリューションとして、新しいクラスのSSDが必要だということです。

世界初のPCIe® Gen6 Micron 9650 NVMe SSD、大容量の6600 ION NVMe SSD、汎用性のあるMicron 7600 NVMe SSDを含むマイクロンの第9世代NAND SSDはすべて、G9 NANDアーキテクチャーに基づいており、まさにこうした変革に向けて設計されています。

どうして今、変革が必要なのでしょうか? それは、AIワークロードが従来とは根本的に異なるからです。現在のAIワークロードは単に規模が大きいだけでなく、従来のエンタープライズアプリケーションよりも動的で、並列性が高く、レイテンシーに影響を受けやすいのです。

大規模言語モデル(LLM)のトレーニングを例にとると、ペタバイト単位のデータを取り込み、GPUクラスター全体で数十億もの演算を実行することになります。一方で推論では、リアルタイムで意思決定するために、ベクターデータベースへの超高速アクセスと低レイテンシーの応答が必要となります。これらの要件により、従来のストレージの限界が明らかで、AI専用に構築されたSSDの必要性が高まっています。

マイクロンのAI製品ファミリーに追加された製品のご紹介

マイクロンのG9 NAND SSD(9650、6600 ION、7600を含む)は、戦略的な飛躍をもたらします。

まずパフォーマンスリーダーのMicron 9650 SSDから見ていきましょう。業界をリードするマイクロンのG9 TLC NANDをベースに構築したこの世界初のPCIe Gen6 SSDは、最大28GB/秒のシーケンシャル読み取りと550万IOPS(入出力操作毎秒)のランダム読み込み、そして14GB/秒のシーケンシャル書き込みと90万IOPSのランダム書き込みを可能にします。このため、Micron 9650 SSDは、TensorFlow®、CUDA®-Xライブラリを用いたPyTorch®、RAPIDS、GPUアクセラレーション対応のApache Spark、NVIDIA® GPU Direct Storageなど、GPUを活用するワークロードに最適です。6プレーンアーキテクチャーにより、データが演算処理と同じ速さで流れるため、ボトルネックが解消され、スループットが最大化されます。最大30.72TBの容量と、読み取り集中型ワークロードと混同型ワークロードの両方に対応する耐久性オプションを備えた9650は、単に高速なだけでなく、高い適応性も持ち合わせています。

しかし重要なのはパフォーマンスだけではありません。AIの規模が拡大する環境では、密度と電力効率の向上も必要になります。これに対応できるのは記録的な性能を備えたMicron 6600 IONです。この超高密度なG9 QLC(クアッドレベルセル)NANDベースのSSDは、ハイパースケールストレージに革新をもたらします。E3.Sフォームファクタでは最大122TB、今後予定されているE3.Lフォームファクタで245TBまで容量を拡大できるため、2Uサーバーあたり最大4.88PBを実現できます。これは革新的です。なぜなら、ドライブ数の削減、ラック空間の節約、消費電力の大幅な削減、総所有コスト(TCO)の改善をもたらすからです。実際、従来のHDDと比較して、6600 IONは3.4倍の密度と3,000倍のIOPSを実現し[1]、AIデータレイク、モデルリポジトリ、アーカイブ推論データセットにとって魅力的な選択肢となっています。

さらに、より幅広い用途に対応するメインストリームのGen5 SSDとして、Micron 7600も高い性能を実現しています。最大12GB/秒の読み取り速度、210万IOPS、そしてQD256(256のキュー深度)で1ミリ秒未満のレイテンシーを実現するほか、AI推論、OLTP(オンライントランザクション処理)データベース、エッジの展開に最適化されています。IOPS(1Wあたり)で測定されるその優れた効率性により、旧世代ドライブの統合を可能にし、データセンター運用の電力消費量も削減できます。

これらすべてのSSDが、高性能なトレーニングからコスト効率の優れたストレージ、リアルタイム推論に至るまで、AIインフラストラクチャーのあらゆるニーズに対応する統合ポートフォリオを形成しています。そして、これらのSSDはすべて、業界をリードするマイクロンのG9 NANDという共通のアーキテクチャーを基盤としています。

この一貫性が重要なのです。こうした一貫性によって、認定の簡素化、導入作業の合理化、そして多様な環境における予測可能な性能の確保が可能になるからです。マイクロンのSSDポートフォリオに関する詳細情報と仕様については、ブログ「AIとクラウドの未来をリードするマイクロンのG9 NANDベースSSD」をご覧ください。

AIデータセンターにおける戦略的な差別化要因

このトピックは、単に仕様にとどまらず、戦略にも関わる内容です。AIが企業のイノベーションに不可欠な存在となるのにともない、それを支えるインフラストラクチャーも進化しなければなりません。ストレージは、もはや後回しにされる補助的な存在ではありません。パフォーマンスを引き出す要素であり、コストを左右し、競争力を差別化する要素なのです。マイクロンはこのことを理解しています。だからこそ、私たちは単にSSDを製造しているのではなく、コンピューティングの未来を見据えたソリューションを設計しているのです。

実際、AIワークロードの要件は今後ますます増加する一方でしょう。金融システムにおけるリアルタイム不正検知や、次世代の顧客サービスに向けた瞬時の音声合成といった、大規模な推論のユースケースを考えてみましょう。このようなユースケースでは、膨大なデータセットへの超高速アクセスが不可欠なほか、レイテンシーによるボトルネックを排除し、超高IOPSを実現できるSSDが必要です。さらに最先端を行く技術として、テラバイト級のシーケンスデータを瞬時に解析するAIを活用したゲノムパイプラインや、数百万人のユーザーに対するユーザーエクスペリエンスをミリ秒単位でパーソナライズする動的なレコメンデーションエンジンなどが必要になります。これらのアプリケーションに必要なのは、単なるストレージではなく、AI推論にともなう特有のワークロードの負荷、同時並行性、応答性に合わせて専用に構築されたストレージなのです。AI推論では、マイクロ秒単位での処理が求められます。

モデルはさらに大規模化し、トレーニングはますます複雑になっています。推論にはこれまで以上のスピードが求められ、データはより高密度に、そして電力効率の重要性はかつてないほど高まっています。この分野で成功を収めるのは、こうした将来の変化を予測し、そのような変化に備えて今日から構築を始める企業でしょう。

マイクロンのG9 NAND SSDは、そのような先見性の証と言えるでしょう。データセンターにおけるデータの格納と移動に関して、万能薬のようなソリューションはありません。これらの負荷の高いAIワークロードの要件を満たすには、メモリとストレージソリューションの完全な階層構造が必要です。マイクロンは、高帯域幅メモリのHBM4から6600 ION SSDに至るまで、AI向けのソリューションを開発しています。

これからの未来に向けて、この対話を続けていく必要があります。例えば、パフォーマンスとサステナビリティのバランスをどのようにとるか、エッジAIを支える新たなフォームファクタにはどのようなものが登場するのか、連合学習分散AIといったテクノロジーを支えるストレージはどんな進化を歩むのか、などです。これらは、私たちが共に探求していくべき問いかけです。

こうした対話を主導できることを、マイクロンは誇りに思っています。私たちは、パートナー、顧客、そして同業の皆様と、AIインフラストラクチャーの未来を共に形作っていきたいと考えています。この取り組みはまだ始まったばかりで、その可能性は無限大だからです。

マイクロンのデータセンター向けSSDの全ポートフォリオについて詳しくは、データセンターSSDストレージソリューション | Micron Technology, Inc.をご覧ください。

1 HDDとの比較は、42Uラックのうちサーバー/ストレージ用に割り当てられた36Uに基づいています。1台の2Uサーバーには40台のMicron 6600 ION SSD(各122.88TB)を搭載でき、これは5Uサーバー/ストレージベイに搭載される100台のHDD、または理論上の720台のHDDに相当します。