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車載用メモリをゼロから構築

バーバラ・コルブ | 2023年5月

A = 自動車に対するマインドセット

マイクロンのマインドセットは、設計、製造、テストからカスタマーサポートに至るまで、製品ジャーニーの隅々に行き届いています。

スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドウェックによると、「マインドセットとは、世界と自分自身をどのように理解するかを方向付ける信念や心構えです。あらゆる状況において、考え方、感じ方、行動に影響を与えます」

マイクロンの自動車事業を見ると、自動車に対して31年以上も前から抱いていたマインドセットがわかります。この間に、自動車1台に必要なハードウェアのデータは数十キロバイトからテラバイトへと変わりました。つまり、顧客に信頼されるような、耐久性のあるメモリやストレージ装置を開発するには、これまで以上に品質にこだわったマインドセットが大切になるのです。

マイクロンのプロセスはこの理念に基づいて構築されており、その結果がゼロ欠陥という意欲的なマインドセットと、車載用メモリおよびストレージの要件を支える品質管理システムです。マイクロンが先日発表したASIL D準拠のLPDDR5は、マイクロンの自動車に対するマインドセットを示す一例で、自動車市場における本質的なトレンドと要件を認識し、新たな安全要件を支えるために欠かせない投資を行っていることを示しています。

設計

メモリ設計はまず、自動車業界の顧客やパートナーとの緊密なコラボレーションを通じて確立済みの、広範囲にわたる仕様から始まります。こうした仕様は、メモリとストレージの機能やパフォーマンスの基盤となります。仕様には、熱プロファイル、クロス温度動作、ワークロード、保持性、耐久性などの属性が含まれます。こうした仕様を定めるのは、一般的な自動車環境に対応するためだけでなく、自動車内の極めて特殊なアプリケーション分野に対応するためでもあります。機能安全に対応する場合、マイクロンのアーキテクトは、業界をリードする多くの相手先商標製造会社、ティア1サプライヤー、チップセットベンダーの安全管理室と密接に連携します。先進運転支援システム(ADAS)と車載エンターテインメント(IVE)アプリケーションの双方について、システムレベルでの安全性に関するシステム全体のニーズを理解するためです。

製造

製造段階で大規模な投資を行うことで、マイクロンは最先端のプロセスに基づいた製品の開発・提供を行っています。実際、マイクロンはこうした投資を通じて、DRAMでは1α(1アルファ)、現在では1β(1ベータ)ストレージでは176層NAND、現在では232層NANDをいち早く市場に投入してきました。こうした投資は、業界クラス最高の消費電力とパフォーマンスを実現するために欠かせません。さらにマイクロンでは、自動車市場で求められる製品の長寿命化を実現するため、専用ファブに投資を行っています。定義、開発、製造の各プロセスは、マイクロンが採用し対応しているASIL DのISO 26262規格に合わせて調整を行っています。

検査

マイクロンが業界をリードする品質を有するのは、クラス最高のテスト手法によるものです。マイクロンでは、50万個のセンサーと数百万枚の画像から収集した10億点のコントロールポイントを、フロントエンド工程と組み立て/テスト工程全体でリアルタイムに分析することで、歩留まりも品質も向上させることができました。人工知能(AI)の広範な活用を通して、マイクロンではトレンドを迅速に発見し、対策を講じることができます。それにより、従来よりもはるかに優れた歩留まりを、より短期間に達成できるようになりました。テスト戦略と方法論の一環として、ISO 26262仕様で特定したプロセスをテストフローに組み込み、特に機能安全に関する自動車規格に合わせて確実に調整しています。

カスタマーサポート

マイクロンには世界中とつながる13の車載専用ラボがあり、一貫したテスト体制によって、ほぼ24時間365日、製品の市場投入に対応しています。これらのラボは、設計段階からコラボレーションを追求することにより、最小のリスクで最短の市場投入を実現します。カスタマーサポートは、ラボによる対応のみではありません。専門の安全管理室、システムアーキテクト、フィールドアプリケーションエンジニアも責任を持って顧客と密接に連携し、システムレベルで機能安全ASIL目標を最適に実現するためのシステム設計を支援します。

キャロル・ドウェックによる「マインドセット」の定義にあるように、自動車に対するマイクロンのマインドセットが車載用メモリの設計、製造、テスト、サポート方法を方向付けてきたことがわかります。それによってマイクロンのリーダーシップが可能になり、今後も次世代の車載用メモリとストレージソリューションを前進させ続けるでしょう。

マイクロンのSAFER車載用メモリに関するブログシリーズ

このシリーズでは、画期的な車載用メモリソリューションおよびサポートを検討する際のインサイトや指針をお届けします。「SAFER」は5つの重要なコンセプトの頭文字を組み合わせたものです。つまり、「S」は業界で現在最も安全な(Safest)ソリューション、「A」は自動車(Automotive)に対するマインドセット、「F」は故障(Fault)検出、「E」は先駆的なエンジニアリング(Engineering)、「R」はリスク(Risk)管理を表しています。SAFERの各文字に対応する内容のブログを用意しています。

その他のブログについては、マイクロンの機能安全ページ(自動車の機能安全 | Micron Technology, Inc.)をご覧ください。

Sr. DRAM Product Line Operations Manager

Barbara Kolbl

Barbara Kolbl, senior product line operations manager, is fascinated with the changes memory is driving in the automotive industry. Her previous role in marketing communication for the automotive market segment along with her current role in LPDRAM operations allows her a front row seat to the changes happening in this dynamic market.